うれしいニュース。サンディエゴ動物園で絶滅危惧種のベアードバクの赤ちゃんが生まれたよ!
 6月初旬、アメリカのサンディエゴ動物園で、かわいらしい縞模様のメスのベアードバクの赤ちゃんが誕生した。

 ベアードバクは、メキシコなど中央アメリカ原産のバクの仲間。
人間による開発と乱獲により、その生息数が著しく減少している生き物だ。

 通常は子どもを1頭ずつしか生まないため、繁殖率が非常に低く、なかなか生息数が復活しないのが悩みの種。

 生息地にある国々でもさまざまな工夫で保護しているが、今回の赤ちゃん誕生のニュースは、そんな中で伝えられた明るい話題となったようだ。

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San Diego Zoo Asks for Help Naming Endangered Tapir Calfまるでウリボウ?ベアードバクの赤ちゃんが誕生! まるで猪の子のウリボウのような縞々の入った身体。ベアードバクの赤ちゃんは、ウリボウ同様、草むらなどでうまくカモフラージュされるよう、こんな模様で生まれてくるんだそうだ。

 成長と共にこの模様は薄れ、毛色も赤褐色から、親と同じ黒へとと変わっていくんだそう。

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 ベアードバクという名前の由来は熊でも髭でもなく、19世紀のアメリカの自然科学者スペンサー・F・ベアードに由来するそうだ。

 メキシコやベリーズ、コスタリカなどの中米諸国に生息している生き物で、別名「チュウベイ(中米)バク」とも呼ばれている。

 水辺を好んで暮らしており、敵が近づくと水に飛び込んで、鼻先をシュノーケルのように使って泳いで逃げるんだとか。

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 ベアードバクは野生下で、木の葉や枝、木の実や水草なんかを食べている。彼らが食べた木の実や果実に含まれる種は、彼らの移動に伴って遠くへ運ばれ、排泄されてその地で芽を出し成長する。

 中米のジャングルはこうして豊かな植生を増やしており、ベアードバクは「森の庭師」とも呼ばれているんだそうだ。


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開発により数を減らし、現在では絶滅危惧種に だが中米ではプランテーションなどの開発が進み、彼らの生息地は分断された。されに人口が増えると、ベアードバクは食料として人間に狩られることにもなったのだ。

 これは遠い昔の話ではなく、2000年代に入ってからも、中米では18万平方キロメートルもの森林が失われてしまっている。

 その上、彼らの妊娠期間は約13か月。一度にほぼ1匹しか子供を産まず、繁殖率の低いベアードバクの生息数はさらに激減。絶滅危惧種に指定される事態になってしまった。

 現在、中南米の国々では、ベアードバクの保護活動に積極的に取り組んでいる。特にベリーズでは国を挙げた保護活動が行われており、国獣として親しまれているとのこと。

 そんな中での今回の赤ちゃん誕生は、動物園にとっても、そして彼らの生息地の国々にとっても、嬉しいニュースとなったのだ。[画像を見る]  ベアードバクはその生息数の少なさから、動物園で飼育されている個体も、全世界で57頭(2020年12月時点)しかいないんだそう。

 日本では金沢動物園で飼育されているそうなので、機会があったらぜひ会いに行ってみよう。

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赤ちゃんの名前を絶賛投票受付中 ところで現在、サンディエゴ動物園では、この赤ちゃんの名前をつけるため、絶賛投票受付中。
現在選択肢は以下の4つに絞られている。
・メランシア(Melancia:ポルトガル語で「スイカ」)
・イシュチェル(Ixchel:マヤ語で「月の女神」)
・ハイェチ(Hayetzi:マヤ語で「月のしずく」)
・スーナ(Soona:オトミ語で「月」)
 現地太平洋時間の2024年7月2日午後12時、日本時間では3日の午前4時までこちらで投票を受け付けているそうなので、名付け親の1人になりたい人はぜひ投票してみてほしいな。

References:Endangered Baird’s Tapir Calf Born at San Diego Zoo Delights Visitors (LOOK) / written by ruichan/ edited by parumo

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