史上初めて太陽に大接近した宇宙探査機が撮影した圧巻のタイムラプス映像
 まるでSF映画のワンシーンのような壮大なタイムラプス映像は、太陽の外部コロナの直接観測を計画しているNASAの探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」が9度目となる太陽への接近で目撃したものだ。

 パーカー・ソーラー・プローブは2021年8月8~12日にかけて史上初めて太陽の上層大気(コロナ)を通過し、搭載された「WISPR(Wide-field Imager for Solar Probe)」によって、太陽周辺の様子を撮影した。


 「コロナ・ストリーマー」と呼ばれる火花のような筋は、帯電したガスとプラズマの巨大なループで、太陽周辺の空間がいかに激しいものなのか実感させてくれる。

 それだけでも迫力満点の映像だが、その背後には太陽系の惑星や天の川までが共演しており、豪華すぎる宇宙のキャストに言葉を失うことだろう。

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Parker Solar Probe Encounters Streamers on the Way to the Sun
火花のような筋の正体は? 迫力あるこの映像に映し出されているものは、そもそも何なのだろうか?

 火花を思わせる激しい筋は「コロナ・ストリーマー」と呼ばれるもので、反対の極性を持つ2つの領域を結ぶ、帯電したガスとプラズマの巨大なループである。

 これらは太陽風によって細長く伸ばされ、電子で満たされているために輝いている。

 「ヘルメット・ストリーマー」とも呼ばれるこうした筋は、地球では日食でしか観察できないが、パーカー・ソーラー・プローブのカメラはコロナ内部のそれを捉えていた。

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パーカー・ソーラー・プローブが9回目の太陽接近でコロナを通過したとき、コロナ・ストリーマーのそばを飛行し。このような光景が撮影できたのは、探査機がコロナ内のストリーマーの上と下を飛行したからこそ可能になった。 / image credit:NASA/Johns Hopkins APL/Naval Research Laboratory太陽の周りを彩る豪華な共演者たち だが、この映像を派手に演出しているのは、それだけではない。詳しく見てみれば、その背景に星々や惑星が流れていくことに気づくだろう。

 ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの天体物理学者グラント・トレンブレー氏によるなら、共演者は火星・水星・金星・天の川・土星の順で登場し、最後は地球と木星のダンスでフィナーレを飾るそう。

 このタイムラプス映像は5日間に撮影されたものを組み合わせたものだが、この短期間でこれだけ壮大な仕上がりになったのは、探査機のスピードに秘密があるようだ。

 激しく流れるコロナ・ストリーマーだけでもスピード感たっぷりだが、じつはパーカー・ソーラー・プローブは時速52万9200kmの猛スピードで移動している。
つまり1秒間に147kmもぶっ飛んでいるのだ。

 Wikipediaによると、パーカー・ソーラー・プローブの近日点到達は、2025年の暮れには26度を数えることになる予定だそう。

 その決死のミッションが終わったとき、私たちにとって最も身近な恒星についてどんな新事実が明らかにされるのだろうか?

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image credit:NASA/Johns Hopkins APL/Naval Research Laboratory
References:NASA Scientific Visualization Studio / This Footage From The First-Ever Probe to Touch The Sun Will Leave You Speechless : ScienceAlert
/ written by hiroching / edited by / parumo

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