
今年の3月、上海で4軒の家に侵入して合計10万元(現在のレートで約218万円)以上に相当する貴重品を盗んだ男が逮捕された。
さらに6月5日、江蘇省徐州の農村では合計5世帯の農家に強盗が入り、総額で約3万元(約65万3,000円)相当の品が盗まれた。
この2つの事件には共通点があった。どちらも犯人はシリコン製のリアルなフェイスマスクを被り、別人に変装して犯行に及んでいたのだ。
これらの事件を受けて、中国国内ではシリコンマスク販売の是非を巡る議論が巻き起こっているという。
シリコンマスクで別人になりすます犯罪が中国で増加中 3月に上海で起こった事件の際、警察が防犯カメラの映像を調べたところ、犯人は黒いコートを着て黒のニット帽をかぶった「高齢の男性」だと思われた。
だが犯行現場に残された手がかりをもとに犯人を逮捕してみたら、その男は映像に写っていた人物とは似ても似つかない、中年の男性だったのだ。
[画像を見る]
日本でも通販で購入できるリアルな老人に変装できるシリコン製マスク / image credit:amazon
この事件の犯人、通容疑者は40歳で、犯行時はシリコンマスクを被って老人に変装していたという。
徐州の事件の犯人、王容疑者(42)の場合は、シリコンマスクで電気工に変装していたそうだ。彼は窃盗と強盗で20年間服役し、今年の4月に釈放されたばかりだったという。
防犯カメラにとらえられていた王容疑者の姿。
[画像を見る]
image credit:紫牛新闻
この他にも中国ではシリコンマスクを被って窃盗や強盗を行う犯罪者が続出している。1月にも浙江省で、同様の事件が起きていたらしい。値段はピンキリ!ジョークグッズからオーダーメイドまで こういったシリコンマスクは、通販サイトなどで簡単に手に入ってしまう。
安価なマスクはパーティーなどで使用する娯楽用で、顔認識を通過できるレベルではない。だが高価なものになると、感度の低い顔認識は突破してしまえるものもあるという。
これが悪用されると、顔認証を使って携帯電話のロックを解除したり、リモートワーク中に出退勤記録を誤魔化したり、銀行口座へアクセスされる可能性がある。
[画像を見る]
image credit:photoAC
現に多くの通販サイトでは、安価なものから数万円程度の、様々なタイプの人物になりすますことができるシリコンマスクが販売されている。
[画像を見る]
女性に変身できるシリコンマスク / image credit:Amazon
さらにリアルなオーダーメイドのマスクは、日本円で30万円以上もする上に、製作期間も1カ月以上かかることも。
業者の中には、出来上がったマスクがスマートフォンの顔認証をすり抜けられなければ、返金を保証しているところもあるという。
中国では通販サイトが検閲されており、犯罪に使われそうなマスクに該当する言葉はブロックされている。
例えば「人面面觀」や「人皮面觀」などで検索しても結果はヒットしないようになっているが、今のところ「シリコンマスク」という言葉に規制はかかっていないようだ。
[画像を見る]
イケメン風フェイスマスク、カツラを被れば完成だ / image credit:amazonマスクの製造販売を規制するのは難しい 北京の法律事務所に所属する趙弁護士は、シリコンマスクを一律に規制するのは難しいと述べる。
変身願望がある人は多いので、犯罪以外の目的で、別人になれるリアルなマスクに興味を持つ人は多いだろうが、うっかり被ったまま外をうろついて、あらぬ疑いをかけられたら元も子もない。
それに、どんなに高度な技術をもってしても、接近されたら皮膚感とかでバレちゃいそうな気もするんだけど、それなら特殊メイクで年齢をごまかした方がまだクオリティ高いのかな?
References:Silicone Face Masks Spark Legal Concerns in China Due to Increase Use in Criminal Activities / written by ruichan/ edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
さらに6月5日、江蘇省徐州の農村では合計5世帯の農家に強盗が入り、総額で約3万元(約65万3,000円)相当の品が盗まれた。
この2つの事件には共通点があった。どちらも犯人はシリコン製のリアルなフェイスマスクを被り、別人に変装して犯行に及んでいたのだ。
これらの事件を受けて、中国国内ではシリコンマスク販売の是非を巡る議論が巻き起こっているという。
シリコンマスクで別人になりすます犯罪が中国で増加中 3月に上海で起こった事件の際、警察が防犯カメラの映像を調べたところ、犯人は黒いコートを着て黒のニット帽をかぶった「高齢の男性」だと思われた。
だが犯行現場に残された手がかりをもとに犯人を逮捕してみたら、その男は映像に写っていた人物とは似ても似つかない、中年の男性だったのだ。
[画像を見る]
日本でも通販で購入できるリアルな老人に変装できるシリコン製マスク / image credit:amazon
この事件の犯人、通容疑者は40歳で、犯行時はシリコンマスクを被って老人に変装していたという。
徐州の事件の犯人、王容疑者(42)の場合は、シリコンマスクで電気工に変装していたそうだ。彼は窃盗と強盗で20年間服役し、今年の4月に釈放されたばかりだったという。
防犯カメラにとらえられていた王容疑者の姿。
[画像を見る]
image credit:紫牛新闻
この他にも中国ではシリコンマスクを被って窃盗や強盗を行う犯罪者が続出している。1月にも浙江省で、同様の事件が起きていたらしい。値段はピンキリ!ジョークグッズからオーダーメイドまで こういったシリコンマスクは、通販サイトなどで簡単に手に入ってしまう。
値段も手ごろで、安い物なら日本円で1,000円程度、高い物でも数万円程度で売られているそうだ。
安価なマスクはパーティーなどで使用する娯楽用で、顔認識を通過できるレベルではない。だが高価なものになると、感度の低い顔認識は突破してしまえるものもあるという。
これが悪用されると、顔認証を使って携帯電話のロックを解除したり、リモートワーク中に出退勤記録を誤魔化したり、銀行口座へアクセスされる可能性がある。
[画像を見る]
image credit:photoAC
写真からカスタムマスクを作ることもできますが、商品説明ページにはそう言ったことは記載されていません。多くの販売業者は、マスクをオーダーする際に身分証明書の提示を求めたり、購入の目的を確認したりはしないそうだ。
(よりリアルなマスクを作るには)3Dスキャンしたデータを送っていただくか、写真と頭や顔のサイズをご提供ください
現に多くの通販サイトでは、安価なものから数万円程度の、様々なタイプの人物になりすますことができるシリコンマスクが販売されている。
[画像を見る]
女性に変身できるシリコンマスク / image credit:Amazon
さらにリアルなオーダーメイドのマスクは、日本円で30万円以上もする上に、製作期間も1カ月以上かかることも。
業者の中には、出来上がったマスクがスマートフォンの顔認証をすり抜けられなければ、返金を保証しているところもあるという。
中国では通販サイトが検閲されており、犯罪に使われそうなマスクに該当する言葉はブロックされている。
例えば「人面面觀」や「人皮面觀」などで検索しても結果はヒットしないようになっているが、今のところ「シリコンマスク」という言葉に規制はかかっていないようだ。
[画像を見る]
イケメン風フェイスマスク、カツラを被れば完成だ / image credit:amazonマスクの製造販売を規制するのは難しい 北京の法律事務所に所属する趙弁護士は、シリコンマスクを一律に規制するのは難しいと述べる。
他人の写真を無断で使用してマスクを作るのは、肖像権の侵害に当たりますが、犯罪に使用されているにもかかわらず、マスクには傷跡を隠したり演劇などで使ったりといった正当な用途もあるため、商品自体を禁止するのは難しいでしょう今や画像加工技術が発達しているので、画面上では完璧に化けられるが、やはりリアルとなると、精巧なマスクが求められるということなのか。
変身願望がある人は多いので、犯罪以外の目的で、別人になれるリアルなマスクに興味を持つ人は多いだろうが、うっかり被ったまま外をうろついて、あらぬ疑いをかけられたら元も子もない。
それに、どんなに高度な技術をもってしても、接近されたら皮膚感とかでバレちゃいそうな気もするんだけど、それなら特殊メイクで年齢をごまかした方がまだクオリティ高いのかな?
References:Silicone Face Masks Spark Legal Concerns in China Due to Increase Use in Criminal Activities / written by ruichan/ edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
編集部おすすめ