サメの仲間にも変装の名人がいる!待ち伏せと擬態で大物をゲットする「アラフラオオセ」
 カモフラージュの能力に長けた生き物たちは多い。彼らはサバイバルな世界を生き抜くため、周囲に溶け込むような色や形になり切ったり、他の生物に擬態するエキスパートたちだ。


 木の杭そっくりに擬態するハイイロヨタカや、海藻になりすますアンコウなどがよく知られているが、サメの仲間にも待ち伏せと擬態の天才がいる。

 今回はそんなサメの一種、アラフラオオセを紹介しよう。

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The Tasselled Wobbegong Shark Lures in Prey for Ambush待ち伏せと擬態のプロ「アラフラオオセ」 この動画はインドネシア東部の海中で撮影されたものだそうだ。1,500匹以上の魚が泳いでいるこのサンゴ礁の海にもやはりプレデターがいる。

 それがこいつ、待ち伏せを得意とする「アラフラオオセ」だ。英語の名前はタッセル・ウォベゴン。平たい身体に、タッセルのようなフサフサがついているのが特徴なんだ。

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 一見するとそうは見えないかもしれないが、これでも立派なサメの仲間。この獲物を狙う不穏な目を見ると、それも納得できるよね。

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 アラフラオオセは待ち伏せの達人であると同時に、大きな口で自分の身体ほどもある獲物を捕食することでも知られている。

 小さな魚や甲殻類が近くに来ても、辛抱強く動かずにいたりする。その様子に安心した大型の獲物が近づいてくると、素早い動きでパクリと襲いかかるのだ。


 こちらの映像では、アラフラオオセの身体の作りをはっきり観察することができる。平べったさがよくわかるんじゃないかな。

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Tasselled Wobbegong Shark自分から獲物を誘い込むことも アラフラオオセは、単に獲物が近づいて来るのを待っているだけではない。魚に似せた尻尾の動きで獲物を呼び寄せることもする。

 美味しそうだと近づいてきた魚は、自分が美味しくいただかれてしまうわけだ。

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 体長は最大で1.8mになるものも。生息域はオーストラリア北部からインドネシア東部、ニューギニア島にかけての海域で、たいていは珊瑚礁の浅瀬でハンティングをしているが、50mくらいの深さまでなら潜れるらしい。

 人を攻撃したという記録もあるようなので、ダイビング中などに見かけても、みだりに近寄らない方がいいかもしれないね。

 下の映像は同じオオセ科の魚を写したもの。ヒラヒラがまばらなのでクモハダオオセではないかと思われるが、これもアラフラオオセかな?

 詳しい人がいたらぜひ特定してもらえると助かるんだ。

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Sleepy wobbegong shark

References:Tasselled wobbegong: The master of disguise that can eat a shark almost as big as itself / written by ruichan/ edited by parumo

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