大西洋に浮かぶスペインのカナリア諸島沖の海底で、アトランティス伝説の起源となった可能性のある大昔の島々が発見されたそうだ。
海に沈んだ島々は、直径50kmの広さがある海山の山頂部分で、海面が今よりももっと低かった時代には、島として浮かんでいたと考えられる。
この新たに発見された海山は、プラトンが記した伝説の大陸にちなみ「ロス・アトランティス山」と名付けられた。
伝説の大陸、アトランティス
アトランティスはかつてかつて大西洋に存在したとされる伝説の大陸のことだ。
古代ギリシャの哲学者プラトンによれば、そこを治めていた王家はポセイドンの末裔だったが、やがて人々は堕落し、ついには神々によって大陸ごと海中に沈められてしまったという
最近ではアトランティスに存在したと考えられている伝説の金属「オリハルコン」らしきものが発見されている。
カナリア諸島沖の海底で新たに島々が発見される
スペイン地質鉱業研究所(IGME-CSIC)の地質学者ルイス・ソモサ氏は、「かつて存在した島々は、アトランティス伝説が伝えるように沈んでしまい、今もなお沈み続けています」とプレスリリース[https://www.csic.es/es/actualidad-del-csic/descubierto-un-monte-submarino-en-canarias-compuesto-por-tres-volcanes]で話す。
ロス・アトランティス山は、カナリア諸島最東端にあるランサローテ島の東海岸沖、水深100~2,500mの海底を水中ドローンで調査していた時に発見された。
これはスペイン地質鉱業研究所による「アトランティス計画」の一環として行われていた調査で、本来の目的はこの地域の海底火山や熱水活動を解明することだ。
現在も残される島の面影
新たに海底で発見されたロス・アトランティス山は、5,600万年前から3,400万年前の始新世においてはいくつもの島として海面に顔をのぞかせていたかもしれない。
ところが火山活動が終わると、溶岩が固まり密度が増したことで、海中へと沈んでいった。
だが、失われた島々の当時の面影はまだ残されている。たとえば、ロス・アトランティス山の平な頂上部では、ビーチ・砂丘・崖といったものが確認された。
ソモサ氏によると、現在火山岩をおおっている砂は、島が沈んでいくプロセスで堆積したものだと考えられるという。
また一部のビーチは、海面からわずか60mの深さにある。
その当時、そうした島には野生生物が生息していた可能性もあるが、やがて気温が上がって海面が上昇すると、またも海中に没することになる。
ソモサ氏らは今後、ロス・アトランティス山から収集したサンプルを分析し、火山岩の年代を特定しつつ、島が水没した時期を特定する予定であるとのこと。
また来年の調査では、アトランティス伝説の始まりかもしれないこの海山を再訪するつもりであるそうだ。
References: Descubierto un monte submarino en Canarias compuesto por tres volcanes | Consejo Superior de Investigaciones Cientificas[https://www.csic.es/es/actualidad-del-csic/descubierto-un-monte-submarino-en-canarias-compuesto-por-tres-volcanes] / 'This could be the origin of the Atlantis legend': Mountain that sank beneath the waves discovered off Canary Islands[https://www.livescience.com/planet-earth/volcanos/this-could-be-the-origin-of-the-atlantis-legend-mountain-that-sank-beneath-the-waves-discovered-off-canary-islands]











