メキシコの道路で突如巨大な陥没穴が発生、車両2台を飲み込む
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 2025年7月5日、メキシコで交通量の多い幹線道路に突如として巨大な陥没穴が出現し、走行中の車両2台が穴に飲み込まれる事故が発生した。

 幸いにも怪我人や死亡者は確認されていない。

 現場では当局による原因調査と安全確保の作業が続いており、交通は一時混乱に陥った。

 世界各地の道路で頻繁に発生する陥没穴。事前に発生を予測する手立てはないのだろうか?

交通量の多い道路で突如巨大な陥没穴が出現

 2025年7月5日(土)、メキシコ、ハリスコ州の州都グアダラハラ市東部の幹線道路の中央部に突如として巨大な陥没穴が開いた。

 幹線道路は、都市や地域間を結ぶ主要な道路で、交通量や大型車両の通行が多い。

 陥没穴の大きさは長さ約40 m、幅約10 mに達し、乗用車と貨物トラックが完全に穴に転落した。乗用車は完全にひっくり返っているのがわかる。

 さらに白いバスと思われる車両も穴に半分ほど落ちかけており、道路の交通は完全に遮断された。

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現場の状況と対応

 事故発生後、メキシコ民間防衛隊(Civil Protection)や地元消防隊が現場に駆けつけ、安全確保や被害状況の確認、交通整理を行った。

 空撮映像には、道路の大規模な崩落と深く口を開けた穴の様子が鮮明に映し出されている。

 現場周辺は立ち入り禁止となり、復旧作業が急ピッチで進められている。

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陥没の原因は?

 現時点で当局は陥没の正確な原因を発表していない。

 地下水の浸食、地盤の弱さ、地下インフラの老朽化などが要因として考えられるが、詳細は今後の地質調査や構造点検の結果を待つ必要がある。

 調査結果とともに、再発防止策の発表が期待されている。

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 今回のメキシコのケースのように、世界各地で地面に突然陥没穴が開くケースが相次いでいる。

主な原因としては次のようなものがある。

  • 地下水の浸食
    長年にわたり地下水や雨水が地中の土砂や石灰岩を徐々に溶かし、空洞ができることで地表が崩れる。特にカルスト地形(石灰岩の多い地質)では陥没リスクが高い。
  • 老朽化した地下インフラ
    上下水道管や地下トンネル、下水道施設などの老朽化・破損によって土が流出し、空洞化が進んで陥没につながることがある。
  • 過剰な都市開発と工事の影響
    地下工事、建設工事、過剰な地下水くみ上げなどが地盤の安定性を損ない、崩落を引き起こす要因となることがある。

 2025年2月、ブラジル北東部、マラニョン州ブリティクプ市では大小数十個もの陥没穴が開き、非常事態宣言が発令された。

 日本でも2025年1月28日、埼玉県八潮市で下水道管の老朽化が原因とみられる大規模な陥没事故が発生し、トラックが転落、運転手の救出に長時間を要する深刻な事態となった。

 国土交通省の2022年のデータによると、日本での道路陥没は年間約1万件に上るという。そのうち約2700件は下水道管や雨水管の劣化が原因とされている。

 こうした陥没は予測が難しいことが多いため、地質調査や地下インフラの点検・更新が重要視されている。

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