
アメリカ・アリゾナ州の人里離れた荒野で、停まっている車のそばで小型犬がポツンと立っているのを偶然通りかかった人が目撃し、地元の保安官事務所の捜索救助隊に通報した。
通報を受けた救助隊が現場に向かい、車のそばにいる犬を発見。
隊員らが周囲を確認したところ、近くで飼い主の遺体が発見された。犬はずっと飼い主のそばに寄り添っていたようだ。
飼い主が死亡した経緯は明らかになっていないが、犬は数日間その場にいた可能性が高いという。
現在、犬は無事に保護され、施設で必要な手当てを受けている。
アリゾナ州の荒野で発見された1匹の小型犬
2025年7月6日、アリゾナ州コチセ郡の人里離れた荒野で、亡くなった飼い主のそばを離れずにいた1匹の小型犬が、地元の保安官事務所によって救出された。
現場を偶然通りかかった人物が、車のそばにいる犬を発見し、ずっとその場にとどまっている様子に異変を感じ、地元のコチセ郡保安官事務所に通報した。
通報を受けた保安官事務所は、所属する捜索救助隊(CCSO SAR:Cochise County Sheriff’s Office Search and Rescue)を現場に派遣した。
救助隊が到着したとき、犬は停まっていた車のそばから動こうとせず、警戒心をあらわにしながら周囲をうろついていた。
隊員たちは犬を追いかけて保護しようとしたが、なかなか捕まらず時間がかかったという。
現場の近くでは、犬の飼い主とみられる男性の遺体が見つかった。犬は、その遺体のそばを離れず、ずっと寄り添っていたとみられている。
犬は無事に保護される
犬がその場にどれくらいとどまっていたのかは正確には分かっていないが、捜索救助隊によれば、周囲の状況などから少なくとも数日間はそこにいた可能性が高いという。
実際、救助前に犬を目撃したという男性ジョン・マーテンさんは、現場で怯えている様子の犬にサンドイッチと水を残して立ち去ったと語っている。
「元気そうだったけれど、あの犬が経験したことを思うと胸が痛む」と話した。
現在、この犬は地元の保護施設に引き取られており、必要な手当てを受けている。
飼い主がどうしてその場所にいたのか、またどのようにして命を落としたのかについては、まだ明らかになっていない。
救助が行われた場所は、自然保護区「ミュールシュー・ランチ(Muleshoe Ranch)」から数km離れた人里離れた荒野だったという。
コチセ郡保安官事務所の捜索救助隊は、「これは動物がどれほど飼い主に深い思いを寄せているかを示す出来事でした」とコメントしている。
コチセ郡保安官事務所が投稿したFacebook上では、犬の忠実な行動に心を動かされた人々から多くの反響が寄せられており、飼い主の家族への祈りや哀悼の言葉、さらに犬のその後を心配する声が多数寄せられている。