背筋ぴきーん!ヒョウが人間のように直立している姿が南アフリカで目撃される
Marie Tardan/Facebook

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 南アフリカのクルーガー国立公園で、まるで人間のように背筋を伸ばして直立するヒョウの姿が目撃、撮影された。

 中に人が入っている?それともミーアキャット入ってる?と思うほどだが、実はこの行動にはきちんとした理由がある。

 ヒョウは環境に柔軟に適応する万能な捕食者であり、直立もまた彼らの生存戦略のひとつなのだ。

ヒョウが背筋を伸ばして二足立ち

 南アフリカ北東部に位置するクルーガー国立公園はアフリカ最大級の野生動物保護区だ。

 広大なサバンナと森林地帯には、ライオンやゾウ、ヒョウ、バッファロー、サイといった野生動物をはじめ、147種以上の哺乳類、500種近い鳥類が生息している

 野生動物が大好きな、同国コマティプール在住のマリー・ターダン[https://www.facebook.com/marie.tardan974]さんが、クルーガー国立公園で偶然撮影したヒョウの映像が話題となっている。

 映像には、道路を横断するヒョウが、草むら近くにくると突然腰を下ろし、次の瞬間、まるで人間のように背筋をぴんと伸ばして後ろ足で直立する様子が映っている。

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なぜヒョウは二足立ちに?

 それにしてもヒョウは二足立ちになって何を見ているのだろう?

 実はこのヒョウは、インパラの群れを狙っていたのだ。サバンナは草丈が高く、伏せたままでは視界が限られるため、ヒョウは静かに腰を上げ、さらに立ち上がることで、獲物の位置や周囲の状況を確認しようとしたと考えられている。

 投稿では「ヒョウは座った後、さらに立ち上がり、より広い視野を得ようとしていた」と記されており、この行動は狩猟中の判断の一環だったことがうかがえる。

 インド森林局のパルヴィーン・カスワン氏[https://x.com/ParveenKaswan/status/1943913671438016714]もこの動画を紹介し、「ヒョウはもっとも多才な生き物のひとつ」と称賛した。

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ヒョウの二足立ち行動は他にも目撃されていた

 このような行動は過去にも観察されている。

 2021年には、タンザニアのセレンゲティ国立公園で、母親のヒョウが子どもとはぐれた際に後ろ足で立ち上がりながら周囲を探す姿が目撃された。

 現地ガイドのスティーブ・ニャヘガ氏によると、マサイ・コピエスと呼ばれる岩場付近で、車を怖がったヒョウの子が母親とはぐれてしまい、母親は二足立ちになりながら、何度も立周囲を確認していたという。

 再会の瞬間こそ記録には残せなかったが、母と子は無事に合流できたそうだ。

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ヒョウの適応能力の高さ

 ヒョウは、ネコ科の中でもとくに高い順応性を持つ動物で、アフリカからアジアにかけて広く分布している。

 単独で行動することが多く、主に待ち伏せ型の狩りを行う。夜行性ではあるが、日中にも活動し、木登りや泳ぎも得意という多才さで知られている。

 成獣の体長はオスで160~200cm、メスで140~170cmほど。体重はオスで60~90kg、メスで30~60kg前後。尾も長く、バランスをとる役割を果たしている。

 野生下での寿命はおよそ12~17年程度とされる。

 基本的には四足歩行だが、獲物を探したり、子どもを探すといった状況では、視野を広げるため、短時間だけ後ろ足で立ち上がることがある。

 この行動は日常的ではないが、ヒョウの知的で柔軟な一面を表す特徴的な行動として注目されている。

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