
アメリカで暮らすターニャ・ミシェルさんとその家族は、母親に見捨てられた生後3週間のオスの子猫を保護し、家族に迎え入れた。
当時2歳だったターニャさんの末娘が名付け親となり、「ミャウミャウ」と名付け、たいそうかわいがった。
ところが、娘が8歳の時、ミャウミャウが激しく体調を崩し、命の危機が迫った。
「私が高校を卒業するまでは絶対に虹の橋にはいかないで!絶対に約束よ!」少女はミャウミャウに向かって何度も語り掛けた。
そして2025年、ついに少女は卒業式を迎えることとなった。17歳になるミャウミャウをその手に抱きながら……
少女と病気の猫が交わした約束
生後3週間で家族に迎え入れられたミャウミャウは、すぐに家族にとってかけがえのない存在となった。子供たちと一緒にミャウミャウも成長していった。
ところが、その6年後、ミャウミャウは重い病気にかかってしまった。獣医に「もう長くはないかもしれない」と告げられた家族は覚悟を決めようとしていたが、当時8歳となった末娘だけはそれを認めなかった。
物心ついた時から常にミャウミャウと一緒で、共に育った娘は、彼がいなくなることを想像することすら嫌がった。
娘は何度も何度もミャウミャウにこう語りかけた。
私が高校を卒業するまでは、絶対に虹の橋に行かないで!約束して!
一生のお願いよ!
そしてついに奇跡が起きる。
その思いが届いたかのように、ミャウミャウは獣医も驚くほどの回復を遂げたのだ。
約束を守った猫、17歳となり卒業式を見守る
それから年月が過ぎ、2025年、ついに娘の高校の卒業式が15日後に迫った。もちろんミャウミャウもいる。
17歳となったミャウミャウは、しっかりと約束を守ったのだ。
末娘は卒業の準備として、記念写真の撮影を行ったが、ミャウミャウも参加するのが当然だと、家族全員が思っていた。
「彼はこの瞬間を待ち続けてきたんだと思います。彼にも卒業する資格があります」とターニャさんは語る。
家族はミャウミャウのために、娘とおそろいのミニサイズの帽子とガウンを用意し、一緒に記念写真を撮影した。
ミャウミャウは撮影中ずっと落ち着いていて、この瞬間を誇らしくを持っているかのようだったという。
娘の腕に抱かれてカメラに収まる姿には、両者の17年間の絆がにじんでいた。
卒業式を目前に控える中、ミャウミャウは17歳の誕生日を迎えた。
高齢となった彼は、家族に見守られながら、穏やかに日々を過ごしている。
家族はミャウミャウの誕生日を祝うために小さなパーティーを開いた。数日前に6歳となった弟分の猫、ティガーの誕生日と合同で行った。
彼と姉妹たちは文字通り共に成長してきた。
「私たちの愛すべき老猫」と、ターニャさんは言う。「もし彼が虹の橋に向かったあとも、彼の残した思い出は、永遠に私たちの宝物になります」
奇跡的な回復を遂げ、少女との約束をちゃんと守ってくれたミャウミャウと、歳を重ねた彼を気遣い、より一層の愛情を注ぐ家族。その絆の深さが多くの人の心を震わせている。