
元保護猫のジョージが施設から家族に迎えられた日。彼は小さなブランケットと共にやってきた。
それ以来、ジョージーはどこへ行くにも、そのブランケット(毛布)を手放さない。常に口にくわえてまるで自分の一部のように抱えて歩く。
最初は施設からもらった1枚だけだったが、今ではタオルや家の他のブランケットなど、柔らかい布ならどれでも良くなったが、口にくわえるという習慣は変わらず続いている。
歩くには邪魔に思えるが、ジョージーにとってはそれがあることで心が落ち着くのだろう。
そして彼にとってもうひとつ欠かせないのが、飼い主女性の存在だ。ジョージーは、ブランケットと飼い主、そのどちらが欠けても安心できないらしく、まるでふたつでひとつの心の支えのようになっている。
保護猫の心の支えはブランケット
茶トラ柄のオス猫、ジョージは、2匹の先住猫がいるご家庭に新たに迎え入れられた元保護猫である。
ジョージは施設からこの家に来る時、ベージュと白色のブランケット(小ぶりの毛布)と共にやってきた。
施設での唯一の心の友だったそのブランケットを大事に持ち運ぶジョージ。階段を降りるときですら、そのブランケットをくわえながらやってくる。
飼い主女性がブランケットを「くれるの?」とひっぱろうとするが絶対に放さない。ジョージにとってこのブランケットは自分が辛いときを支えてくれた相棒のようなもので、常にそばにあることで心が安心するのだろう。
今では他の布でもOK。飼い主女性に対する愛着も
他に投稿されている動画を見ると、ジョージーは徐々に変化を見せ始め、このブランケットじゃなくてもよくなったようだ。
タオルやその他の布類など、布的なものなら何でも口にくわえるようになった。
さらに飼い主女性に対しての強い愛情、愛着も芽生えたようで、口に布をくわえながら、女性のもとへやってくる姿が頻繁にみられる。
かといってこの布は女性へのプレゼントではない。ひっぱろうとしても絶対に放さないのだ。
ジョージは今、布と女性、この2つが自分にとって大切で安心できる存在に変化したようで、両方があることで心のバランスを保っているのかもしれない。
毛布が見当たらないときは、女性に「どこにあるの?」と鳴いてその場所を教えろと催促する。
女性がシャワーを浴びようと浴室に行くと、毎回タオルくわえながら、浴室までついてくる。
ジョージにとっての安心毛布
ジョージーは、常に口に布的なものをくわえる行動は、心理学では「安心毛布」[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%BF%83%E6%AF%9B%E5%B8%83]と呼ばれている。アメリカの漫画『ピーナッツ』に登場するキャラクター、ライナスがいつも手にしていた毛布に由来し、「ライナスの毛布」としても知られている。
人間の子どもが不安を感じたときに手にするぬいぐるみや毛布のように、精神的な安定を保つための“安心のよりどころ”となるものだ。
人間だけでなく、猫や犬などの動物にも同様の行動が見られることがあり、特に小さなころから親と離れて育った動物では強く現れる傾向があるという。
ジョージは他の猫と遊んだり、リードを付けて散歩をするときは毛布を口にくわえていないが、まだ布が必要なのだろう。そして同様、飼い主の存在もジョージにとっては安心毛布的なものなのかもしれない。