
8月8日は「世界猫の日(International Cat day)」に制定されており、各国各地で猫にちなんだイベントなどが開かれる。
中でも世界猫の日発祥の地であるイギリスでは、その年に話題を集めた猫たちがノミネートされる「ナショナル・キャット・アワード」が開催される。
2025年のこの栄えあるアワードに、スコットランドのグラスゴーで暮らす1匹のにゃんこがノミネートされた。その猫の名前は「キキ」。
キキは地元の子供と一緒に毎日小学校に通い、一緒に下校する猫で、なんと皆勤賞までもらったのだ。
子供と一緒に通学する猫
キキはソーシャルワーカーとして働くミシェル・スコットさんの飼い猫で、息子のソニーくん(10)といっしょに地元ケルビンデールの小学校に通っている。
ソニーが学校に行く準備をしている時、キキはたいてい寝ているか、半分寝ぼけていたりします。
でもソニーが家を出る音が聞こえると、ベッドから飛び降りて階段を駆け下り、彼を追いかけるんです。
そして、ソニーが立ち止まってぐずぐずしていると、まるで「さあ、行くわよ!」と言わんばかりに先頭に立って走り出すんですよ
キキがソニーくんのもとへやってきたのは、彼の8歳の誕生日のことだった。初めて出会った瞬間を、ソニーくんは今でも覚えている。
キキを初めて見たとき……兄弟の猫たちと遊んでいる様子を見た時に、僕は一瞬で彼女と恋に落ちちゃったんだ
そしてキキは家にやって来ると、いつもソニーくんのそばにいるようになった。どうやらふたりは、最初から相思相愛だったみたいだ。
そしていつの間にか、キキはソニーくんの後を追って家を出て、学校まで通うようになった。
学校の校庭でキキを見たときは少し驚いたし、ちょっとだけわくわくしたよ。「もしかしたら、キキは人気者になれるかも?」って思ったんだ
日中は学校で時間をつぶし、一緒に下校
ソニーくんの予感は当たっていた。キキは学校に着くと、日中は校庭で時間をつぶし、辛抱強く放課後を待っている。
たまに教室に入ってきてしまうこともあるが、学校が終わるとソニーくんと一緒に下校し、家までしっかり送り届ける。
子供や保護者、先生たちの絆を繋ぐマスコットに
ミシェルさんはそんなふたりの様子を母親として微笑ましく見守っていたが、次第に何かもっとすごいことが起こっていることに気がついた。
キキはケルビンデール小学校のコミュニティを素敵な方法で結びつけてくれました。
キキを見た人たちが話しかけてくれるようになり、今まで話したことのなかった保護者たちが挨拶してくれるようになったんです。
違うクラスの子どもたちがソニーに話しかけるようになって、それが彼の人生にポジティブな影響を与えていると思うと嬉しくなります。
小さな猫のキキがそれを実現させたのは本当に素晴らしいことです
そのうちにキキの存在は教師の間でも知られるようになり、校長先生の耳にも届いた。
校長先生は毎日「通学」してくるキキの態度を評価し、皆勤賞を授与した。
さらにキキは小学校の非公式マスコットに認定され、キーホルダーやトートバッグなどのオリジナルグッズが作られることに。
これらのグッズはソニーくんが中心となって販売し、かなりの売り上げを上げたという。
収益は慈善団体に寄付されたが、キーホルダーは特に人気で、先生たちも欲しがったそうだ。
3匹のファイナリストのうちの1匹に
世界猫の日にちなんだ「ナショナル・キャット・アワード」には、以下の4つのカテゴリーがあり、それぞれのカテゴリーごとに優勝者が選出される。
- Connected Cats(コネクテッド・キャッツ)
地域社会や人と人との絆を深めた猫に贈られる賞。たとえば、近所の人々の交流のきっかけになった猫などが対象- Family Cats(ファミリー・キャッツ)
家族の支えとなったり、特別な絆を持つ存在として家庭内で大きな役割を果たしたりした猫に贈られる- Incredible Cats(インクレディブル・キャッツ)
誰かの命を救ったり、特別な才能を持っていたりなど、非凡な行動や能力を持った猫に贈られる- Senior Cats(シニア・キャッツ)
年齢を重ねた猫に贈られる賞で、長年家族に寄り添ったり、年を取ってなお特別な役割を果たしている猫が対象
さらにそれぞれの優勝者の中から、「2025年ナショナル・キャット・オブ・ザ・イヤー」が選出されることになる。
2024年のキャット・オブ・ザ・イヤーは、人身売買の被害に遭った女性たちを保護する施設で、収容されている女性たちに癒しを与えたマーリーという猫が選出されたのだそうだ。
現在、キキは「コネクテッド・キャッツ」部門の3匹のファイナリストに選ばれ、最終選考を待っている段階だ。
ナショナル・キャット・アワードの公式ページ[https://www.cats.org.uk/nca]で、7月いっぱいまで投票を受け付けているので、興味のある人は覗いてみよう。
他にもある「猫の日」的な記念日たち
ちなみにこの「世界猫の日」は、2002年に国際動物福祉基金によって制定され、現在はイギリスの「International Cat Care[https://icatcare.org/]」という団体が運営しているんだそうだ。
日本にも独自の「猫の日」があって、こちらは2月22日の「にゃんにゃんにゃん」の日。さらに「招き猫の日」は9月29日(来る福の日)なんだって。
その他各国の猫の日は以下の通り。
2月17日:イタリア
3月1日:ロシア
4月4日:台湾
8月8日:イギリス、カナダ
10月29日:アメリカ
11月17日:イタリア(黒猫の日)
さらに猫関連の記念日はこんなにあるらしい。それぞれの日にかこつけて、愛猫とのささやかなイベントなどを楽しむのもいいんじゃないかな。
1月22日:猫の質問に答える日
3月28日:猫をリスペクトする日
4月の最終金曜日:毛玉啓発デー
6月4日:猫とハグする日
8月17日:黒猫感謝の日
8月22日:猫をお医者さんに連れて行く日
9月1日:茶トラ猫感謝の日
10月16日:野良猫の日