
アラブ首長国連邦のドバイのショッピングモールを1匹でさまよっていた茶トラの猫が、地元の保護活動家によって保護された。
このオス猫は「メルリーノ」と名付けられ、保護主が一時預かり、愛情あふれる永遠の家を見つけることを決意した。
彼の完全な健康状態を取り戻すため、人懐っこいメルリーノを動物病院に通わせていたところ、スタッフからぬいぐるみをプレゼントされた。
ところが、お気に入りのぬいぐるみが破れてしまい、メルリーノは落ち込んでしまう。そこで病院で緊急手術を行うことに。もちろんメルリーノも立ち会った。
モールをさまよっていた野良猫、保護活動家に出会う
2025年初め、ドバイのショッピングモール内で、茶トラ柄の猫がひとりぼっちで歩き回っていた。その姿を見かけた地元の動物の保護活動家が、少しずつ信頼関係を築き、無事に自宅へと連れ帰ることに成功した。
このオス猫は「メルリーノ(Merlino)」と名付けられ、保護主が一時的に面倒をみることになった。保護主は、いつか愛情深い永遠の家族を見つけることを、メルリーノと約束した。
動物病院の人気者となったメルリーノ
保護されたメルリーノは、健康状態を完璧に整えるために、ドバイ市内にある動物病院「モダン・ベット(Modern Vet)[https://modernvet.com/]」に通うようになった。この病院は、最先端の医療と心のこもったケアを提供する施設として知られている。
メルリーノはとても人懐っこく、いつも撫でてもらいたがったり、遊びたがったりする愛らしい性格の猫だったため、スタッフの間で人気者となった。
そんな彼を楽しませるため、スタッフがぬいぐるみをプレゼントしたところ、メルリーノはすぐに夢中になった。
ぬいぐるみが怪我!メルリーノ立ち合いのもと、緊急手術
メルリーノはどこに行くにもこのぬいぐるみを口にくわえ、毎日一緒に遊んでいた。ところが、あまりにも遊び過ぎたせいか、ぬいぐるみが破れてしまった。これにショックをうけたメルリーノは落ち込んでしまう。
その様子を見た動物病院の、スタッフたちはすぐに動いた。
看護師のケイトさんが「緊急手術」を行うことに。ぬいぐるみが怪我した箇所の縫合を開始する。
そのあいだ、メルリーノは手術時の帽子を身に着け、まるで助手のように手術の様子をじっと見守っていたという。
「彼はじっと見つめていました。本当に心配だったようです」とスタッフは語る。
「ボクの大切な子だから、絶対に手術を成功させてね。ずっと見守っているから」とでもいうように、メルリーノはオペを行うケイトさんにキスをして、メンタル面でのサポートを行った。
メルリーノの応援もあり、手術は無事成功。元通りになったぬいぐるみを受け取った彼は、すぐに以前のように元気を取り戻したという。
永遠の家族が見つかりイタリアへ
その出来事から間もなく、保護主のもとに嬉しい知らせが届いた。メルリーノを迎えたいというイタリア在住の家族が名乗り出たのだ。
こうして、メルリーノは海を越えて新しい家族のもとへと旅立った。現在はイタリアの家庭で、愛情いっぱいの日々を送っている。
ドバイの動物病院スタッフたちも、今も彼のことを思い出すという。
「新しい家族と一緒にいる写真を見ると、心が温かくなります。本当に満足そうな顔をしていました」と広報担当者は語った。
メルリーノは現在、ドバイから遠く離れた場所で幸せに暮らしている。もちろんお気に入りのぬいぐるみも一緒だ。
人間を愛し、常にかかわる人々に笑顔をもたらしてくれたメルリーノ。
物理的に離れてしまっても心の距離は変わらない。ドバイで彼に関わった人々の心の中には、今も、そしてこれからも、ずっと愛らしいメルリーノが居続けることだろう。