
毎年夏になると飛び込んでくるのが、車の中に子供を放置する…という信じられなくも痛ましいニュースである。
なぜ毎回毎回、同じことが繰り返されるのか? 今年もまた、アメリカでショッピングモールの駐車場の車の中に、幼児が放置されていたのが見つかった。
救出時の車内温度は47℃だったという。
幸いなことに、第三者による通報と迅速な警察の対応で、子供たちの命に別状はかなったそうだ。
警官が車の窓ガラスを破壊して子どもたちを救出
事件は2025年6月4日の午後、ジョージア州コブ郡の警察署に、一本の通報が飛び込んで来た。
カンバーランド・モールというショッピングモールの駐車場で、車内に残された幼い兄妹(男児と女児)が泣いているというのだ。
今カンバーランド・モールにある「DICK’S」の外に立っているんですけど、小さな子供が2人、車の中で泣いているんです。
窓は少し開いているけど、これじゃダメだと思うわ…。子供たちは中に閉じ込められています。小さな子供たち、男の子と女の子です
早速警官が現場に到着して確認すると、車の後部座席のチャイルドシートに、確かに2人の幼児が取り残され、ドアはロックされていた。エンジンは切られており、クーラーもかかっていない状態だ。
すぐに警官が運転席の窓を割って子供たちを救出。幸いなことに子供たちの命に別状はなく、入院の必要はなかったそうだ。
警察官のボディカム映像には、ドアを開け、「大丈夫だよ」「暑いよな」と声をかけながら子供を抱き上げる様子が写っている。
父親が逮捕・起訴されたものの、翌日には保釈
その後、買い物を終えて車に戻って来た父親のジャクワン・ディクソン容疑者(27)が、現行犯で逮捕された。
調べによると子供たちはそれぞれ1歳と2歳で、ディクソン容疑者は、41分間にわたって子供たちを車内に放置していたとのこと。
この日の気温は約30℃だったが、車内の温度を赤外線温度計で測ったところ、約47℃にも達していたという。
もし誰も気づかずに救助が遅れていたら、子供たちの命は間違いなく危険にさらされていたことだろう。
ディクソン容疑者は「子供たちに過度の身体的・精神的苦痛を与えた」として、児童虐待(2級)で起訴されたが、その翌日、約11,000ドル(約160万円)の保釈金を積んで保釈されたという。
なくならない放置案件に悲痛なコメントが殺到
この事件を知った人々からは、いつまでもなくならない「駐車場での放置事件」に憤る声が多数寄せられている。
- 毎年夏になると、同じような話ばかり聞く。本当にうんざりだ
- 通報しながら窓を割れよ! 警官を待つ必要なんてない
- 素手でそれができる人は少ないし、もし子どもが無事だった場合に車の損害の責任を取りたくない人もいるんだよ
- 私だってそうしたいけど、法律的には他人の車を壊すと責任が問われるかも。だから警察を待ったんでしょ
- 子どもが泣いているうちはまだ大丈夫。泣きやんだ時こそ危険で、その時は何としても動くべきだ
- なんで釈放されたんだ? 自分の子どもにこんなことをしたんだから、しばらく刑務所に入れておくべきだ! 思い知らせる必要がある!
- 最近は本当に怠慢な親が多すぎる。子どもたちが無事でよかったよ
- 子どもを持つべきじゃない人たちが、あまりにも多く子どもを作っている!
- この無能な父親から子どもを引き離してほしい!
- 父親や保釈されるべきじゃなかった 。きっと留置所で少しは思い知っただろうし、今ごろ児童保護局(CPS)が動いているはず。最低な父親だ
- いまだにこんなことをする親がいるなんて信じられないよ
- いくら支払ったとしても、釈放されたなんてあり得ない
- 昔からよく言うだろう?「すべての子どもには親が必要だが、すべての親が子どもを持つ資格があるわけではない」 って
- 警察に通報した女性はよくやった。あの年齢の子どもを車内に置き去りにするなんてあり得ない。生きていて本当に良かった
- あと数分で助からなかったかもしれない。
気づいてくれたあの女性に神の祝福を- 子どもを暑い車に置き去りにする言い訳なんて、ゼロだ。絶対にない。こんなことが起きるのをもう見たくない
- わざとやったんじゃないかな。それともただの不注意か、いずれにせよひどい親だよね。本当に信じられない。どうしたらこんなことができるんだ?
- この父親も1時間くらい灼熱の車の中に放置すべき
- こんなニュースはいつも見る。でも何も変わらない。人間の愚かさは本当に日常的で、狂っている。こんなバカどもがすぐ釈放される事実が、この世界の壊れっぷりを示している
- コブ郡に住んでいたことがあるけど、あそこの警察は本当に優秀で、全米でもトップクラスだと思うよ
- 母親はいったい何をしているんだろう…?
- 暑い日に子どもや動物を車に残すことを知らないような人は、そもそも子どもやペットを持つ資格がないんだよ
子どもの車内放置は絶対禁止!異変に気づいたら行動を!
今回の事件を受け、コブ郡警察署はSNSを通じて次のような声明を発表した。
通報してくださった心ある市民の皆さまに、大きな感謝を送ります。皆さまの迅速な行動のおかげで、今日この子どもたちは無事でいられました。
異変に気づき、行動してくださったことで、状況は大きく変わったのです
米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)の発表によると、アメリカでは毎年およそ37人もの子供が、夏の車内に閉じ込められ、放置されて命を落としているそうだ。
さらにその約47%は、親が子どもを学校や保育園に送るつもりで車に乗せ、そのまま「忘れて」しまったことが原因なんだとか。
そもそも存在を忘れるのは言語道断だが、買い物などをする間、「ちょっとくらい大丈夫」と思うのも非常に危険である。
窓を開けてもエアコンをつけっぱなしでも、子供を車内に放置するのは絶対にダメ。何かの原因で、エンジンが停止するリスクだってあるのだから。
真夏にはエアコンが停止してからわずか15分[https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/%20user-test/temperature/summer]で、車内の熱中症指数は危険レベルに達するとされている。
毎年毎回どれだけ報道され、注意喚起されていても、この危険行為を繰り返す親は後を絶たない。
炎天下の駐車場で子供が車内に取り残されていることに気づいたら、すぐに通報する勇気を持ちたいと思う。
References: Police officers break into car with two sobbing children trapped in 117-degree heat outside mall: video[https://nypost.com/2025/07/09/us-news/georgia-police-officers-break-into-car-with-two-crying-children-in-the-heat/]
本記事は、海外の情報をもとに、日本の読者がより理解しやすいように情報を整理し、再構成しています。