
ゴミを投げればダッシュでキャッチ!ずぼらな同僚たちに業を煮やしたエンジニアが、ブチ切れついでにAIと機械工学を組み合わせて開発した自走式ハイテクゴミ箱ロボットがSNSで話題だ。
突如”やる気”が宿ったように走り出し、ゴミを捨てる人の近くで回収をはじめたゴミ箱たち。
床にLED、ゴミ箱にタイヤやカメラなど、時代の先ゆくユニークなアイデアと技術がつまったプロジェクトにせまっていこう。
床までゴミが散らばる職場をどうにかしたい
つねに床にゴミが散らかりっぱなしのこのオフィス。いつもゴミ箱がいっぱいで、床に落ちたゴミにもみんな無関心。
ゴミ箱の数を増やしたところでずぼらな同僚の意識はまったく変わらない。
そこでブチ切れたエンジニアが考案したのが、ゴミを自動で積極的にキャッチする自走式のゴミ箱だ。
人が動かないのならゴミ箱を動かすまで。これまで不動だったゴミ箱がみずからゴミをキャッチするようにしたのだ。
自動でゴミをキャッチするゴミ箱を作るには?
開発のポイントは2つ。ゴミ箱がゴミの落下地点を予測すること、そこに素早くたどり着くことだ。
ゴミ箱をすばやく動かすのはモーターとタイヤで解決。だがゴミの落下地点についてはどうしよう?
そこで考え出したのが、AI搭載のモーションカメラだ。見通しが良いゴミ箱の上にカメラを設置すれば、即座に駆けつけることができる。
さらに一般ゴミを識別し、投げ出されたゴミにまっしぐらに向かうよう、AIモデルを訓練し空中を飛ぶゴミを特定、追跡するよう訓練した。
すると最初のうちはミスもあったが、かなりの確率でうまいことキャッチに成功!これでゴミだらけの職場ともおさらばできるぞ。
いろんな芸を覚えたゴミ箱ロボ
すっかり気を良くしたエンジニアは、ついでに変わり種のゴミ箱3種も作製。
1つめは下の画像左側の、両腕付きでモップ拭きとじゃんけんができるゴミ箱。
2つめはフタつきで、ゴミをきちんと捨てた人を音声でほめるリアクション付きゴミ箱。赤ちゃんの遊び相手にもってこいかもしれない。
そして3つめは究極の1台。お仕置き機能付きゴミ箱だ。
このゴミ箱は、ゴミを床に落としたまま去ろうとする不届き者に柔らかいダーツの矢を飛ばすことができる。
厳密にはリモコンで発射させるのだが、これで散らかし屋のスタッフも少しは反省するだろう。
さらにこのゴミ箱は、猫のおもちゃにもなる。床にレーザーポインターを出し、猫とたわむれることもできるのだ。
また走るゴミ箱たちをまとめて散歩に連れ出すこともできる。
複数台を1つのリモコン操作に設定すれば、実際したいかどうかは別として、そんなシュールな光景も思いのままになるという。
充電ステーションにゴミ箱ロボが集まり、自動袋交換も
つい気になるのがバッテリー切れだが、凝り性のエンジニアはそこもぬかりなく、回転式のワイヤレス充電ステーションまで用意。
これによりゴミ箱たちが列を成し、1台ずつ充電できるようになった。
おまけに満杯になったゴミをまとめるため、アームを備えた巨大なメカゴミ箱ロボまで製作。
このゴミ箱は、自動で集まってくるゴミ箱たちのゴミ袋を器用に取り出せるだけでなく、その袋の口をワイヤーの熱で密封してカットしながら回収。
空いたゴミ箱たちに、また袋をセットすることまでやってのけるという。
なお、ゴミ箱たちが自動で列を成し、一か所に集合する仕掛け、いわゆる「誘導システム」の仕掛けの一つは床にある。
日中は見えないが、照明を消すとこのとおり。
実は、床に直線状のLED を埋め込んでおり、各ゴミ箱の下部に下向きのカメラを設置したそう。
その下部カメラに光を追う設定がなされており、 LEDが光の軌跡を描く。これにより夜間のオフィスではゴミ箱たちが1台ずつ、その光の道筋をたどりぞろぞろと 巨大なメカゴミ箱に向かうんだそう。
気の利いたゴミ箱自動化システムが大反響
今回気の利いたゴミ箱自走システムを実現したのは、中国のビデオ会社、HTXスタジオのエンジニアスタッフ。前にガム発射ロボット「ガミー」を発明したあのエンジニアだ。
2025年7月24日公開の動画は、すでに再生数30万回以上、2.6万件ものいいねが集まっている。
ゴミのキャッチから充電、ゴミ集めに袋の交換まで、一連の動作の自動化を可能にした今回の自動ゴミ箱プロジェクトは、ジョークめいたアイデアながらも、暮らしに身近なDIYシステムといえそう。
にしても職場でゴミで散らかる問題に、これだけのハイテクを投入するあたりが面白い。なんだかんだで楽しそうだし、いずれまたユニークな仕掛けで話題になりそうだな。