
自分の大切なものを差し出してでも救いたい命がそこにあった。
アメリカ、ユタ州で、数人の子供たちが1匹の野良の子猫がいじめていた。
だが、まだ小さなザインくんが太刀打ちできる相手じゃない。
そこで彼は知恵と勇気を振り絞った。自分の大切なスケートボードを差し出し、「この猫をもういじめないで」と訴えたのだ。
スケードボードは失ったが、ザインくんは変わりにかけがえのない存在を得た。
子猫は右目を失うほどの怪我を負っていたが、ザインくんが連れ帰り、治療を受け、今では元気で彼のと一緒に暮らしている。
8歳の少年がいじめっ子から子猫を救う
アリゾナ州ユマにある公園で、8歳のザイン・ベリーくんが友人たちと遊んでいた時、数人の子供が子猫を投げたり蹴ったりしていじめているのを目撃した。
ザインくんは胸が締め付けられる思いだったという。いてもたってもいられなくなったが、「やめて」とお願いしても聞いてもらえる相手じゃない。
そこで、その子供たちに自分のスケートボードをあげるから、子猫を渡してくれないかとお願いした。
のちの取材で彼はこう語った。
悲しくてとても腹が立ったんだ。スケートボードをあげれば、子猫を助けられるかなって思ったんだよ
相手の子供たちがそれに応じたことで、子猫はザインくんに手渡され、彼は家へと連れ帰った。
傷ついた子猫は治療を受けて回復、少年の家族になる
子猫は生後およそ8週間ほどの茶トラの野良猫で、ザインくんに保護された時、右目が傷ついており、鼻は詰まり、息も絶え絶えで、身体も衰弱していたという。
ザインくんは子猫に「ピーチズ」という名前をつけた。ザインくんの母のリアノンさんは、当時の状況についてこう語る。
ザインは、「ママ、この子はひどくケガをしているんだ。このまま飼ってもいい? 治してあげられる?」と聞いてきたんです。
子猫が愛情を求めているのがわかりました。子猫はただ丸くなっていました。目はひどく傷ついていて、とても痩せていて小さかったんです
ザインの家族は、すぐにユマ動物保護協会(Yuma Humane Society)へ連れて行った。診察の結果、片目はすでに深刻な感染を起こしており、摘出するしかないという診断が下された。
リアノンさんがザインくんに、ピーチズが目を摘出しなければならないと告げた時、彼はこう言ったという。
片目でも生きてくれればそれでいい。だって、この子はぼくの親友だから
子猫は「ピーチズ」と名付けられ、無事に手術を終えた。
ユマ動物保護協会事務局長のアネット・ラグナスさんは、その時の様子をよく覚えており、ザインくんの行動に感謝していると言う。
猫の状態は本当にひどいものでした。子猫は上気道感染症にかかるケースが多いんですが、多くの場合それが目にまで達してしまい、最悪の場合は摘出手術が必要になることがあります。今回のケースもまさにそうだったんです
ザインくんのお父さんとお母さんは、彼を立派な若者に育てました。自分の大切なものを手放してでも、他の生き物を助けようとする気持ちを彼に教えたんですから
ザインくんとその家族は、この子猫を正式に引き取った。ピーチズはすっかり元気になり、ザインくんの家で幸せに暮らしているという。
新しいスケートボードを贈られる
残念なことに、ザインくんがピーチズと引き換えに子供たちに渡したスケートボードは、二度と彼の手に帰って来ることはなかった。
だが、ザインくんの思いやりの行動は地元ニュースで紹介されると、多くの人々の心を動かした。
その後、ユマ動物保護協会のマネージャーと、スケートボード専門店「ズーミーズ(Zumiez)」が協力し、ザインくんにスケボーの購入に使えるギフトカードを贈った。
ザインくんはそのギフトカードを使って、店舗で自分好みの新しいスケートボードをデザインし、再び滑れるようになった。
また、ユマ動物保護協会を通じて地域の人々から寄付が集まり、ピーチズの治療費もまかなわれた。
協会の広報を務めるローレン・トゥワーダク氏は、「この年齢で、思いやりと行動力を兼ね備えているのは本当に素晴らしい」と語る。
今回の出来事はSNSを通じて広く知られ、多くの人から、ザインくんの行動を称える声が寄せられている。
- 今日、この話を生徒たちに聞かせました。みんなとても感動して、ザインくんを尊敬していました。この物語から本当に大切なことを学んでくれたと思います。彼をこんな素晴らしい若者に育ててくださったご両親に感謝します
- この子のご両親は正しい育て方をしている。でも、あのかわいそうな無防備な子猫をいじめて虐待していた子たちの親は今どうしてるんだろう
- なんて素晴らしい少年なんだろう。良いご両親に恵まれたね。皆さんに祝福がありますように
- ザインくん、正しいことをしてくれてありがとう! 君はヒーローだ!
- ユマ動物保護協会の皆さんも、子猫を助けてくれてありがとう。日々の活動にも感謝します
- この子に寄付するにはどうしたらいいの?
- とても美しい話でした。子猫のことを思って泣いたし、彼を救った少年を誇りに思うわ
- 世界にはもっと彼のような子供が必要だよ
- この子を一生励まし続けよう。きっと素晴らしいことを成し遂げると思う
- 何て美しい心を持った子なんでしょう。神様、どうかこの世界に、彼のように優しく愛情深い魂をもっと与えてください
- 今娘が学校から帰ってきて、「校庭で男の子たちが小さな動物をいじめていた」って言うの。「学校いる子猫も、その子たちが殺してしまうかも」とも。
最近の子供たちはどうなってしまったの?
- 通報して! 学校にも「警察に通報する」と伝えるんだ。学校だけに任せてはダメ。きっともみ消されてしまう。動物を平気で傷つける人間は、将来人を殺す可能性もあるんだ
- 本当に胸が痛むよ。それ以上に悲しいのは、どうやらその子たちを止めることができないという事実だ…
- この小さな少年の思いやりと迅速な行動に神のご加護を。子猫をいじめていた悪ガキたちは捕まって罰を受けたのかな? 彼らは危険だと思う。二度と同じことをさせないようにしないと
- やったねザイン! そしてザインのご両親も素晴らしい! 彼をいい子に育てましたね。一方で、他の子供たちは最低だ。あの子たちの親はもっとちゃんとしなければ。将来、小さなサイコパスになりかねないよ
- ザインくんのご両親へ:もしこれを読んでいたら、この子猫に必要な物をすべて購入させていただきたいです。さらに息子さんへの特別な贈り物も! 彼をこんな素晴らしい若者に育ててくださったことに感謝します
リアノンさんはこれらのコメントに対し、次のようなメッセージで応えている。
みんなありがとう! 私たちはピーチズが大好きですし、彼は私たちの家族の一員であることを喜んでいます。
彼はザインと毎晩いっしょに寝ていますし、ザインが家に帰ってくると、ずっとそばに寄り添って過ごしているんですよ
ザインくんがピーチズに差し伸べた手は、1匹の子猫の未来だけでなく、周囲の人々の心にも温かな灯をともした。
スケートボードはまた手に入る。でも、ピーチズの命は一つしかない。だから、彼は迷わなかった。
自分の大切なものと引き換えに、小さな命を守ろうとした彼の行動は、きっとこの世界を少しだけ良い方に変えてくれたに違いないんだ。
References: 8-year-old Boy Trades His Skateboard for the Feral Kitten Kids Were Picking on[https://www.goodnewsnetwork.org/8-year-old-boy-saves-kitten-by-trading-his-skateboard-to-kids-who-were-harming-the-animal/]
本記事は、海外で公開された情報の中から重要なポイントを抽出し、日本の読者向けに編集したものです。