
インドのインド・マディヤ・プラデーシュ州の森林地帯を走る道路で、胸を締め付けられるような出来事が起きた。
スピードを出した車にはねられた子グマを必死に守ろうとする母グマの姿が目撃されたのだ。
母グマは道路に座り込み、ほかの2頭の子グマと共に約1時間も必死の看病を続けたが、重傷を負った子グマを道路から動かすことはできなかった。
その間、通行は止まり、多くの人がその様子を見守ったという。
車にひかれた子グマを救おうとする母グマ
この事故が起こったのは、2025年8月6日の夜遅くのことだったという。マディヤ・プラデーシュ州シャドル県の、ゴーパル~ジャイトプールを結ぶ森林地帯の道路上で、1頭の子供のクマが猛スピードで走る車にひかれたのだ。
この時、母グマと3頭の子グマたちは、道路を横断しようとしていたようだ。
母グマが倒れた子グマを何とかして起こそうと、必死に押したり引っぱったりしているようすが、通りかかった人のカメラに捉えられている。
もう1頭の子グマは母グマの背中にしがみついており、残りの1頭はカメラの画面の外でじっとしていたようだ。
母クマは1時間にわたって、必死の努力を続けたが、子グマが立ち上がることはなかった。
この間、道路は完全に封鎖され、通報を受けたジャイトプールとゴーパルの森林管区のチームが現場に急行。母グマと残りの2頭の子グマを安全な森の中へと誘導した。
その後チームは事故に遭った子グマを保護し、治療のために搬送したが、残念ながらこの子グマは翌日の早朝に死亡したという。
動画にはやりきれない思いを吐露するコメントが殺到
この様子を写した映像は、SNSで広く拡散され、子グマを何とか助けようと奮闘する母グマの姿は、多くの視聴者たちの涙を誘うこととなった。
- スピードには気をつけて…動物も痛みも悲しみも感じるし、家族もいるんだよ
- 本当に心が痛むよ。
母グマのパニックと苦悩は、今後も深いトラウマになるだろうね- ていうか、誰が撮ってたの? 誰か助けた?
- 撮ってた人はせめて救助を呼んでほしかったな。でもほとんどの人はそんなことしないで、ただ見てるだけ
- そう、みんな撮影ばかり。もう言葉もない
- 僕はいつも言っているんだ、人間こそがこの世界にとって最大の驚異なんだって
- インドにはちゃんとした森の回廊が必要だね。今は国道や州道と重なってるところばかり
- 政府は生態系の研究や、国民への啓発活動をもっとやるべき
- そうだね。でも研究機関を育てないと、啓発なんて無理だよ
- 運転手と車の持ち主は罰するべき!
- え、なんで? 母グマが子どもを世話してる動画を撮ってただけじゃん
- いやいや、私が言ってるのはこの子グマをひいた運転手とその車の持ち主のほう
- 撮っている間に助けられたでしょ
- じゃあどうするの? 母グマに近づいて子グマを奪う? やってみなよ
- まずは自分でお手本をどうぞ…子連れのクマに近づいたら命が危ない
- 無理だよ。事故の後で母グマは絶対ピリピリしてるし、近づけば襲われる。助けるならチームじゃないと
- この映像、本当に胸が痛いしやりきれない。ドライバーが子グマを轢いたことに対して、思いやりや共感が全く感じられないのが残念で仕方ない。法律や罰則だけじゃなくて、私たちが地球を他の生き物と共有しているって現実をちゃんとわかってほしい。みんなが平等に生きられる世界であってほしいのに。本当に悲しい
- つらい出来事だけど、わざとやる人はいないと思うよ。高速や幹線道路では時速20~30kmなんて想定されてないし、道が空いてれば時速80~100km出すのは普通。
動物が飛び出してきたら避けられないこともある- 運転手は逮捕されたの?
- なんで逮捕されるの? 人間を轢いたわけじゃないのに
- 森の中で、このクマの家族が無事でありますように。赤ちゃんクマ、どうか安らかに眠ってください。人間は救いようがないやつらなんだよ
- 人間が森の中まで行くようになれば、こういうことはもっと増える。避けようがないし、これも現実の一部なんだ
野生生物の保護活動家たちは、インドの森林地帯におけるスピード違反車両の危険性を指摘している。地元の自然保護活動家はこう語る。
この道路は繊細な生息地を通っています。このような事故は、より厳しい速度規制と標識の設置が緊急に必要であることを浮き彫りにしています
なお、 現在のところ、子グマをひき逃げした犯人の運転手は、まだ特定されていないそうだ。
References: Mother bear desperately tries to revive cub hit by speeding car, internet demands action[https://www.hindustantimes.com/trending/mother-bear-tries-to-revive-cub-hit-by-speeding-car-internet-demands-action-101754887648855.html]
本記事は、海外の記事を基に、日本の読者向けに重要なポイントを抽出し、独自の視点で編集したものです。