AIかと思ったらマジだった。巨大なクマが住宅地の鳥の餌台を荒らす(アメリカ)

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 アメリカ・マサチューセッツ州ボストン近郊の住宅街で、まるで怪獣のような巨大なアメリカグマの姿が監視カメラにとらえられた。

 SNSでは「AI画像かと思った」との声が続出したが、実際の映像である。

ただ、遠近法によりさらに巨大みが増しているのだ。

 このアメリカグマのメスは、二足立ちでゆうに2mを越えており、推定体重は180kg以上とされ、一般的な個体より大きいのは確かだ。

 クマは鳥の餌台から餌を奪い取ろうとしていた。

 現地警察は緊急警告を発し、住民にドアの施錠や餌台撤去を呼びかけている。

遠近法で巨大感が倍増したアメリカグマ

 映像が撮影されたのは、ボストン近郊の閑静な住宅街だ。庭に設置された監視カメラが、黒い影が近づいてくる様子を映し出していた。

 やがてその影は後ろ足で立ち上がり、鳥の餌台に前足を伸ばした。餌台は高さ約2mあり、それに余裕で届くほど大きい。 

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 この映像がSNSに投稿されると、「クマが家より大きく見える」「着ぐるみではないのか」、「生成AIか?」といった声が殺到した。

 実際にはカメラの位置や角度による遠近法で、実際の体格より大きく見えているのだが、それでも推定体重180kg以上あり、アメリカクロクマのメスとしては大型個体だ。

警察が緊急警告

 地元警察はただちに注意喚起を発表。「ドアや窓は必ず施錠し、鳥の餌台や生ごみを外に置かないこと」と呼びかけた。

 特に子どもやペットがいる家庭は、庭に出す際に十分な警戒が必要だという。

 餌台やペットフードはクマを引き寄せる原因になりやすく、今回の映像のような接近を招く危険があるからだ。

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人間の生息域でクマ出没が増加

 今回のような住宅街でのクマ出没は、近年明らかに増加傾向にある。

 背景のひとつは気候変動だ。気温や降水パターンの変化によって、クマの主な食料であるドングリやベリー類が不作になる年が増えている。

 もうひとつの要因は、人間による森林開発だ。都市化や農地拡大、道路やリゾート開発によって森林は分断され、本来の餌場や繁殖地が失われている。

 クマも生きるために必死だ。山で餌を見つけにくくなると、人里へ下り、農作物や果樹、生ごみを狙うようになる。

 そこにはペットフードや鳥の餌台、果樹園など、山よりも豊富で安定した食料源があり、一度味を覚えたクマは再び人間の近くに現れるようになる。

日本でも増えるクマの出没

 今回の出来事はアメリカの話だが、日本でもアメリカグマより獰猛なツキノワグマが住宅街や学校に現れる事例が増えている。

 今回の遠近法が生み出したクマ迫力映像は話題を集めたが、それは同時に、人間の生活圏に野生動物を呼び込まない環境づくりと、自然との共存方法を改めて考えるきっかけにもなっている。

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