
我々日本人は「トイレに命をかけている」と言われるほど、快適で清潔なトイレを追求し続けてきた民族だ。
だがアメリカでも、トイレに対する関心は少しずつ高まってきているようだ。
ホテルやレストラン、公共施設などあらゆる場所が対象で、選考基準は清潔さ・革新性・デザイン性・利用者の体験価値だ。
例年、一般からの推薦をもとに選ばれたファイナリストを公開し、オンライン投票でグランプリを決定する。
2025年は全米から9か所のトイレが選出された。では、アメリカ最高のファイナリストトイレたちを見ていこう。
州立公園内の公共トイレ(ミネソタ州)
森と湖の大自然囲まれた、ミネソタ州イーリーのベアーヘッドレイク(Bear Head Lake State Park)州立公園内にある公共トイレ。木造キャビン風の外観は景観に溶け込み、内部は明るく広々。
ADA(米国障害者法)に基づいたバリアフリー設計で、車いすでも利用しやすい。外には洗面台があり、キャンパーやハイカーが気軽に使える造りになっている。
自動洗浄装置付きの公共トイレ(コロラド州)
人口1万5,000人ほどのコロラド州の小都市、フルータに設置された、最新型の公共トイレ「Fruita Self-Cleaning Public Restroom」。
自動ドアと自動洗浄システムを備え、利用後は床から便器まで一括で清掃・消毒する最新式のトイレだ。
高耐久の素材で、破壊行為にも強く、環境負荷低減にも配慮しているのがポイントだ。観光案内所の近くにあり、サイクリングや川下りの利用者にも人気とのこと。
ちなみにこの自動洗浄システム付きのトイレはこんな感じ。
靴屋の店舗にあるトイレ(カンザス州)
カンザス州ローレンスで靴の修理・販売を行っている「Footprints[https://www.facebook.com/FootprintsLawrence]」が、地元アーティストと協力して農場をテーマに改装したトイレ。
壁一面に描かれたトウモロコシ畑や牛、鶏などのタイルアートが訪問者を楽しませてくれるる。
ローカル色あふれるデザインは、ただ用を足すだけでなく、ちょっとしたアート鑑賞体験になると好評だ。
リトルアメリカ・ホテルのトイレ(ユタ州)
ユタ州、ソルトレイクシティの老舗高級ホテル「Little America Hotel[https://saltlake.littleamerica.com/]」のロビーにある、淡いピンク色の化粧室。床も壁もレトロで可愛いピンク色で統一され、真鍮製の装飾が高級感をプラスしている。
清掃が行き届いており、宿泊客以外も立ち寄って写真を撮る「観光スポット化」した存在なんだとか。過去にもファイナリスト入りしている常連だ。
モデルヌ・バーのトイレ(フロリダ州)
フロリダ州オーランドにあるアールデコ調のモデルヌ・バー(Moderne Bar)のトイレは、黒と金を基調とした高級感あふれる内装。
間接照明がシックな雰囲気を演出し、夜の街の余韻を壊さない。洗面スペースも広く、ライブやイベント帰りの客が一息つける場所になっている。
ルーフトップ・アット・ピア17のトイレ(ニューヨーク州)
ニューヨーク・ロウアー・マンハッタンの屋上イベント会場「The Rooftop at Pier 17」にある公共トイレ。
75室の個室を備え、コンクリートの壁と柔らかな照明が醸し出す、都会的なデザインが特徴だ。
窓からはマンハッタンの街並みやイースト川が一望にでき、ライブや食事の帰りに立ち寄るのもグッド。昼も夜も、ラグジュアリーな気分が満喫できる場所である。
ローズブルック・ロッジのトイレ(ニューハンプシャー州)
スキー客でにぎわうニューハンプシャーブレトンウッズにある、オムニ・マウント・ワシントン・リゾートの、ローズブルック・ロッジ(Rosebrook Lodge)にあるトイレ。
木材をふんだんに使った内装と大きな窓から見える雪山の景色が特徴だ。暖房完備で、冷えた体を温めながら景色も楽しめる、スキーリゾートならではの贅沢空間。
公共トイレTecolote Shores(カリフォルニア州)
カリフォルニア州サンディエゴのイースト・ミッションベイのビーチ沿い、テコローテ・ショアーズ(Tecolote Shores)に位置する公共トイレ。
外観はマリンブルーと白の爽やかな色合いで、海風が通り抜ける開放設計だ。サーファーや観光客が、身体に着いた砂や海水を落としてから街に戻れるよう、水場や着替えスペースも完備している。
日本料理店「タツ」のトイレ(テキサス州)
そしてテキサス州ダラスからは、ミシュランの1つ星レストラン、高級日本料理店「タツ(Tatsu)」のトイレがファイナリストに。日本らしく、和の美意識が詰まった空間にはTOTO製の最新型の便器が世知されている。
壁一面にはニシキゴイの絵が描かれ、控えめな間接照明が訪れる人を包み込む。細部まで行き届いた清掃と香りの演出も高く評価されているそうだ。
このレストランのオーナーは日本人ご夫妻だそうなので、ぜひトイレにこだわる日本人としては応援したい気がする。
結果発表は秋の予定
この決定戦の投票は、Cintas社の公式サイト[https://www.bestrestroom.com/vote/#voting-block]で受け付けていたが、投票は8月15日で締め切られた。最終結果は9月22日に発表される予定とのこと。
だがこれら9か所のトイレの画像は今も公式サイト[https://www.bestrestroom.com/vote/#voting-block]から見ることができる。
過去には芸術的デザインや革新的な設備を備えたトイレがグランプリを獲得してきたが、今年は自然派から都会派まで、まさに百花繚乱のラインナップ。
果たして2025年の「アメリカ最高のトイレ」の栄冠は、どのトイレの頭上に輝くのだろうか。
References: Bestrestroom[https://www.bestrestroom.com/vote/#voting-block]
本記事は、海外で公開された情報の中から重要なポイントを抽出し、日本の読者向けに編集したものです。