
つるんとした流線型もいいけれど、キリっとクールにとんがった多面型にもあこがれる。アメリカの自動車博物館で開催中の「ウェッジカー」の展示が話題だ。
ウェッジカーとは、1970年代を中心に流行したくさび型[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8F%E3%81%95%E3%81%B3]の車のこと。スーパーカーでもおなじみの先端がとがった形が特徴だ。
世界最大の自動車コレクションを誇るピーターセン自動車博物館でお披露目されたレトロフューチャーな車たち。昔なつかしい車マニアも必見の展示の一部を紹介しよう。
1970年代のトレンド「ウェッジカー」の展示会
2025年8月2日より、カリフォルニア州ロサンゼルスにあるピーターセン自動車博物館で1970年代を中心に流行した「ウェッジカー」の展示会が始まった。
「ウェッジ革命:最先端の自動車」と題された本展示会では、1960年代半ばから1980年代前半にかけて誕生した、大胆な幾何学的形状のボディデザインの車に焦点を当てている。
その特徴は、「ウェッジ(くさび)」の名の通り、横から見ると前方が低く鋭く、後方にかけて高くなっていく形状だ。
この形は第二次世界大戦(1939年-1945年)前後の数十年にかけ、自動車デザインの主流だった曲線的で過剰なスタイリングへの反動で流行した。
当時の主要なデザイナーは、それまでのなめらかで装飾的な流線型に見切りをつけ、鋭い刃物でそぎ落としたような平面や角ばったシルエットを強調するデザインを提案。その結果、ポリゴン[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%82%B4%E3%83%B3]風な車が次々と誕生した。
当時の人々が思い描いた「未来」の車
当時はアストンマーティン、シボレー、ランボルギーニ、ランチアといった自動車メーカーが、それまでの常識をくつがえす形の車を次々と具現化。
現代人にとっては、昔なつかしいデザインにも見えるが、それらはどれも当時の人々が思い描く「未来」を反映していた。
そのころ活躍したデザイナーは、マルチェロ・ガンディーニ、ジョルジェット・ジウジアーロ、セルジオ・コッジョラ、ウィリアム・タウンズ、ジェリー・パーマーなど。ほとんどがイタリア出身の前衛的なデザイナーだった。
歴史的なウェッジカーを紹介
この展示会では歴史的な重要性から選りすぐった13台のウェッジカーを紹介。
その一つ、1966年に誕生したカンナラIは、自動車デザイナーのレイ・カンナラが、美術大学の学生時代に制作したもの。
この車はアルファロメオ・カラボやビッザリーニ・マンタといった有名なウェッジカーよりさらに古いモデルであり、最も初期のウェッジカーの一つといわれている。
別のエリアでは、イタリアの自動車デザイン企業ベルトーネと同じくイタリアの自動車メーカーランチアのコラボで生まれた象徴的なコンセプトカー、ランチア・ストラトスHFゼロが展示されている。この車は1970年トリノ・モーターショーで初公開された。
彫刻的なフォルムが際立つこのデザインは、後のウェッジカーの象徴になった。
展示車ごとに詳細な説明も
展示には1974年ランボルギーニ・カウンタック のLP400 ペリスコピオと1979年アストンマーティン・ブルドッグも参加。
LP400 ペリスコピオは極端にとんがった形状。多角形のブルドッグは最高速度307km/hを追い求めて作られた希少なプロトタイプで、鋭さと極端に低いシルエットが特徴だ。
展示の1つ、1976年 シボレー・エアロベットは、ゼネラルモーターズのデザインラボのミッドエンジン コンセプトカーで、ロータリーエンジン、カモメの翼のように開くガルウィングドア、未来的なプロポーションの試作に貢献した。
展示中の各車両には、もともとの設計意図のほか、車体の設計・製造業者を経て一般公開に至るまでの経緯、スタイリングの進化における重要性の説明も添えられている。
ピーターセン自動車博物館では、他にも1980年代から90年代にかけての自動車デザイン展や、世界的に希少で個性的なコレクションなど、さまざまな趣向を凝らした展示がもりだくさん。
興味がある人は公式サイト[https://www.petersen.org/]をチェックだ。
References: Autoevolution[https://www.autoevolution.com/news/you-can-lay-hands-to-the-united-nude-lo-res-car-at-auction-to-support-petersen-museum-169565.html]
本記事は、海外の情報を基に、日本の読者向けにわかりやすく編集しています。