
母親のかたわらで元気に遊ぶ愛らしい子どもたち。アメリカの湖で野生のカワウソの育児をとらえた動画がほほえましいと話題だ。
野生動物愛好家のジュディさんが、川のそばでじゃれ合う幼いカワウソきょうだいや、湖で捕まえたマスを運んでくる母親の姿を撮影した。
幼少期のカワウソにとって遊びは欠かせず、生き抜く方法を学ぶ機会でもある。社交的で活気に満ちたカワウソの子育てシーンに癒されよう。
イエローストーン国立公園の湖でカナダカワウソの親子を発見
2020年8月、元大学の生物学教員で、野生動物愛好家のジュディ・レーンバーグさんが、アメリカ・イエローストーン国立公園の北東に位置するトラウト湖でカナダカワウソの親子を発見。
川辺の草むらでのびのびと過ごす幼い子ども3匹と、わが子を見守る母親を観察しながら撮影した。
楽しそうにじゃれ合ったり、キュウキュウとかわいらしい鳴き声を上げたりしながらのびのび過ごす子どもたち。一瞬たりともじっとしてられない様子で元気に遊んでいる。
みんな本当にかわいいです。遊んでいるときはもっとかわいいです。彼らは飽きることなくずっと遊びっぱなしでした (ジュディさん)
愛らしい子どもたちに夢中になったジュディさんはその様子をしばらく観察。
そのうち、母親が湖から鱒を捕まえて運んでくるところや
さらに多くのカワウソたちがやってきて、一層にぎやかになるところまで見ることができた。
母親が高度な泳ぎのテクニックを子どもたちに伝授
カナダカワウソは食肉目イタチ科カナダカワウソ属に分類される。体長(頭の先端から尾の付け根まで)は 66 ~107 cm、尾の長さは 30 ~ 50 cm。オスの平均体重は約11.3 kg 、メスは 8.3 kgほど。
北米とカナダの内陸の川や湖、河口などに生息。水中の狩りが得意で、流線型の体を生かし、滑るように泳ぐことができる。大好物は淡水魚だが、両生類や甲殻類なども食す。
1度の出産で生まれる子カワウソは1~5匹。生後5、6週間で遊び始め、母親の監督下で水辺に行き、高度な泳ぎのテクニックを習得する。
1年未満で自活できるようになり、1年後にはそれぞれの縄張りをもうける。野生での寿命は8~13年ほど。
カナダカワウソは基本的に活動的で、遊び心があり、社交性に富む性格。仲間との格闘や追いかけっこを好む一方、縄張り意識からマーキングなども行う。
遊びながら生き抜く方法を学ぶ子どもたち
カワウソの基本的な日課は、狩り、毛づくろい、休息、そして遊びだ。若いカワウソにとって遊ぶことは単なる楽しみだけでなく、生き抜く方法を学ぶ機会にもなっている。
子ども時代のきょうだいとの遊びは、絆を育むことや社会性の発達に役立ち、ストレス緩和にも役立つ。
特に幼少時の活発な動きは、移動能力や捕食者から逃れるための強靭さ、敏捷性、スタミナなどの身体能力の向上につながる。
また棒切れや石、食料といった自然物を使った遊びは、扱いにくい獲物の狩りかたや、環境の課題に適応する際に必要となる運動能力の発達に役立つ。
カナダカワウソの理想的な生息地トラウト湖
今回の舞台となったトラウト湖の広さは0.048㎢ほど。山々と花々に囲まれた美しい景色で知られ、ハイカーや自然愛好家に愛されている湖だ。
清潔な水と豊富な魚類、特にニジマスが生息することで有名で、北米やカナダに分布するカナダカワウソにとって理想的な生息地となっている。
カワウソを見に訪れるなら、彼らが最も活発になる春と夏がおすすめ。熟練したハンターのカワウソが、水中で潜ったり回転したりしながら主食のマスを捕らえる様子を観察できる。
カワウソが野生のままでいられる生息地の重要性
他の野生動物同様、気候変動や汚染、生息地の喪失などの影響で、カナダカワウソの生息数は減少の一途をたどっている。なぜならカワウソは、きれいな水と健康な魚の個体数に直接依存しているからだ。
イエローストーン国立公園は、野生のカワウソの保護に欠かせない、健康で保護された環境を提供している。
とりわけ象徴的なトラウト湖で、カワウソの子育てシーンが観察できたことは、心温まる出来事といえるだろう。
ジュディさんがシェアしてくれたカワウソたちの姿は、私たちの目を楽しませてくれるだけでなく、動物が生活し、学び、野生のままでいられる生息地の保護の重要性をあらためて教えてくれた。
ほほえましい野生のカワウソ一家の幸せな風景がこの先もずっと続きますように。
References: Latestsightings[https://latestsightings.com/single-post/cute-moment-otters-caught-playing-in-yellowstone-national-park]
本記事は、海外の記事を参考にし、日本の読者向けに独自の考察を加えて再構成しています。