ペットショップの汚れた水の中で半年過ごしたベタが引き取られ、美しい姿を取り戻す
image credit:<a href="https://www.tiktok.com/@sammyscapes/video/7458917310238182699" data-type="link" data-id="https://www.tiktok.com/@sammyscapes/video/7458917310238182699" target="_blank">TikTok @sammyscapes</a>

ペットショップの汚れた水の中で半年過ごしたベタが引き取られ、...の画像はこちら >>

 2024年12月のある日、大型のペットショップを訪れていたサマンサんさんは、熱帯魚のベタのコーナーで立ち止まった。

 そこには、小さな持ち帰り用のプラスチック・カップに入れられ、息も絶え絶えの様子で、ほとんど動かずに横たわる1匹のベタの姿があった。

 もう売り物にならないと思ったのか、そのベタには「無料」の値札が貼られていた。サマンサさんはその姿にから目を離せなくなってしまった。

 彼女はそのベタを引き取り、家に連れ帰って献身的にお世話をした。

 そして1か月が過ぎる頃、ベタは健康を取り戻し、本来の美しい姿をみせてくれるまでに回復したのだ。

ペットショップから瀕死のベタを引き取った結果

 ベタ愛好家のサマンサさんは、大型のペットショップに行っても熱帯魚のベタのコーナーには近寄らないようにしていたという。

 なぜなら、多くの大型店やホームセンターでのベタの扱いは、愛好家にとっては耐えられないほどひどいことが多いからだ。

 小さなプラスチックのカップに入れられ、自由に泳ぐこともできない狭い環境の中で、ベタは売れるまで、あるいは死ぬまで放っておかれることもあるという。

 だが2024年12月11日、彼女は普段は避けているベタコーナーに、なぜかどうしても行きたい衝動にかられた。

 そこには、ほとんど動かなくなっているベタたちが、たくさんカップに入って置かれていた。中にはどう見ても死んでいるものもいたという。

 そして彼女は1匹のベタを見るとそこから動けなくなってしまった。

 カップには2024年6月18日と日付が付いていて、値段は無料。「連れて行って!」とだけ書かれていた。

 このベタはなんと半年近くもの間、この小さなカップの中で、動き回ることもできずに生き続けてきたのだ。

[画像を見る]

私はこんな劣悪な環境で魚を飼育しているショップを、金銭的にサポートしたくありません

 サマンサさんはこの無料のベタを、家へ連れて帰ることにした。

 帰宅すると、すぐにベタを新しいきれいな水の中に移し、もとのカップの中の水を検査してみた。

 案の定、アンモニアのレベルはひどいものだった。フィルターもない環境で、適切な水換えもされていなければ当然である。

 彼女は十分なサイズの水槽を用意すると、ゆっくりと慣らしながらベタを新しい家に移してやった。

[画像を見る]

ベタは数日で元気を取り戻した!

 半年もの間カップの中で過ごしてきたベタは、最初のうちは広い空間に戸惑い、自由に泳ぎ回れるということを理解できなかったようだ。

 ベタは身体をまっすぐに保つのも苦労していたが、サマンサさんは焦らず、水位を下げてしばらく様子を見ることに。

 問題は餌やりだった。

 ペレットや赤虫には興味を示さなかったので、試しにアルテミア(ブラインシュリンプ)という小型の甲殻類を与えてみると、なんとパクリと食べたのだ!

[画像を見る]

 この時は一口だけだったが、とりあえず食べようとする意志があることを知ってほっとしたサマンサさんは、食べ残しを掃除すると、投薬治療を開始した。

 治療に使ったのは「KanaPlex」という抗生物質の一種で、バクテリアや真菌による感染症に効果があるものだ。

 日本で使われているものの中では、グリーンFゴールドなんかが効果としては近いかもしれない。

 そして数時間後、再び様子を見に行くと、ベタはぎこちなくではあるが、水槽の中を泳ぎ回っていたという。

 さらに4日が過ぎる頃になると、白っぽくなっていたベタが本来の色を取り戻し始めた。どうやら地色は黒だったらしい。

 家に連れ帰ってから一週間もたつ頃には、ベタは体色も戻り、食欲も出て元気に泳ぎ回るように。

 サマンサさんは水草や洞窟をセッティングした快適な水槽を立ち上げてベタを移し、映画「ヒックとドラゴン」からとった「トゥースレス」という名前をつけてあげた。

[画像を見る]

勢い余って水槽の外にジャンプするも無事生還

 だがここで悲劇が起こった。元気になったトゥースレスは、勢い余ってなんと水槽の外に飛び出してしまったのだ。

 サマンサさんが事態に気づいたのは、かなり時間が経ってからだったという。幸いなことにトゥースレスはまだ息があり、水に戻すとすぐに回復したそうだ。

完全に私の責任です。私はベタという生き物をよく知っていたはずなのに、そのジャンプ力を甘く見ていました。

皆さんもどうかベタを飼う時は、水槽に蓋をするか、水面を浮草でびっしり覆うなどの対策を取ってください

 トゥースレスはヒレに少しダメージを負ったが、それもすぐに再生し、ベタの特徴である「フレアリング」も見せてくれるように。

 フレアリングとは、主にオスのベタが威嚇のために、ヒレを大きく広げて見せることだ。縄張りの主張や求愛の行動と言われていて、美しい色や形を披露してくれることから、愛好家も多いのだ。

 下はすっかり元気になって、美しい姿を見せてくれるトゥースレス。

[動画を見る]

 サマンサさんはトゥースレスと暮らすうちに、ベタにも個性や好みがあることに気づいたという。

彼は人間との交流にもとても興味を持っているんです。部屋の中で起こることすべてが気になるみたい。ベタは本当に個性的で、賢い魚なんですよ

ベタは小さな容器でも飼えるけれど…

 日本でもペットショップやホームセンター、雑貨店なんかに行くと、ベタの入った容器がたくさん並んでいることがある。

 以前は場所によっては、ほとんどのベタが息も絶え絶えと言う状況を見かけることもあって、その度に胸が痛むし後ろ髪を引かれる思いで前を通り過ぎていたから、サマンサさんの気持ちはよく理解できる。

 サマンサさんも怒り露わにしているが、下の動画のような状況が本当にあったんだ。最近周りではここまでひどいのは見ないけど、改善されたのか、見えなくなっただけなのか。

[動画を見る]

 ベタは適切な環境で適切に世話をしてあげれば、決して飼いにくい魚ではないし、美しく存在感もあるので人気がある観賞魚だ。

 縄張り意識が強いので単独飼育が基本だし、水流が苦手なのでエアレーションがなくてもOK。小さな容器で飼うのなら、水換えをきちんとすることを大前提として、フィルターがなくても大丈夫。

 実はベタには「ラビリンス器官」という呼吸器官があって、空気中から直接酸素を得ることができる。

つまり水面に口を出して酸素を補給できるのだ。

 なのでガラス瓶やカップで飼育……なんてことになるのだが、今回のトゥースレスのように水草をレイアウトした水槽で飼う場合は、多少のエアレーションはした方がいいと思う。

 いくらエアレーションもフィルターも不要だからといって、小さなカップに入れたまま放置するのはいただけない。

 トゥースレスはギリギリのタイミングで、サマンサさんと出会えて本当にラッキーだったと思う。これからもどうか幸せに暮らしてほしい。

[動画を見る]

追記(2025/08/29)1か所だけペタになっていた部分をベタに変更して再送します。

編集部おすすめ