
アメリカ・カリフォルニア州にあるアイスクリーム店で、開店前の早朝に、思いがけない新たな店員が現れた。
店舗の異常を知らせる通報を受けて駆けつけた保安官が目にしたのは、カウンターの中で堂々と振る舞う1頭のアメリカグマだった。
どうやらこのクマ、店に侵入してアイスクリームを楽しみつつ、店員として働きたかったようだ。
被害は最小限で、荒らされた後もなかったという。「いらっしゃいませ?今日は何になさいます?」と顔を向けられた保安官はただただ苦笑するしかなかったという。
クマがアイスクリーム屋の開店準備?
2025年8月17日の早朝、カリフォルニア州北部の観光地、サウスレイクタホのアイスクリーム屋に異変があると、地元のエルドラド郡保安官事務所に通報が入った。
店はまだ開店前だったが、営業準備が整っているようにも見えたと、保安官の1人は後に冗談めかして語っていた。
保安官たちが現場に駆けつけると、カウンターの向こう側には、なんと1頭の大きなアメリカグマの姿が!
まるで店のスタッフか、あるいは新しい店長のように堂々とした風格で、店内をチェックしていたという。
保安官たちは、自分たちの目を疑った。アイスクリーム店のカウンターの中でクマが店員のようにふるまっているように見えたのだ。
クマの目的はおいしいアイスクリーム
店内に入り込んだクマの目的は、もちろんアイスクリームである。冷凍ケースの中を物色するように鼻を近づけ、お目当てのフレーバーを探していたのだ。
保安官事務所の報告によると、特に興味を示していたのはイチゴ味のアイスクリームだったようだ。
ほかの味にも手を伸ばした形跡はあったが、最終的にはイチゴに狙いを定めたように見えたという。
保安官らは無理に追い出すことは避け、距離を取りながら声や動きでクマを外に誘導させた。
クマはしばらく店内をうろうろした後、自分の意志で店を出ていったという。
クマは本当に店員にあこがれてたのかな?
驚くべきことに、クマが店に残した被害はほとんどなかった。
棚が倒されたり、冷蔵庫が荒らされたりといった被害は確認されず、後片付けもほぼ必要なかったという。
保安官事務所の報告によれば、クマは店内を荒らすことなく、必要以上のものには手を出さなかったという。
吊るされていたバナナなどには目もくれず、冷たいスイーツだけを目当てにしていたようだ。
このクマが偶然近くを通りかかったのか、それとも以前から店の存在を覚えていたのかはわかっていない。
ただ、ほんのひとときだけ「新入りの店員」として店に現れたその姿は、現場の保安官たちにも忘れられない印象を残したようだ。
店は現在、通常通りの営業に戻っているが、思わぬ従業員が登場した“本日限りの開店”は、サウスレイクタホに小さな話題をもたらした。