70年前の桃の缶詰を開けてみた。果たしてその中身は?
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 缶詰は食品を長期保存できるために重宝されているが、実際のところ、何十年も前の未開封の缶詰だとどうなのか?

 1950年代に製造された歴史的な桃の缶詰を実際に開封する動画が話題となっていた。

 さあ、みんなで考えてみよう。

缶切りで開けた70年前の桃缶、その中身はどうなっていたのか?衝撃の展開はこのあとすぐ!

70年前の桃の缶詰を開けてみた

 今回開封されたのは、缶の蓋に「PEACHES」とプリントされた、いかにも古そうな桃の缶詰だ。1950年代の核シェルターに保管されていたものだそうで、今から約70年以上前のものである。

 缶切りをクルクルと回転させると、中から黒いドロドロの液体があふれ出してきた。

 そしてついに開封。これはもう、ブラックホール?

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 中身を容器に移し替えると、桃と思われる物体が出てきた。真っ黒ながらも、桃缶だったことがその形状からかろうじてわかる。

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現代の桃缶と比較してみた

 比較するために、最近の桃の缶詰を開封し、比べてみた。出てきたのはもちろん、我々が良く知っているシロップ漬けの桃だ。

 ただし海外のものなので白桃ではなく黄桃なのでオレンジ色をしている。

 それらを1つずつフォークに刺して比較。うん、形はほぼ一緒だね。色は全く違うけど。

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なぜ黒くなった?70年保存の果てに起こる変化

 私の予想では、多少変色はしているものの、こんなに真っ黒になっているとは思わなかったのでびっくりした。

 ではなぜ、70年前の桃缶はここまで“変貌”してしまったのか?

 缶詰の製造工程と、その後の保管環境が影響しているようだ。

 果物は酸性度が高く、缶の金属と長期間接触すると、酸が金属をじわじわと侵食していく。

 1950年代当時の缶詰には、現代のような内側の保護コーティング(ラッカー処理)が施されていないものも多く、保存中に金属が腐食し、内容物が黒く変質する原因になりやすかった。

 加えて、果肉に含まれる糖分や色素も、長期保存のあいだに酸化や分解を起こし、色が徐々に濃くなっていく。

 さらに、保存環境が適切でなかった場合には、缶がわずかに腐食したり、微細な穴から空気が入り込んだりして、こうした変化が進んでしまうそうだ。

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 Youtubeアカウント「Mrs.Fallout[https://www.youtube.com/@MrsFallout]」では、他にも核シェルターに保管されていた半世紀前の缶詰の開封動画などが多数掲載されているので、興味のある人は要チェックだ。

賞味期限切れの缶詰はいつまで食べられる?

 缶詰といえば、長期保存できる食品の代表格として知られているが、だからといって「いつまでも食べられる」と思い込むのは危険だ。

 実際、市販されている果物の缶詰には、通常、製造からおよそ2~3年の賞味期限が設定されている。非常用や備蓄用として作られた一部の製品では、5年程度の賞味期限が設けられていることもあるが、それでも“永久保存食”とは言いがたい。

 ここで改めて確認しておきたいのが、「賞味期限」と「消費期限」の違いだ。

 賞味期限は、スナック菓子やペットボトル飲料、カップ麺など、比較的傷みにくい食品に表示される「おいしく食べられる期限」のこと。

一方で消費期限は、お弁当や生菓子、サンドイッチなど、傷みやすい食品に表示される「安全に食べられる期限」を指す。一般的に、製造から5日以内に劣化する食品には消費期限が設定されている。

 缶詰の場合は、加熱殺菌と密封によって劣化が非常に遅くなるため、ほとんどの製品で「賞味期限」が表示されている。

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 ただし、どちらの期限であっても、未開封で、かつ包装に記載された保存方法を守っていた場合に限る。高温多湿や直射日光の当たる環境で保管されていた缶詰は、たとえ賞味期限内であっても品質が損なわれている可能性がある。

 さらに、賞味期限は「ここを過ぎたら即アウト」というわけではない。缶詰を含む加工食品では、実際の可食期間に「安全係数」をかけて賞味期限を設定しており、ある程度の余裕が見込まれている。たとえば、賞味期限3年の缶詰であれば、理論上は4年近く食べられる可能性があるということになる。

 とはいえ、それはあくまで保存状態が良好だった場合に限る話だ。

 賞味期限が半年から1年程度過ぎていても、缶にサビや膨らみがなく、開封時に異臭がしなければ食べられるケースもあるが、あくまでも自己責任となる。

 2年以上過ぎている場合は、外見に異常がなくても内部で変質が進んでいる可能性が高く、安全とは言いがたい。

 缶詰は頼れる保存食ではあるが、過信は禁物。保存環境をしっかり管理し、少しでも不安がある場合は、無理をせず処分する判断が必要だ。 

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