クレーンゲームのぬいぐるみを欲しがる犬のために、通行人がゲットしてプレゼント!
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 ある夏の夜、タイのとある街角で、一匹の犬がクレーンゲームにくぎ付けになっていた。ガラス越しに並んだぬいぐるみに惹かれたようで、何度も二足立ちになってそれらを見つめ続けている。

 ぬいぐるみが欲しかったのだろう。その健気な姿を見た通行人は心を動かされた。

 彼らはコインを入れ、クレーンゲームに挑戦した。何度かトライすると、ついにぬいぐるみをゲット。

 それを犬に手渡すと、犬は喜びをあらわにした。これはタイの街の片隅で生まれた、やさしい世界の物語だ。

クレーンゲームのぬいぐるみを見つめ続ける犬

 カンニカ・エアブサムロンさん(23歳)と友人らが、街角にあるクレーンゲームの前を通りかかった時、思わぬ光景を目に下。

 ぬいぐるみの入ったガラスの中を、時に後ろ脚で立ち上がりながら、犬がうっとりと見つめ続けていたのだ。

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犬のためにクレーンゲームにチャレンジ

 カンニカさんたちは、犬の子の行動に心を動かされた。そこで犬のためにぬいぐるみをとってあげることに。

 硬貨を投入し何度かチャレンジする。

するとついにぬいぐるみをゲットすることに成功!

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ゲットしたぬいぐるみを犬にプレゼント

 彼らは景品取り出し口からぬいぐるみを取り出すと、すぐに犬に手渡した。犬にとっては初めてのぬいぐるみだったのかもしれない。

 クンクンとにおいを嗅いだ後、口にくわえ、うれしそうにそのぬいぐるみで遊び始めた。

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近所でお世話をしている地域犬

 実は この犬には「チョーキー」という名前がある。完全な野良犬というわけではなく、地域に住み着き、住民たちに見守られながら暮らしている「地域犬」のような存在だ。

 カンニカさんとその家族は、チョーキーとその兄弟たちに定期的に食事を与え、ノミ・ダニ薬も与えているという。これからも、できる限りの世話をしたいと思っているそうだ。

 この話がSNSで広がったことで、「ぬいぐるみを寄付したい」という申し出が多く寄せられたが、カンニカさんは「たくさんもらっても犬たちが困惑してしまう」として、丁寧に辞退したそうだ。

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タイの犬事情

タ イでは、飼い主のいない野良犬が非常に多く、国内には約850万頭の犬がいるとされ、そのうちおよそ73万頭が飼育されていない犬と推定されて[https://en.wikipedia.org/wiki/Street_dogs_in_Thailand]おり、バンコクだけでも10万~30万頭が路上で暮らしているという。

 こうした犬たちは「soi dog(ソイ・ドッグ)」と呼ばれる。”soi” とはタイ語で「路地」を意味し、都市や村の路地裏で見かける犬を指す言葉として広く使われている。

 一部の地域では、飼い犬でも日中は自由に外を歩かせる習慣があり、放し飼いのような形が文化的に残っている。

 そのため、野良犬との区別が難しいケースも多く、保護活動では区別せずに支援を行うのが一般的だ。

 国内ではいくつもの保護団体が活動しており、避妊・去勢手術、ワクチン接種、保護と譲渡活動を積極的に展開している。

 また、動物愛護教育にも力を入れており、近年ではタイ初の動物福祉法も施行されるなど、社会全体の意識も少しずつ変わり始めており、野良犬を地域犬にする取り組みも行われている。

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