カザフスタンの山奥で発見された巨大な石の扉、その正体を巡ってネットが白熱
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 カザフスタンの奥地、ジュンガル・アラタウ山脈で、巨大な石造りの扉のような構造物が探検家によって偶然発見された。そびえ立つ岩の一部が丸くぽっかりと大きな穴が開いていて、その中が扉のように見える。

 この謎めいた構造物の正体を巡って、ネット上では様々な憶測が飛び交っている。人間が作り上げた古代遺跡なのか?異世界へのポータルなのか?それとも自然が作り上げたものなのか?

ドローンがとらえた山奥の巨大な石の扉

 この謎の構造物は、カザフスタン南東部に位置するジュンガル・アラタウ山脈の中国との国境近く、標高約2,000mの地点で探検家らに発見された。

  ドローンによって撮影された映像には、雪の積もる岩肌の一部に、幅・高さともに約12mの大きな半円形のくぼみが確認できる。

 岩の表面が丸くえぐられるようにへこんでおり、周囲の地形と比べても明らかに不自然な形状をしている。

 映像では、2人の探検家がその前に立って観察している様子も映されており、自然にできたものとは思えない「整いすぎた形」が見る者に強い印象を与えている。

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 この映像がRedditに投稿されると、すぐに注目を集めた。

 「ドワーフの国の入り口に違いない」「異世界へ通じるポータル?」「地球外生命体の基地かもしれない?」といった声が相次ぎ、海外のメディアでも取り上げられるほど話題となった。

 映画『ロード・オブ・ザ・リング』に登場する「ドゥリンの扉」や、『スター・ウォーズ』に登場する巨大な門を思い出すといったコメントも多く寄せられ、現実離れしたその外観が、多くの人々の想像力を刺激した。

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 この場所は、中国とカザフスタンの国境にあり、ジュンガル・アラタウ山脈を抜ける峠「ジュンガル門(阿拉山口)」付近に位置する。

 ジュンガル門は、古代からシルクロードの重要な通過点として知られ、東西の文化や物資が盛んに行き来した歴史を持つ。

 現代においても、中国西部と中央アジアを結ぶ主要な陸路のひとつであり、地政学的にも、きわめて重要な国境地帯となっている。

 また、この地は、古代ギリシャ神話に登場する理想郷「ヒュペルボレア(Hyperborea)」と関連づけられることもある。

 ヒュペルボレアとは、太陽が沈まない極北の地に存在し、そこに住む人々は病も争いもなく、千年を生きるとされた神秘の土地である。

 そのために人々が様々なイメージを思い描くのも無理はない。

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この扉は自然が創り出したもの、と地質学者 

 ネット上でさまざまな仮説が飛び交うなか、地質学者はこの構造物を「自然が長い時間をかけて作り出したもの」だと説明している。

 イギリス・ダラム大学のマーク・アレン教授(地球科学)は、「岩の層によって風化の進み方が異なることで、扉のような形が自然にできた」と述べている。

 教授は38年前に現地の中国側を訪れており、その地形には特に不自然な点は見られなかったという。

 乾燥した地域では、風や雨によって岩が少しずつ削られていく。この過程で柔らかい部分が先に崩れ、結果としてくぼみや穴が形成されることがある。今回の構造も、そうした自然の浸食作用による典型的な地形だと考えられている。

 Redditのコメントの中にも「ユタ州南部でも同じような構造をよく見かける」といった、地質学的な見地からの指摘が多く見られた。

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「扉」に対する人類の根源的な関心

 この“扉”がここまで注目された理由のひとつに、「扉」という形に対する人類の根源的な関心があると考えられる。

 世界各地には、ペルーの「アラム・ムル岩窟遺跡」や「ニャウパ・ワカ(Ñaupa Waka)」のように、岩に扉のような形状が刻まれた場所が数多く存在している。

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 これらは異世界への入り口、または神々の通り道とされ、古代から信仰や神秘の対象となってきた。

 古代エジプトの墓に見られる「偽の扉」も同様に、死者の魂がこの世とあの世を行き来するための象徴とされていた。

 扉は物理的な通路であると同時に、精神的・宗教的な境界を表すものでもあるのだ。

 ジュンガル・アラタウ山中の石の扉は、自然が生み出したものかもしれないが、逆にそれが神秘性を引き立たせている。

 あたかも人工物であるかのような構造は、偶然の産物とは思えないほど人の心を動かすパワーが宿っているかのようだ。

References: Ancient Origins[https://www.ancient-origins.net/news-history-archaeology/stone-doorway-kazakhstan-0022418]

本記事は、海外の記事を基に、日本の読者向けに重要なポイントを抽出し、独自の視点で編集したものです。

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