
ドイツ南部のバイエルン州のある集合住宅で、夜遅くに鳴りやまないドアベルの音に悩まされた住民が警察に通報した。
住人らは、ティーンエイジャーの悪ガキどものイタズラだと思ったのだが、予想に反して犯人は意外な生き物だった。
彼らのドアにピンポンダッシュをかましていたのは、なんとナメクジだったのだ。いったいどういうことだってばよ?
夜中に鳴りやまないドアベルの音
2025年9月上旬に報じられた内容によると、事件が起きたのはバイエルン州シュヴァーバッハにある集合住宅だという。
住人たちは真夜中を過ぎても繰り返し鳴り響くドアベルに眠れぬ夜を過ごし、最終的に怒りながらベッドから出ることになった。
当初住人たちは、「クリンゲルシュトライヒ」と呼ばれるイタズラ…日本でいうところのピンポンダッシュ」を疑っていた。
ドイツでも若者たちの間では時折見られるイタズラで、ベルを鳴らしてすぐに逃げるという、全世界共通の定番の悪ふざけである。
真夜中を過ぎても鳴り続けるベルに住民たちは眠れず、ベッドから怒りながら引きずり出されることになった。
その夜はすでにベッドに入っていました。夜10時以降はドアを開けない習慣なので、ベルが鳴っても無視しようとしたんです。向かいの廃屋に出入りしている不良たちの悪戯かと思いました。
でもそのうちに上の階に住む義理の妹から電話があって、「そっちのベルも鳴ってる? うちのは鳴り止まないの」って言うんです。
彼女と電話をしている最中も鳴りっぱなしで、しかもドアの前には誰もいない。とても不安になってしまったので、警察を呼ぶことにしました
警察の調査でナメクジの犯行と判明
こう語るのは、住人のリサさんだ。だが、警官が2人現場に到着してもベルは鳴りやまず、入り口のドアには誰も立っている気配がない。
そこで住人と警官が金属製のベルプレートを詳しく調べたところ、なんとそこにいたのはナメクジだった。ナメクジがマンションの入り口のパネルを横切っているのが発見されたのだ。
センサーの上をナメクジが這ったあとの、粘液の筋がはっきり見えたんです
このニュースを知った人たちからは、「うちもあった!」といろいろな体験談が寄せられていた。
- なんで住人の誰もドアベルを押して確認しに行かなかったわけ? なんで警察を呼んだの?
- 夜におばあさんが一人で階段を降りるのは怖いだろうし、その気持ちはわかるよ。でも結局、誰もいなかったんだよね
- なるほど、年配の人なら納得だね
- 昔うちの近所にも、窓を叩かれて悪戯されてると思い込んでる人がいたけど、実際は誰も見たことがなかったしカメラにも映らなかった。単に葉っぱを食べる虫が大量発生した年で、窓にぶつかってただけだったんだ
- 俺もスズメが自分の姿を窓に映して何時間も喧嘩してたのを見たよ。疲れると休んで、でもメスが現れるとまた窓をつつき始めて、「俺の彼女を取るな!」ってやってた
- 毎晩ちょうど深夜0時になると、ドアベルカメラの前をハサミムシが走り抜けるんだ。誰かがうろついてないか確認するんだけど、映るのはハサミムシだけ。まるで時計を持ってるみたいに正確なタイミングで
- 最近読んだんだけど、部屋にいるクモって、人の生活リズムを覚えてバレないようにしたり邪魔しないようにするらしい。すごく可愛いから、見つけても外に逃がしてやってるよ。部屋に閉じ込められてやることもないしね
- ドイツ語でナメクジのことをナックトシュネッケ(裸のカタツムリ)って言うんだ? 最高だな
- アメリカじゃなくて良かったな。
もしそうだったら銃が撃たれて、ナメクジが死体だらけになってたさ
ナメクジが這いまわったことで、センサーが反応してしまったということらしいが、集合住宅の複数の部屋でベルが鳴り続けるというのはどういうことか、ピンと来ないかもしれない。
ドイツの集合住宅では、もちろん場所にもよるが、エントランスに部屋ごとの^呼び出しボタンが並んでいるプレートがあるのが一般的だ。
おそらくナメクジ氏は、このプレートの上を夜の間這い回っていて、複数の家のドアベルを鳴らし続けてしまったのだろう。
なお、現地シュワーバッハ警察報道官は、このナメクジのその後について次のような声明を発表した。
この生き物はこっぴどく叱られた上、縄張りの境界について指導を受けた上で、近くの草むらに移されました
References: Nacktschnecke löst nächtlichen Polizeieinsatz aus[https://www.welt.de/vermischtes/article68a70a22229c582f68419e74/Schwabach-Nacktschnecke-loest-naechtlichen-Polizeieinsatz-aus.html]
本記事は、海外の情報をもとに、日本の読者がより理解しやすいように情報を整理し、再構成しています。