
アメリカ・カリフォルニア州で2024年6月に行方不明になった小型犬が、ついに家族の元へ戻ってきた。思いがけない再会のきっかけは、ある警察官が抱いた小さな違和感とマイクロチップだった。
飼い主のジム・チャウさん一家は、愛犬のチワワ、ピーチが姿を消して以来、ポスターを貼り、保護施設を訪ね歩くなど懸命に探し続けたが、手がかりは得られなかった。
時が経つにつれ、一家はピーチの死を受け入れざるを得ず、追悼式まで執り行っていた。
その警察官は、散歩中の犬が困惑している様子を見て、いま一緒にいる人物は、本当の飼い主じゃないかもしれない、と感じたという。
警察官が見抜いた違和感
カリフォルニア州サンラファエル市で、サンラファエル警察官が巡回中に、道端で小型犬と一緒にいる人々を目にし、違和感を覚えた。
その犬は不安げにうずくまり、困惑していたという。
警察官が犬を連れていた人物に尋ねたところ、「これは自分たちの犬だ」と主張したが、犬の安全を最優先に考え、その場で保護を決断した。
この判断が、1年以上愛犬を探し続けている本当の家族の元へ戻す大きな一歩となった。
マイクロチップのおかげで本当の家族が判明
犬は、動物保護施設、マリン・ヒューメイン(Marin Humane)[https://www.facebook.com/marinhumane]に運ばれた。そこで体内のマイクロチップをスキャンしたところ、ついに真実が明らかとなる。
この犬は、2024年6月に行方不明となったメスのチワワ、ピーチ(当時6歳)であることが判明したのだ。警察官の読み通り、本当の飼い主は別にいたのである。
ピーチの飼い主は、サンフランシスコに住むジム・チャウさん一家だ。
ピーチは、家族にとって、かけがえのない存在で愛情深く育てられていたが、自宅からふとした拍子に逃げ出して以来、行方がわからなくなっていたのだ。
チャウさん一家は、ピーチ探しに奔走したものの、手がかりが得られないまま長い時間が過ぎていた。
まさか見知らぬ人物に拾われ、そのまま“飼い犬”として扱われていたとは思いもしなかった。
その人物は、警察や保護施設への届け出をすることなく、動物病院にも連れて行かず、自分の犬としてそのまま飼い続けていたという。
もし警察官が異変に気づかなければ、ピーチは今も“別の飼い主”のもとにいたかもしれない。
チワワは体が小さく、性格も繊細な傾向があるため、環境の変化や不安に敏感に反応する。この日、警察官の見せた直感と行動は的確だったのだ。
施設が連絡したところ、チャウさん一家はすぐに駆け付けた。
感動の再会、家族の元に帰ったピーチ
そしてついに、ピーチとチャウさん一家の再会の時がやってくる。
マリン・ヒューメインが公開した動画には、施設の廊下を全力で駆けて家族に飛びつくピーチと、それを涙ながらに迎える父と息子の姿が映っている。
13か月の空白を埋めるように、家族の腕の中で安心しきった表情を見せるピーチ。その姿に、施設のスタッフも思わずもらい泣きしたという。
マリン・ヒューメインではマイクロチップの重要性と、もし迷子の犬や猫を見かけたら、速やかに動物病院か、動物保護施設に連絡するよう呼びかけている。
今回は警察官の機転が、本当の家族の元へ犬を導いてくれた。
怪しい人物がペットを連れているなと感じたら、日本でも保護施設団体や、警察官が動いてくれるかもしれないので、相談してみよう。