
体が硬いウロコのような甲皮に覆われているアルマジロの仲間は、見た目もユニークだが、実はとっても個性豊か!みんな違ってみんなかわいい。
アメリカ、カリフォルニア州の動物保護施で暮らすムツオビアルマジロのフランク(オス)はとにかくボール遊びが大好き。
穴を掘っては走り回り、昼寝をし、そして大好きなボールを追いかけるのが日課だ。週に7個もボールを壊すほど夢中になって遊ぶその姿は、見ている人間をみな笑顔にしてくれる。
引っ越してきたムツオビアルマジロはボール遊びが大好き
フランクは、オスが多すぎて飼育が難しくなった施設から、南カリフォルニアの動物保護施設「アニマルトラックス[https://www.animaltracksinc.org/]」にやって来た。
ここでは救助された野生動物や珍しい動物たちがのびのび暮らしており、フランクもその仲間に加わった。
フランクの一番の楽しみはボール遊びだ。施設のスタッフが遊び道具としてボールをあたえたところ、大のお気に入りとなった。
以来、転がしたり押しつぶしたりして遊ぶことが日課になった。1時間以上夢中で遊び続けることもあり、週に7個ものボールを壊してしまうという。
まるでバスケットボールのゲートにボールを入れることもできるようになった。アルマジロのバスケットボールプレイヤーの誕生だ。
穴掘りの達人
ムツオビアルマジロは穴掘りの名人で、乾燥した草原に巣をつくって暮らす。フランクも施設内で地面を掘り返して休憩したり遊んだりしている。
自然界ではアルマジロの堀った穴は、他の動物たちの住処になり、生態系を支える役割を果たす。
さらに、フランクは泳ぎも得意だ。
また、土を被って寝るときは、完全に無防備な状態でグデっとお腹を出している。一応は擬態しているようなのだが、見た目にはとってもユーモラスだ。
自由気ままな性格
フランクは自由奔放で、誰にでも愛想を振りまくタイプではない。気に入らない相手には鼻を鳴らして追い払うこともある。
しかし、ボールで遊んでいる時の無邪気さと、好きなことに全力を注ぐ姿、なんといっても表情の豊かさは、「こういうニュースだけ見ていたい」と、多くの人を惹きつけてやまない。
ムツオビアルマジオとは?
ムツオビアルマジロ(学名:Euphractus sexcinctus)は、南米のブラジルやアルゼンチン、ボリビアなどの乾燥した草原に広く生息するアルマジロの仲間である。
名前は背中のよろいに6本の帯があることに由来し、体長は40~50cmほどで、尾を含めると60cmを超えることもある。
体色は黄褐色や淡い赤みがかった茶色など、黄色みを帯びた色合いをしている。
多くのアルマジロは夜行性だが、ムツオビアルマジロは珍しく昼行性で、日中に活発に活動する。乾いた草原に自ら巣穴を掘って営巣し、そこで休んだり子育てを行う。
また、ミツオビアルマジロ属のように、体をくるりと丸めることができないため、外敵に襲われると全速力で走って逃げたり、地面に伏せて硬いウロコ状の外皮で身を守ったりする。
食性は雑食性で、アリやシロアリ、昆虫やミミズなどを好むが、果物や植物、小動物を食べることもある。
野生での寿命は7~15年ほどで、飼育下では20年以上生きることもある。
フランクの日常や他の保護動物たちの様子は、アニマルトラックスのInstagramアカウント[https://www.instagram.com/animaltracksinc]から見ることができる。