
9月20日は「国際レッドパンダの日」なので是非紹介したい動画がある。アメリカ、ニューヨーク州のバッファロー動物園に、2匹のレッドパンダ(レッサーパンダ)の赤ちゃんが仲間入りした。
2匹はそれぞれ別の動物園で生まれたが誕生日が4日違い。現在は一緒に育てられており、じゃれ合って遊ぶ姿が来園者の人気を集めている。
ぬいぐるみに夢中になって遊ぶ様子は、どっちがぬいぐるみかわからないくらいかわいい。表情豊かで愛くるしいその仕草や表情が公開されると、SNSでも「癒しの宝石箱やー!」と、と大きな反響が広がっている。
今回の措置は、絶滅危惧種であるレッドパンダの命をつなぐ、2つの動物園の連携と努力に支えられた取り組みの一環である。
ぬいぐるみに夢中のぬいぐるみみたいなレッドパンダ
ミシガン州のバインダーパーク動物園で2025年6月に生まれたレッドパンダの赤ちゃんが、バッファロー動物園[https://buffalozoo.org/]にやってきた。そこには、わずか4日違いで生まれたもう1匹の赤ちゃんがすでにいて、2匹はすぐに打ち解けた。
公開された映像では、ぬいぐるみのおもちゃを前足でつかんだり、じゃれたり、きょとんとした顔で見つめる様子が映し出されている。
ぬいぐるみそっくりなその見た目と仕草に「これはもう本物のぬいぐるみでは?」、「ぬいぐるみよりかわいくて困る」という声が続出した。
2匹は現在、同じ飼育スペースで一緒に育てられており、寄り添って眠ったり、追いかけっこをしたりしながら、日々成長を続けている。
二足立ちになって転ぶ姿があまりにもかわいすぎて何度でも見ちゃう
社会性を育むため、ペアでの飼育を実施
レッドパンダは、ネパールから中国南部の高地にかけて生息する樹上性の動物で、世界自然保護連合(IUCN)によって絶滅危惧種に指定されている。野生下の個体数は1万頭未満とも言われ、減少が続いている。
今回、バッファロー動物園にやってきた赤ちゃんは、母親が育児できない状態だったため、飼育チームと獣医チームが協力して人工保育を行うことになった。
動物園では、赤ちゃん同士を一緒に育てることで、遊びや探索、登るといった自然な行動がより豊かに育まれると説明している。
こうした「社会的学習」はレッドパンダにとって重要で、仲間とふれあいながら育つことがストレスの軽減や回復力の向上にもつながるという。
9月20日は「国際レッドパンダの日」、名前もついにお披露目
9月20日は「国際レッドパンダの日」である。2025年のこの日、バッファロー動物園でもさまざまなイベントが行われた。
その中で、注目を集めたのが赤ちゃんレッドパンダ2匹の名前発表だ。発表は午前11時から行われ、来園者の前でそれぞれの名前が正式に紹介された。
かわいらしいだけでなく、命をつなぐという大切な役割を背負った赤ちゃんレッドパンダたち。これからの成長にも、引き続き注目していきたい。
“元祖パンダ”、レッドパンダの名前の由来
実は、もともと「パンダ」と呼ばれていたのは、白黒のジャイアントパンダではなくこのレッドパンダの方だった。
レッドパンダ(学名:Ailurus fulgens)は1825年に西洋に紹介され、当時は単に「パンダ」と呼ばれていた。
その後1869年に中国の四川省で白黒のジャイアントパンダが発見され、大きな注目を集めたことから、やがて「パンダ」と言えばジャイアントパンダを指すようになっていった。
そこで区別のために、もともとのパンダには「小さい方の」という意味の英語「レッサー(lesser)」や、毛の色にちなんだ「レッド(red)」が付け加えられ、「レッサーパンダ」や「レッドパンダ」と呼ばれるようになった。
このように、後から登場したものに押されて元の名前を言い換えることを「レトロニム」と呼ぶ。たとえば「アナログ時計」「黒電話」などもその例だ。
なお、「レッサー(lesser)」という言葉は「劣る」「下位の」という意味を含むため、国際的には敬遠される傾向があり、現在では「レッドパンダ」が正式な英名として主流になっている。
カラパイアでもこの方針に合わせ、この記事では「レッドパンダ(レッサーパンダ)」の表記を用いている。