【続報】マヨネーズがない!と客に放火された店にマヨネーズ会社が補償を申し出る
image credit: <a href="https://www.instagram.com/p/C2b952dM9Ze/?img_index=1" data-type="link" data-id="https://www.instagram.com/p/C2b952dM9Ze/?img_index=1" target="_blank">Instagram @hellmannsza</a>

【続報】マヨネーズがない!と客に放火された店にマヨネーズ会社...の画像はこちら >>

 2025年8月20日、スペイン・セビリアのカフェ「ラス・ポスタス」で起こった放火事件を覚えているだろうか。

 サンドウィッチを注文し、マヨネーズを付けてくれとお願いしたところ、「ない」と断られ、逆切れした男が、店のカウンターにガソリンを撒いて火をつけた事件である。

 事件発生から1か月が過ぎたが、ここで大きな動きがあった。

 なんと世界的に有名なマヨネーズブランドが、被害に遭ったカフェの修理費を補償すると同時に、今後この店にマヨネーズを提供すると発表したのだ。

「マヨネーズがないだと?」という理由で放火されてしまったカフェ

 この事件について、ざっと振り返っておこう。この日、パラシオス・イ・ビジャフランカという街のカフェを訪れた一人の男性客が「カルネ・メチャーダのモンタディート」というサンドイッチを注文し、オプションとしてマヨネーズを要求した。

 だがあいにく、このカフェでは既製品のモンタディートを温めて客に出すというスタイルだったため、マヨネーズを用意しておらず、男の要求を断った。

 すると逆切れした男は近くのガソリンスタンドでガソリンを購入、それを持ち込んでカウンターに撒き散らし、ライターで火をつけたのだ。

 幸いにして店員がすぐに火を消したため、大きな被害は出なかったものの、居合わせた数人の客がパニックになり医師の手当てを受けることに。

 そして犯人は逃亡・再犯の恐れありとして、今も保釈なしの拘留中。現地での報道では「予防拘禁のまま審理待ち」の状態だとも伝えられている。

 放火した男自身も手に火傷を負ったまま逃げようとしたが、すぐに取り押さえられて警察に引き渡された。

[画像を見る]

マヨネーズブランド「ヘルマンズ」が補償を申し出る

 こんな状況の中、思わぬところで動きがあった。世界的に人気のあるマヨネーズブランド「ヘルマンズ(Hellmann’s)」のスペイン法人が、何と次のような声明を発表したのだ。

カフェテリア・ラス・ポスタスさま

その場に駆け付けられなかったことをお詫びします。 今後はどうぞご私たちを頼ってください。



ヘルマンズ・スペインはあなたのお店の修復を責任をもって行います。サンドイッチのためのマヨネーズが切れることはもうありません

[動画を見る]

 そう、あのヘルマンズが「マヨネーズを切らしていた」責任をとり、カフェの修理代を賠償するだけでなく、今後マヨネーズ切れが起こらないことを約束したのだ。

 これに対し、カフェ側もコメント欄で、次のように返事をしていた。

どうもありがとう。あなたの助けを得ることができて嬉しいです!

事件に関係のないマヨネーズ会社がなぜ補償を?

 ヘルマンズがこの事件に何の関係も責任もないことは明白である。なのになぜ、マヨネーズの提供だけでなく、店の修理費まで出すという話になったのか。

  このニューズが広まれば、ブランドイメージの向上にはつながるだろう。

 一部報道によると、カフェが被った被害は金額にして20,000ユーロ(約350万円)を超えるという試算もあるそうだ。

 決して安くない金額だが、このニュースが世界中で報じられ、SNSでも拡散されたことなどを考えると、ヘルマンズ・マヨネーズの名前は知れ渡ることになる。

 小さなお店を助けるという行為は、ヘルマンズのみならず、マヨネーズ業界全体に対する印象も良くなる。

 この投稿を見た人たちからは、絶賛するコメントが多数寄せられている。

  • 素晴らしい心遣いだね。困難な状況にある小さな店に共感を示す企業はほとんどないっていうのに
  • 実は俺、マヨネーズは好きじゃないんだけど、ヘルマンズは確かに俺の心をつかんだよ
  • 困った人を救うことで自社の好感度を上げる。
    嫌いじゃないよ
  • 新しい顧客を獲得したね。ブラボー! 素晴らしい行動だし、見事なマーケティングだよ
  • 間違いなくヘルマンズは世界一のマヨネーズだし、倫理観も最高みたいだ。ますますファンになったよ!

 カフェのInstagram[https://www.instagram.com/p/DOq0i0RiO1n/]でも、この申し出を受ける形で、オーナーのホセ・アントニオ・カバジェロさんは、次のようなコメントを出している。

事件が起きた直後、私たちに連絡を取り、損害の修復を助けるために全ての資源を提供してくださったブランドがありました。

ラス・ポスタスのスタッフ一同と私から、@hellmanns_spain[https://www.instagram.com/hellmanns_spain/?e=6fbdee29-20de-4c5a-b586-023e4133b0e5&g=5](ヘルマンズ・スペイン)が私たちのためにしてくれていること全てに感謝申し上げます。

そして、ラス・ポスタスがこれからも特別な場所であり続けるために、一緒に取り組んでいくことをここにお伝えします。

そしてご安心ください!これからは、皆さんのモンタディート・サンドウィッチにマヨネーズがつかないことは決してありません。

[画像を見る]

ヘルマンズのマヨネーズとは

 日本だとマヨネーズの代名詞はキュービーだが、世界的に見るとやはりマヨネーズと言えばヘルマンズが良く知られているブランドだ。

 ヘルマンズはもともとはアメリカのメーカーで、「ベストフーズ」という会社が後に買収したため、ブランド名は「ヘルマンズ」と「ベストフーズ」の両方が流通している。

 ちなみに東アジアでは「ベストフーズ」ブランドが販売されているので、で売られているものは基本的に「ベストフーズ」と書かれたものが多い(デザインや中味は同じ)。

 2000年にはイギリスのユニリーバが買収しているので、今はイギリス企業と言うことになるのかな?

 私はアメリカにいたので、酸味の少ない、それでいてコクのあるヘルマンズのマヨネーズは大好きなのだが、味の素よりキューピー派の酸味が強いマヨネーズが好きな人には物足りないかな?でもサンドウィッチにはとても合うと思うんだ。

 アメリカには他にミラクルホイップ(Miracle Whip)という甘みの強いマヨネーズが人気で、うっかり買ったら未知の味でびっくりした経験もあったよ。

慣れたらそれはそれでおいしいんだけど。

 九州の醤油を普通の醤油と間違えて刺身を食べた時のあの驚きのマヨネーズ版みたいなものかな。こっちも慣れるとそれが良かったりするんだけど。

 昔は瓶だったんだけど、最近ではチューブ式のものも販売されている。もし巡り合えたらマヨラー的には試してみるのもいいかもしれない。

 意外とワサビによく合うので、醤油のかわりにマヨワサビでカリフォルニアロールを食べる、なんてのもアメリカでは好まれているようだよ。 

[画像を見る]

 ベストフーズの方しかないかもしれないけど、輸入食材を扱うスーパーか、百貨店などに置いてあるので、マヨラーなら一度は試してみるべきかも。

編集部おすすめ