
まさにオーストラリアらしい、ほのぼのとした事案が発生した。庭で愛犬のゴールデンレトリバーが鳴いているのを聞きつけた男性が外に出てみると、なんと背中にコアラの赤ちゃんをおんぶしていたのだ。
どうやら木から落ちてしまったコアラが、本能的に助けを求めて犬にしがみついたようで、犬は振り払うことなくコアラを受け入れていた。
この心温まる光景を撮影した写真はSNSで拡散され、多くの人の心を癒やした。
背中にコアラの赤ちゃんを乗せた愛犬
2025年9月25日、オーストラリア南西部ビクトリア州ポートランドに住むスティーブ・ランプロウさんは、自宅の裏庭で愛犬が鳴いていることに気づいた。
気になって様子を見に行ったところ、ゴールデン・レトリバー「デニー」の背に何やら灰色のもふもふした物体が!
なんと背中にコアラの赤ちゃんがしがみついていたのだ!デニーはコアラをおんぶしたまま、ランプロウさんの元へと走ってきた。
「びっくりしました。私の元に駆け寄ってきたデニーは、背中にコアラの赤ちゃんを乗せていたんです。2匹とも幸せそうに見えました」、ランプロウさんはFacebookのポートランドの地域掲示板ページ「Portland Victoria Community Notice Board[https://www.facebook.com/groups/1555390584700274/]」でこう語った。
投稿には、デニーの背中にしがみつく子コアラの写真が添えられており、2匹ともとても落ち着いているように見える。
コアラの赤ちゃんは、この大きな犬を信頼しているかのような表情をしていたという。
コアラを木に戻し、母親との再会を見届ける
ランプロウさんは、コアラの母親が見つけやすいように、コアラの赤ちゃんをやさしくデニーの背中からはずし、近くの木の枝に移した。
するとしばらくしてから、母親らしきコアラがやってきて無事に再会し、一緒にその場を離れていったという。
「本当に驚くような光景でした。特にデニーが走っているとき、コアラの赤ちゃんがジョッキーみたいに上下に揺れていたのが印象的でした」とランプロウさん。
「うちの犬はコアラに興味は持っているけれど、こんなに親しくなったのは初めてです」とも語った。
ほのぼのニュースにコメント欄は大盛り上がり
ランプロウさんがFacebookに投稿したこの心温まるエピソードは、たちまち注目を集めた。コメント欄には多くのユーザーから驚きと感動の声が相次いだ。
「これはネットで見た中で一番かわいい!」
「100%キュートすぎる!かわいさが爆発してる!」
「あなたの犬は本当に素晴らしい。コアラの赤ちゃんが落ちたのを見て、自分の背中に乗せて、あなたのところに連れてきたなんて…すごすぎる」
「きっとこの子(デニー)はメスで、母親になったことがあるんじゃないかな?」
この問いに対して、ランプロウさん本人がコメント欄でこう返信している。
「はい、数年前に子犬を産んだことがあります」
これを受けてさらにコメントが続いた。
「だからこんなに優しいんだね!」
「やっぱりゴールデン・レトリバー。あの犬種の思いやりはすごい」
「ゴールデンは本当に優しくて、愛情深い。この話、本当に素敵!」
「昔、うちのゴールデンもコアラとこんなふうに仲良くしたことがあります。彼らは本当にやさしい犬種です」
ゴールデン・レトリバーの気質が生んだ、種を超えた信頼関係
今回のような出会いが生まれた背景には、ゴールデン・レトリバーという犬種の特性がある。
この犬種は、非常に社交的で穏やか、人にも他の動物にもやさしく接する性格で知られている。
もともとは水鳥猟の回収犬(レトリバー)として育てられたが、現在では家庭犬として世界中で愛されており、介助犬やセラピードッグとしても活躍している。
特に母性本能が強い個体も多く、子どもや小さな動物に対して本能的に守ろうとする行動をとることがある。
デニーも数年前に子犬を育てた経験があり、今回子コアラを受け入れたのは、その記憶と本能が関係していたのかもしれない。
デニーと、彼女がそっと運んできた小さなコアラは、多くの人に大きな幸せと感動を届けてくれた。困っている相手を分け隔てなく受け入れたデニーの姿は、まるでやさしさの伝道師のようだ。