
アメリカ、バージニア州のホームセンター「ロウズ」で8年間看板猫として愛されてきたメスの三毛猫「フランシーン」が行方不明になったというニュースをお伝えしたばかりだが、うれしいニュースが舞い込んできた。
日本時間の2025年10月6日深夜、ロウズの公式ホームページで発表された報告[https://corporate.lowes.com/newsroom/stories/finding-francine-how-lowes-brought-beloved-cat-home-richmond]によると、フランシーンは10月5日(日本時間)にノースカロライナ州の配送センター周辺でその姿が確認され、深夜に無事保護されたという。
行方不明から約3週間後の発見に、Instagramのフランシーン特設アカウント@wheresfrancine[https://www.instagram.com/wheresfrancine/](フランシーンはどこ?)でも6日、「フランシーンが無事に帰ってきたよ!」と報告、地域の人々や世界中のファンを安堵と喜びに包んだ。
フランシーンがいなくなった経緯
バージニア州リッチモンド市の「ロウズ(Lowe’s)」のウエスト・ブロード・ストリート店で8年にもわたり、看板猫として元野良猫のフランシーンが行方不明となった。
フランシーンにはマイクロチップが埋め込まれ、避妊手術が行われており、ロウズのスタッフが愛情を込めて世話をしており、顧客からも人気を集めていた。
彼女の姿が最後に確認されたのは2025年9月17日のこと。翌日、防犯カメラを確認したところ、配送用のトラックの荷台に誤って乗り込み、そのまま出発してしまった可能性が高いことがわかった。
トラックは約140km離れたノースカロライナ州ガリーズバーグの配送センターへ向かっており、フランシーンはその途中で降りてしまったか、現地で迷子になったとみられていた。
それ以来、彼女の行方はわからなくなってしまった。
ロウズの従業員や地域の保護団体、さらにこの話を知ったインターネット上の有志たちが、力を合わせて懸命の捜索を続けていた。
また、地域の保護団体SOS Cats RVA[https://soscatsrva.com/]は、フランシーンの安全な保護につながる有力な情報に対して、2,000ドル(約29万5,000円)の報奨金を支払うと発表した。
熱感知ドローンと人道的捕獲器を使った懸命な捜索
広大な敷地を持つガリーズバーグの配送センターでは、トラックや大型車両がひっきりなしに出入りしており、1匹の猫を探すのは容易ではなかった。
それでもロウズ本社、ウエスト・ブロード・ストリート店、ガリーズバーグの配送センター、そして地域の保護団体が連携し、3週間にわたる大規模な捜索が続けられた。
この活動には、地元リッチモンドの住民たちも協力し、Instagramには「@WheresFrancine(フランシーンはどこ?)[https://www.instagram.com/wheresfrancine/]」のアカウントが立ちあげられ、多くのボランティアが集まった。
現地では、すでに設置されていた246台の監視カメラに加えて、熱感知式ドローンが上空から投入された。
ロウズの資産保護チームは寄せられるすべての目撃情報を追跡しつつ、現場の安全を保ちながら捜索に関わった。
北ハンプトン郡の動物管理局は、人道的な捕獲器(罠)を複数設置。施設のあらゆる場所にフランシーンの写真付きのポスターを掲示し、センターの従業員にも情報提供を呼びかけた。
監視カメラにフランシーンの姿がとらえられる
事態が動き出したのは現地時間10月4日夜(日本時間10月5日午前)のこと。ガリーズバーグの配送センター周辺に設置された監視カメラに、三毛猫の姿が捉えられた。
配送センターのスタッフは、すぐさま、ウエスト・ブロード・ストリート店に連絡を入れた。「間違いない!フランシーンだ!」映像をみてすぐに彼女であることがわかった同店のスタッフは直ちに現場に急行する。
「彼女の映像を見た瞬間の気持ちは言葉にできません」と、マネージャーのマイク・シーダ氏は語る。「私たちはすぐに現地へ向かう準備を始めました」
シーダ氏と同僚のウェイン・シュナイダー氏は、フランシーンの好物の餌と皿を持って現場へ急行する。
2人は、フランシーンの注意を引くために、彼女の好物のキャットフードと、いつも使っていた食器を持参した。
現地で配送センターのスタッフと合流すると、追加の監視カメラと新たに7つの人道的な捕獲器を設置した。
ロウズのメンテナンス担当ロバート・キーター氏がボランティアを名乗り出て、夜通し監視を続けた。
フランシーンの一刻も早い保護を目指して、多くの人々が昼夜を問わず活動を続けていたのだ。
フランシーンの保護に成功!3週間ぶりの再会
そして5日の夜、捕獲器のひとつが作動した。ついにフランシーンが入り込んだのだ。
マネージャー、マイク・シーダ氏は「映像を見た瞬間、みんなの顔が一斉に明るくなった。まるで奇跡が起きたような瞬間でした」と語る。
「これで家に連れて帰れる。彼女が捕獲器に入った瞬間、笑顔が止まらなくなりました」と、同店の従業員ウェイン・シュナイダー氏は語る。
マイク・シーダ氏とウェイン・シュナイダー氏は監視カメラに映ったと知らせを受け、、午前4時に車を走らせ、ノースカロライナ州ガリーズバーグまで90分の道のりをかけて急いでやってきたのだ。
「どれだけ早朝でもかまわなかった。彼女を連れて帰れると思うと、胸が高鳴った」とシーダ氏は振り返る。
そして待ちに待った再会の時。捕獲器から出され、抱き上げた瞬間に大きな声で鳴いたという。
「まるで『遅かったじゃない!』と言っているようでした」と、シュナイダー氏は語っている。
幸いにも。フランシーンは健康状態は良好で、彼らはフランシーンを車に乗せて、その日のうちにリッチモンドへ帰還した。
フランシーン、3週間ぶりに我が家へ
到着したフランシーンは落ち着いた様子で、まるで何事もなかったかのように店内を歩き始めたという。
フランシーンが長年暮らした我が家である、ロウズのウエスト・ブロード・ストリート店に戻ることができたのは、店側、保護団体、そして熱意をもって支えてくれた地域の人々やネットを通じて集まった人々が一丸となって協力した結果である。
フランシーンの救出劇は、1匹の猫を思う気持ちが、見知らぬ人同士につながりをもたらし、皆の心をひとつにした。その小さな命が、人間が本来持つやさしさを思い出させてくれた。
ロウズ本社は公式発表の中で、「フランシーンを心から大切に思っています。協力してくれた従業員、動物管理局、そしてご近所の方々まで、すべての人に感謝します。彼女は店の猫以上の存在です。まるで家族の一員なのです」とコメントを発表した。
References: Corporate.lowes.com[https://corporate.lowes.com/newsroom/stories/finding-francine-how-lowes-brought-beloved-cat-home-richmond]