
人間を本気で怖がらせるには、高度な技術と、それを身につけるための徹底した訓練が必要だ。
アメリカ・ミシガン州にあるお化け屋敷「エレバス・ホーンテッド・アトラクション」では、毎年ハロウィンの時期が近づくと、悪魔、ゾンビ、モンスター、吸血鬼などに扮する出演者たちが、「モンスター養成スクール」で、観客を震え上がらせるための本格的なメイク指導や演技訓練を受ける。
そこで習得した高度な怖がらせ技術により、訪れる人をもれなく、阿鼻叫喚の渦に巻き込んでいくのだ。
オープン25周年を迎えるアメリカで人気のお化け屋敷
2000年にオープンした、ミシガン州ポンティアックにある「エレバス・ホーンテッド・アトラクション(Erebus Haunted Attraction)[https://hauntedpontiac.com/]」は今年で25周年を迎える。
まさに21世紀のお化け屋敷で、建物全体が巨大な恐怖の迷路となっており、毎年ハロウィンの時期になると、数多くの来場者が絶叫を上げながらこの施設を訪れる。
このお化け屋敷内には、ゾンビ、幽霊、吸血鬼、悪魔、不気味な怪物など多種多様のモンスターが配置される。
そして彼らは、人を怖がらせるための専門的な訓練を受けた“恐怖づくりのプロ”たちなのだ。
出演者は「モンスター養成スクール」で怖がらせ方を学ぶ
日本ではお化け屋敷と言えば夏の風物詩だが、アメリカでは10月のハロウィンシーズンに行われる。
施設内では「モンスター養成スクール」と呼ばれる特別な訓練プログラムが行われる。
ここで出演者たちは、観客に恐怖を与えるための細かい演技訓練を受ける。
出演者のひとりは、「ただ叫べばいいわけじゃない。どうすれば相手がもっとも驚くのかを理解して動く必要がある」と語っている。
モンスターごとの動きや声も徹底的に指導される
訓練ではそれぞれのキャラクターに合わせた動きや声の出し方も学ぶ。
ゾンビ役は「ゾンビ・シャッフル」と呼ばれる、足を引きずるような歩き方を体に染み込ませ、悪魔役は「デーモン・シュリーク」という耳をつんざくような叫び声を練習する。
観客の不意を突く演出ができるよう、何度も繰り返して感覚を身につけていく。
演技だけでなく、外見も重要だ。特殊メイクの技術もこの訓練で学ぶ。
腐った肌や露出した骨、血まみれの顔など、恐怖をよりリアルに伝えるための見た目づくりも欠かせない。
すべては、観客にとって忘れられない恐怖体験を提供するため。出演者たちはその一瞬のために、自分の動きや声を磨き上げている。
ハロウィンシーズンのみ期間限定開催
エレバス・ホーンテッド・アトラクションはハロウィンシーズンのみの期間限定の開催で、今年は9月下旬からから11月2日まで営業する。
期間中は演出の内容や登場キャラクターが日によって変わることもあり、何度訪れても違う恐怖が楽しめる仕組みになっている。
実際にここを訪れた人の話は、このお化け屋敷に出演者たちは、来場者の感情を細かく読み取った上で恐怖を演出する“恐怖づくりのプロ”たちだという。
身も凍りつく、震え上がるような恐怖は、緻密に設計された演出の結果なのだ。
こういうのが大好きな人なら、一度は訪れたい場所だろう。だがアメリカ、ミシガン州までは日本からちょっと距離がある。
そんな人は大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行ってみよう。2025年9月5日(金)~11月3日(月)までハロウィーン・ホラー・ナイト[https://www.usj.co.jp/web/ja/jp/events/fall-2025/halloween-horror-nights-2025]が開催されている。
ゾンビや吸血鬼、お化け系は嫌いじゃないパルモだが、突然飛び出してきたりするびっくり系は大の苦手なため、お化け屋敷は一緒に入った人が私の絶叫で、二重の恐怖を体験するというはめになるためご遠慮させていただいているのだが、実はお化け屋敷は体に良い影響をもたらすという研究結果もある。
デンマーク、オーフス大学の研究では、お化け屋敷のような疑似的な恐怖体験をすると、免疫系が活性化し、炎症レベルが低下するということがわかったという。
また、ホラー映画がメンタルを鍛えて、不安や恐怖を克服する手助けになってくれるという研究結果も報告されてるね。
とはいえ、トラウマになるほどの恐怖はちょっとまた別の話だし、恐怖の受容度にも個人差があるので、用法容量を守って正しいホラーと向き合っていこう。
References: Hauntedpontiac[https://hauntedpontiac.com/]