「赤い車は警察に止められやすい」そんな都市伝説がアメリカにはあるという。
赤は確かに印象的で目立つ色だが本当はどうなのだろう?アメリカで、実際にスピード違反で切符を切られた車の色を調べたところ、意外な結果が出たようだ。
統計によると、最も多いのは赤色の車じゃなかった。データを可視化したインフォグラフィックとともに違反切符を切られやすい車の色の謎にせまっていこう。
最も多く警察に止められる車の色は白だった
結論からいうと、実際にスピード違反で最も多く取り締まられてる車の色は赤ではなく白い車だ。
この結論は、アメリカ合衆国司法省の統計局を含む、複数の情報源から集めた報告書に基づいたもの。
その理由は単純で、白は人気の高いボディカラーだからに他ならない。
2024年の時点で、アメリカでは、全車両の4分の1が白を占め、世界自動車人気色レポートでも、白い車を購入者が31%を占めるなど、白は世界的にも人気の色なのだ。
つまり止められる数が多いのは、目立つからではなく、そもそも台数が圧倒的に多いから、というわけだ。
統計データを可視化したインフォグラフィック
このインフォグラフィックは、アメリカの自動車パーツ企業CJ Pony Partsが公表したもの。
米国司法省統計局、USハイウェイパトロールなどの情報源から、最も違反切符を切られた車と最も切符を切られなかった車など、スピード違反に関する興味深いデータをまとめたもので、車のメーカーや車種、色ごとの統計がわかりやすく示されている。
中には、200万枚もの違反切符の調査から得たドライバーの性別、最も一般的な年齢、最も多かった超過速度といった情報も含まれている。
アメリカのデータだが、日本にもあてはまるところがあるかもしれない。
上の図を日本語で説明しよう。
車の種類・メーカー・色別 違反切符の数
最近の調査により4つの交差点と2つの地域からスピード違反切符が924枚収集された。
研究者らは、各違反者の車の色を、地域人口に占める割合として、また研究期間中に収集された交通違反切符の総数に占める割合として記録した。
その結果、いくつかの驚くべき事実が明らかになった。
スピード違反で切符を切られたドライバー
1日に 112,000 人
年間に 41,000,000 人
カリフォルニア州の総人口1億 9,600 万人以上(の違反者数)
アメリカの運転免許保有者
196,000,000 人
2025年に切符を切られるドライバーの予測数
20.6% ( 約5人に1人)
スピード違反の罰金の平均額
152 ドル(約2万3,000円)
=アメリカの 4 人家族の平均的な週ごとの食費(に等しい)
毎年スピード違反で支払われる罰金の総額
$6,232,000,000(約9,360億円)
生涯収入の総額(に等しい)
平均的なアメリカ人の3.450人(の生涯年収の総額と同額)
運転違反切符の発行件数が最も多い州トップ5
スピード違反の罰金額が最も高い州 と最も低い州
イリノイ州 1,000ドル(15万円) *
アイダホ州 100 ドル(1万5,000円)
ネバダ州 1,000ドル(15万円) *
コロラド州 100ドル(1万5,000円)
テネシー州 50ドル(7,500円)
ジョージア州 1,000ドル(15万円) *
ノースカロライナ州 1,000ドル(15万円) *
ヴァージニア州 1,350ドル(20万5,000円)*
ニューハンプシャー州 1,000ドル(15万円) *
ケンタッキー州 100ドル(1万5,000円)
青(無印) スピード違反切符が最も低額な州
赤(*) スピード違反切符が最も高額な州
最も多く切符を切られる車の色上位 4色
ホワイト(19% 25%*)
レッド (16% 14%*)
グレー(10% 6%*)
シルバー(5% 10%*)
青(無印)交通違反切符総数に占める割合
グレー(*)地域人口に占める割合
最も切符を切られやすいメーカーと車種トップ3
404%
より切符を切られる可能性
400%
タイプ: コンバーチブル
404%
違反件数
走行距離100,000 マイル(約160,000km)あたり(平均比率)
350%
より切符を切られる可能性
タイプ: クーペ
349%
違反件数
走行距離100,000 マイル(約160,000km)あたり(平均比率)
340%
より切符を切られる可能性
タイプ: クーペ
343%
違反件数
走行距離100,000 マイル(約160,000km)あたり(平均比率) トップ3
最も切符を切られにくい
最も切符を切られにくいメーカーと車種トップ3
より切符を切られにくい可能性
89%
タイプ: セダン
11%
違反件数
走行距離100,000 マイル(約160,000km)あたり(平均比率)
2. シボレー サバーバン
より切符を切られにくい可能性
84%
タイプ: SUV
16%
違反件数
走行距離100,000 マイル(約160,000km)あたり(平均比率)
89%
より切符を切られにくい可能性
タイプ: セダン
32%
違反件数
走行距離100,000 マイル(約160,000キロ)あたり(平均比率)
違反切符を切られる人の性別と年齢、超加速度
オハイオ州で収集されたスピード違反切符200万枚の調査結果
性別
男性ー1,200,000(62.6%) 枚
女性ー718,000(37.4%) 枚
年齢
19歳ー74,575 枚
20歳ー80,000 枚
21歳ー76,000 枚
(超過)速度は
9 MPH(約14.5km/h)ー 違反切符 8,703枚
10 MPH(約16 km/h)ー 違反切符 77,000枚
14 MPH(約22.5 km/h)ー 違反切符 150,000枚
15 MPH(約24 km/h)ー 違反切符 310,000枚
16MPH(約26 km/h)ー 違反切符 134,000枚
出典:
米国司法統計局 デイリーファイナンス フォーブス
道路安全保険協会 スノープス USハイウェイパトロール
赤は白に次ぐ2位だった
とはいえ赤でも油断できない。統計上、赤は白に次いで2番目に止められやすい色とされている。その理由は不明だが、やっぱり目立ちやすさが要因なのかも。
その後に続くのはグレーやシルバー。日本の道路上でもよく見かけるベーシックなボディカラーが上位に並ぶ。
捕まりやすさに影響する別の要因
捕まりやすさの要因は車の色だけではない。常識でいえばスピード違反はドライバーの判断ミスと思われがちだが、実は車種やドライバーの属性も要因の一つである可能性があるという。
アメリカの自動車保険の仲介サイトInsurify(インシュラファイ) による、460万件を超える保険申込書のデータ分析によると、ブランドでいえばインフィニティシリーズ(日産)が全体の8.7%を占め、モデルではインフィニティG37の所有者が運転中に最も取り締まりに引っかかる可能性が高かった。
2位は8.4%を占めたトヨタのサイオン(本ブランドは2016年廃止)シリーズ。特にサイオンFR-SサイオンFR-Sが最も違反率が高かった。3位はフォルクスワーゲン(8.3%)で、とりわけ電気自動車のBMW i3のドライバーの違反率が高かった。
これも色と同じで人気が関係するかもしれないが、さらにいえば年齢も関係する。若いドライバーはリスクの高い運転をする傾向があるため、その結果として検挙率も高くなる。
色や車種以外にも要因が
ただ当然ながら、止められやすさは色や車種だけで決まるわけではない。日頃の運転や車の状態も大きく関わってくるだろう。
たとえば汚れを放置したまま走っているとダメージが蓄積したり、視認性が落ちるほか、整備不良と見なされるリスクもある。
愛車をきれいに保つことは、見た目だけでなく安全面でも意味があるだろう。
日々のマナーとメンテナンスも重要
てことで、最も多く止められているのは白であり、それも人気色で台数が多いからという理由だった。
ただ赤は二番目に多く、グレーやシルバーがそれに続く。また統計からすると車種にもある程度の傾向が見られ、若いドライバーほど検挙されやすい傾向がある。
スピード違反も基本的には慎重に運転していれば無縁のはずだが、怪しまれるような運転や色が白でもその他の色でも不審に思われるぐらい汚れててボロボロな車だったら呼び止められることもあるだろう。
ちなみに実体験でいえば、アメリカで赤の車や白の車それぞれに乗ってた時期があったけど、その間も無事故無違反で、とりたたて警察に止められるようなことはなかったな。なんなら赤に乗ってた時は「その車いいね!」と褒められることがあったぐらいだ。
どちらかというと埃だらけのままとか、窓が割れたままとか、ふらついて走ってる車とか、急発進を繰り返してる車とかが捕まってたような。そういう意味では日々のマナーとメンテナンスも重要ってことなのかな。
References: Cjponyparts[https://www.cjponyparts.com/resources/most-and-least-ticketed-types-makes-and-colors-cars]











