
動かざること岩のごとし。6時間以上沼地のほとりで動かないこともある不動大鳥「ハシビロコウ」は、2000年初頭、日本でその人気に火が付き、今や世界的にも注目を集めている。
どことなく恐竜の名残すらあるハシビロコウ先輩の魅力は、カラパイアでも何度かお伝えしたが、2025年10月中旬より、誰もがハシビロコウを自宅に増殖させることができるチャンスが到来した。
タカラトミーアーツから、カプセルトイ(ガチャポン)となって、2025年10月中旬より販売開始されたのだ。
全長11.8cmで首が可動式となっている。このサイズなら大量に招き入れることが可能なのだ。
こいつ、動くぞ?首が動くハシビロコウのミニフィギュア
タカラトミーアーツでは、生物の特徴に合わせた可動ギミックで人気のカプセルトイ「あそべる生物フィギュアシリーズ」を販売しているが、ついに「ハシビロコウ」が仲間入りした。
どれも頭のみが左右に可動し、本体サイズは約11.8cm。
ラインナップは、直立スタイルの「ハシビロコウ A」、「ハシビロコウ B」と、はばたきスタイルの「ハシビロコウ C」と「ハシビロコウ D」の全4種。
きちんと自立することができるので、大量に並べていつまでも眺めていたい、そんなハシビロコウ先輩なんだ。
価格は1セット300円。お近くのガチャポン設置店で取り扱いがあるかどうかは、タカラトミーアーツの公式ページ[https://www.takaratomy-arts.co.jp/items/shoplist.html?shohincd=4904790097331]でチェックしよう。
通販でも販売されているようだが割高となっている。
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ハシビロコウとは?
アフリカ東部のスーダンからザンビアにかけての湿地に生息するハシビロコウ(学名:Balaeniceps rex)は、分類学的にはペリカン目ハシビロコウ科に属するペリカンの仲間だ。英語ではくちばしの形が靴(Shoe)に似ていることから、シュービル(Shoebill)と呼ばれる。
かつてはコウノトリの近縁と考えられていたが、DNA解析の結果、ペリカンやサギに近いことが明らかになった。
全長は約1.2m前後、翼を広げると2.3mにもなる大型の鳥で、25cmほどの幅広いくちばしは獲物をつかみ取るのに適している。
狩りの方法は、先が鋭く曲がったくちばしで、主に肺魚やナマズ、カエルなどを一撃で仕留める。
そのため、ハシビロコウは沼地の近くに立ち、その巨大な体の気配を消し、水面に波紋を立てずひたすら待ち続ける。
雨にも負けず、何時間も微動だにせず獲物を待ち続けることから「動かない鳥」の異名を持つようになった。
動物園で飼育されている個体は、信頼した飼育員におじぎをするような行動を見せることがあり、敵意がないことを示す“あいさつ”の一種と考えられている。
ハシビロコウは繁殖期を除いて群れを作らず、常に単独で行動する。
広い湿地にテリトリーをもち、他の個体が侵入すると激しく威嚇する。つがいは繁殖期のみ一時的にペアを形成し、巣作りから抱卵、ヒナの世話まで協力して行うが、繁殖が終わると再び別々に生活する。
巣は草や葦で作られ、1~2個の卵を産む。ヒナは約30日で孵化し、3か月ほどで飛べるようになるとされている。
ハシビロコウは普段ほとんど鳴かない静かな鳥だが、繁殖期にはくちばしを上下に素早く打ち合わせて「カタカタ」という音を出す行動が確認されている。
これはこれはクラッタリングと呼ばれる行為で、つがい間のあいさつや合図、また威嚇の意味を持つ場合もある。
野生下では警戒心が強いが、動物園では、そのユニークな特性と姿で高い人気を誇り、飼育員さんや、訪問客に「おじぎを返す」ような動きを見せる個体も報告されている。だたしこの行動の意味はまだ学術的に解明されていない。
寿命は野生で約30~35年、飼育下では40年近く生きる例も報告されている。
IUCNでは絶滅危惧II類に指定されており、湿地の開発や密猟によって個体数は減少している。動かないその姿の奥には、厳しい自然の中で生き抜くための知恵が隠されている。
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