
アメリカ、カリフォルニア州の小学校は、鳥のフン害に悩んでいた。多くの鳥がやってきて、学校の至る所にフンを落とすのだ。
そこで投じられた作戦は、なんと本物そっくりのコヨーテを配備するというもの。
それで効果があるのか?と思うかもしれないが、通行人が「コヨーテが学校にいる!」と通報してしまうほどのリアルさが幸いしたのか、効果てきめんだったという。
鳥のフン害に悩む小学校で、偽コヨーテ作戦を実施
アメリカ・カリフォルニア州メンロパークにあるエンシナル校とローラル・ローア校では、、校庭に大群で現れるカナダガンやカラスなどによるフンの被害に困っていた。
校庭やランチスペースにはフンが散乱し、子どもたちの衛生面でも大きな問題となっていた。
エンシナル校の校長であるシャロン・バーンズ氏は、カナダに住む父親に相談したところ、「カナダでは公園などに本物そっくりのコヨーテの置物を置いてガンを追い払っている」と教えられた。
そこでバーンズ校長は、早速校庭にリアルなコヨーテ像を設置した。
すると、カナダガンだけでなく、それまで何をやっても効かなかったカラスまでもがぱったりと姿を消したのだ。
学校の敷地内は清潔さを取り戻した。屋根に本物にしか見えないコヨーテがいる姿を見るは、人間もドキッとするが、鳥たちには抜群の威力だった。
偽コヨーテは、学校にとって思わぬ救世主となった。
清掃の手間も減り、環境負荷も軽減
コヨーテ像の導入によって、清掃スタッフが毎日のようにランチテーブルやその周辺を洗い流す手間が激減した。水の使用量も明らかに少なくなり、結果的に環境にもやさしい結果となった。
同様の被害に悩んでいたローラル・ローア校でも、すぐに2体のコヨーテ像を導入。「オーク」と「セコイア」という愛称も付けられ、いまでは学校の守り神のような存在になっている。
あまりにもリアルだったため、「通報」が相次ぐ事態に
ただしそのコヨーテはあまりにも見た目がリアルすぎた。
ローラル・ローア校のリンダ・クレイトン校長によれば、「すでに十数件の通報がありました。“学校にコヨーテがいる”という内容ですが、事情を話すと皆さん安心して笑ってくれます」とのこと。
子どもたちを守るつもりが、まさか周辺住民まで驚かせるとは思わなかったに違いない。
空港でも採用される偽コヨーテ作戦
コヨーテは動物界ではかなり恐れられているようだ。かつてカラパイアでも紹介したが、偽コヨーテはアラスカ州の空港でも起用されている。
野生動物が空港内に侵入したり、滑走路に鳥が居座るのを防ぐため、コヨーテロボットが配備されている。
最初はボストン・ダイナミクス社の犬型ロボット「スポット(Spot)」が使用されていたのだが、効果が少なかったため、アメリカ陸軍工兵研究開発センター(ERDC)が高性能ラジコンカーの上にリアルなコヨーテの像を乗せたた「コヨーテ・ローバー(Coyote Rovers)」を開発したのだ。
日本にはコヨーテは存在しないが、これでカラスやハトを追い払うことができるのだとしたらすごいな。
でもカラスなら、偽物であることがわかればすぐにまてやってきそうな気もするけど、数か月後どうなってるかが知りたいところだね。
やはり動いたり鳴き声を出したりする本格的な偽コヨーテの方がよさそうな気もするけど、予算の問題もあるな。
References: Inmenlo[https://inmenlo.com/2025/10/15/spotted-coyotes-guarding-local-school-playgrounds/]