ジュラ紀の恐竜「ギラッファティタン」の尻尾は犬のように動いていた、3D復元で明らかに
ギラッファティタン/ Image credit:<a href="https://www.istockphoto.com/jp/portfolio/CoreyFord?mediatype=photography" target="_blank">CoreyFord</a> iStock

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 ジュラ紀後期のアフリカ大陸に生息していた恐竜「ギラッファティタン」(ジラフィティタン)は巨大キリンを意味し、その特徴はなんといっても首の長さだ。

 長い首と巨大な体に目を奪われ、その後ろに伸びる尻尾は、これまでほとんど注目されてこなかった。

多くの復元画では静かに垂れ下がったままで、体のバランスを取るだけの部位として描かれてきたからだ。

 だが、ドイツ・ベルリン自然史博物館の研究チームが行った最新の3D復元で、この恐竜は、犬がぶんぶんと尾を振るように尻尾を自在に動かせた可能性があるという。

 さらにその尻尾を歩行の補助はもちろん、威嚇したり、仲間との合図に使っていたかもしれないというのだから、ますます犬っぽいじゃないか。

 この研究成果は科学誌『Royal Society Open Science[https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rsos.250851]』(2025年8月13日付)に掲載された。

ジュラ紀を生きた竜脚類恐竜「ギラッファティタン」

ギラッファティタン(Giraffatitan)は、約1億5千万年前のジュラ紀後期に、現在のアフリカ、タンザニア南東部テンデグル地域で暮らしていた巨大な竜脚類だ。

 ティタノサウルス形類、ブラキオサウルス科に分類されている。学名の「Giraff」は文字通りキリン(Giraffe)からとったもので、巨大キリンを意味する。なのでジラフィティタンとカタカナ表記されることもある。

 全長は22~25m、体高は12m前後に達し、地上で生きた動物としては最大級だった。

 完全な草食恐竜で、当時のアフリカ大陸に広がっていたシダ植物や針葉樹、ソテツ類などを主な食料としていた。

 後ろ脚よりも長い前脚を持つ独特の体型により、高い木の枝に生える葉を食べることができた。歯はスプーン状で、硬い植物を噛み砕くよりも、柔らかい葉を摘み取って飲み込むのに適していたという。

 長い首を上下に動かしながら広範囲を食べ歩き、乾季にはより青々とした植物を求めて移動していたと考えられている。

 生息地のテンデグル地域は、当時は温暖で湿潤な気候に恵まれ、広大な森林と低地の草原が入り交じっていた。

 ギラッファティタンは群れで行動していた可能性が高く、協調することで外敵から身を守っていたと考えられている。

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3Dモデルでギラッファティタンの尻尾を分析

 これまで竜脚類の尻尾は、体のバランスを取るための単純な支えとされていた。そのため、多くの復元画では地面と平行に伸び、ほとんど動かない部位として描かれている。

 そこで、ベルリン自然史博物館のヴェロニカ・ディエス・ディアス博士が率いる研究チームは、尻尾の役割を調べることにした。

 研究チームは、ギラッファティタンの尾椎(びつい)と呼ばれる、尻尾を支える骨の化石を精密にスキャンし、筋肉や腱(けん)の跡をもとに3Dモデルを作成、コンピュータ上で可動域を再現し、どの方向にどれほど動かせたかを調べた。

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犬のように尻尾を動かせることが判明

 その結果、ギラッファティタンの尻尾は想像以上に柔軟で、左右だけでなく上下にも大きく動かせたことが分かった。

 シミュレーションの結果、ギラッファティタンの尻尾はマラミュート犬が尾をくるりと巻き上げるように丸めることができ、逆に足首近くまで下げる動きも可能だったという。

 さらに尻尾の役割も明らかになった。

 ディエス博士によれば、尻尾は主に、後ろから体を押し巨大な体を動かす手助けをしていたという。

 だがそれだけではない。尻尾を振って外敵に威嚇したり、群れの仲間との合図に使ったりと、社会的な行動に使用していた可能性もあるという。

 犬が尾を振って感情を伝えるように、ギラッファティタンも尻尾を通して仲間とコミュニケーションを取っていたのかもしれない。

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尻尾の重さはサイ1頭分

 研究チームが2020年に行った解析では、ギラッファティタンの尻尾の重さはおよそ2,500kgに達すると推定された。

 これは成獣のサイ1頭とほぼ同じ重さだ。

尻尾は単にバランスを取るためのものではなく、筋肉と骨が複雑に組み合わさった多機能な構造だった。

 研究チームは論文の中で、「竜脚類の尻尾は体を安定させるための支えであると同時に、進化の成功をもたらした重要な要素でもあった」と結論づけている。

 巨大な体を支えるだけでなく、動きと意思を持つ器官として、尻尾は恐竜の生存を陰で支えていたのかもしれない。

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リアルな恐竜の行動の復元を求めて

 ディエス博士は10年以上にわたってギラッファティタンの尻尾を研究してきた。筋肉や腱の痕跡を分析し、現生のワニや鳥と比較することで、かつての恐竜がどのように動いていたのかを探っている。

 こうした研究を重ねれば、恐竜の歩行速度や移動距離、さらには代謝やエネルギー消費までも推定できるという。

 ディエス博士は、化石から恐竜を「生きていた時と同様に蘇らせること」に情熱を捧げており、博物館に並ぶ骨を、動かして歩かせる復元を行うことが最もわくわくするのだという。

References: Royalsocietypublishing[https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rsos.250851] / New 3D Reconstructions Show Massive Sauropods Could Move Their Tails Like Your Pet Doggo[https://www.iflscience.com/new-3d-reconstructions-show-massive-sauropods-could-move-their-tails-like-your-pet-doggo-80470]

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