中国医学にヒントを得た、火鍋モチーフの真っ赤な唐辛子&ミルク風呂
image credit: <a href="https://x.com/AmzChina/status/1981283003751157892" data-type="link" data-id="https://x.com/AmzChina/status/1981283003751157892" target="_blank">X @AmzChina</a>

中国医学にヒントを得た、火鍋モチーフの真っ赤な唐辛子&ミルク...の画像はこちら >>

 今年は冬が早いみたいだ。寒くなってくると温泉にでも入って、身体の芯からぬくぬく温まりたいもの。

 さて、日本人ほどお風呂に命をかけていないと思われる中国では、火鍋をイメージしたお風呂が話題になっているそうだ。

 火鍋に使われる鍋をイメージした浴槽には、唐辛子が山のように浮かぶ真っ赤なお湯と、ミルクをベースにした真っ白なお湯が張られている。

 中医学の原理を取り入れたこのお風呂。健康に良い成分がたっぷりと入っていて、老若男女問わず人気となっている。

赤湯と白湯、2色そろった「火鍋風呂」

 火鍋風呂は中国各地にあるが、今回話題になっているのは、黒竜江省ハルピン市にある「楓葉小鎮溫泉度假村(Maple Leaf Village Hot Spring Resort)[https://us.trip.com/hotels/harbin-hotel-detail-28139980/maple-leaf-village-hot-spring-resort]」というスパリゾートホテルだ。

 このホテルのすごいところは、37もの入浴施設が用意されているところ。中国式の温泉はもちろん、ヨーロッパ式温泉スパ、韓国式サウナ、日本式大浴場など、さまざまな特色ある養生施設が備わっているんだそうだ。

 中医学で四千年の伝統を持つ国だけあって、古代より伝わる「薬湯療法」の概念を現代風にアレンジ。

 薬湯を使った「療法」を、現代の「リラクゼーション」と融合させたコンセプトが、伝統と癒しを求める観光客を惹きつけている。

[画像を見る]

 火鍋に使われる「二色鍋」あるいは「鴛鴦鍋(おしどりなべ)」と呼ばれる、あの2つに分かれた鍋をデザインした浴槽が火鍋風呂の所以である。

 「赤湯池」の浴槽には唐辛子や生姜、シナモンや発覚などのスパイスがたっぷり入っていて、いかにも辛そうな真っ赤なスープが湯気を立てている。

 実はこの赤い色は唐辛子ではなく、赤いバラの花びらによるものだ。だからお湯自体はそこまで辛くなく、小さな子供でもこのお風呂を楽しめる。

 もう片方の「白湯泉」は、牛乳をベースにナツメやクコの実など、薬膳でもお馴染みの身体に良いものがいっぱい入ったぬるめお風呂だ。

[画像を見る]

 ホテルのスタッフは、この「火鍋風呂」の効能についてこのように説明している。

使用されている唐辛子はマイルドな種類で、新陳代謝を促進し、血液の循環を向上させます。また、ミルクは肌に潤いを与えてくれます

 健康に良いお風呂ではあるが、心臓や血管の持病を持っている人や、皮膚に疾患のある人は入浴を控えるよう伝えているという。

[画像を見る]

食事付きで日帰りでの入浴も可能

 ちなみにこの浴場は宿泊客でなくても利用ができ、料金は季節や平日か休日かによっても変わるが、だいたい約188元(約4,000円)くらいらしい。

 スーパー銭湯と比べると高いと思ってしまうが、これには美味しいビュッフェの食事代も含まれているので、食事も一緒に済ませると思えばリーズナブルかも。

 火鍋風呂が人気になって、SNSに動画や写真が出回るようになると、「入ってみたい!」という声と同時に、「食べ物を無駄にするな」といった批判も寄せられた。

  • まるで鍋で煮込まれたようで、全身が熱くなった
  • まるで人間鍋の中にいるみたい
  • 子供がおぼれて、吸い込んでしまったらどうするの?
  • 真っ赤なスープが目に入るのを想像してみて!
  • あれは辛くないよ。ピーマンみたいに甘い種類だから
  • 食べ物を無駄にするんじゃないよ!
  • これが偽物の野菜と入浴剤だったとしても、この中で料理されるのは嫌だわ
  • ていうか、衛生的にどうなの?
  • 酒池肉林ってこんな感じ?

 これに対しホテルのスタッフは、火鍋風呂は「創造的な景観づくり」の一部であると強調し、次のように答えている。

お湯は入浴剤と温泉水を混ぜたもので、赤湯池にはカプサイシン系の唐辛子エキスが入っています。

白湯泉は牛乳やヨーグルト、レモンを入れて、よりマイルドなスープを再現。照明の硬貨で、より写真映えするように演出しています。

浮いている野菜はほとんどがプラスチック製で、インフルエンサーが撮影に訪れた際は、本物を撮影用の小道具として使っています。

本物の唐辛子は1日10kg以下しか使っていません。

[動画を見る]

[画像を見る]

中国各地バリエーション豊かなお風呂が登場

 実はこの「火鍋風呂(鴛鴦火鍋)」、中国では今に始まったものではない。もともとの発祥の地はここハルピンだが、現在では全国に広まっているんだそうだ。

 下は浙江省杭州市の温泉ホテルにある「巨大九室温泉」だ。9つに区切られた「鍋」には、様々な野菜やフルーツがたっぷりと入っていて、入浴しながら食べることも可能。

[画像を見る]

 下は火鍋の本場四川省にある「重慶融匯泉·別院(Chongqing Ronghui Hot Spring Resort)」の火鍋温泉。

[画像を見る]

 こんな感じで、中国ならではの唐辛子たっぷり・ミルクたっぷりな火鍋風呂はいかがだったろうか。

 日本でも柚子湯や菖蒲湯など、お風呂に果物や植物を入れて薬湯にするのは昔から行われているわけだし、カプサイシン入りの入浴剤も売られている。

 だから文化的には唐辛子湯もありっちゃありかもしれないが、みんなはこの温泉に入ってみたい?

References: China's 'Hotpot Bath' Lets You Soak In Chili Peppers. Here's Why Its Trending[https://www.ndtv.com/offbeat/chinas-hotpot-bath-lets-you-soak-in-chili-peppers-heres-why-its-trending-9536671] / What is China TCM-inspired ‘hotpot bath’ where visitors soak in chilli pepper and milk soup?[https://www.scmp.com/news/people-culture/article/3330738/what-china-tcm-inspired-hotpot-bath-where-visitors-soak-chilli-pepper-and-milk-soup]

編集部おすすめ