ケニアのマサイマラ国立保護区で、まるでパーマをあてたような、巻き毛のタテガミを持つライオンが撮影された。
この若いオスのライオンの名は「ズリ(Nzuri)」という。
パイロットであり野生動物写真家でもあるカンビズ・プールガナド氏が撮影し、Instagramに投稿したズリの画像や映像は、瞬く間に話題となった。
美しい巻き毛のタテガミを持つライオン
ライオンのタテガミと言えば、フサフサしてて顔を覆うほどの毛量で、百獣の王としての風格を醸し出しているのだが、中にはパーマをあてたかのようなクルクルの巻き毛のライオンも存在するようだ。
サバンナに広がる草原と、そこに生きる野生動物たちのダイナミックな営みが見られるケニア南西部のマサイマラ国立保護区で暮らす「ズリ」は希少な巻き毛タイプ。
カンビズ・プールガナド[https://www.instagram.com/silent_whispers.photography/]氏が撮影したライオンのズリの姿の特別感が半端ない。
投稿には「ズリはマサイマラで最も美しいライオンの一頭になるだろう。将来はアフリカでも名を残す存在になる」とのコメントが添えられていた。
ズリはなぜ巻き毛なのか?
ズリのように、たてがみが波を打つようにカールして見えるライオンは、野生ではほとんど例がない。こうした特徴がどのように生まれるのかについては、研究者の間でもまだ十分なデータがそろっていないが、いくつかの仮説がある。
ひとつは、もともと巻き毛になりやすい遺伝的な要因を持っていた可能性である。もうひとつは、マサイマラのように湿度が高い地域で雨に濡れたあと、たてがみが乾く過程で自然にカールが生まれたという説だ。
ただし、たてがみが濡れたからといって誰の毛も同じようにカールするわけではなく、こうした巻き毛のような状態は、遺伝的な体質や個体差、気候条件などが偶然に重なった場合にだけ現れる、非常にまれなものと考えられている。
ズリはなぜ群れを離れたのか?
ズリは「オレポロス」というオスライオンの子で、かつて「トピ・プライド」という群れの一員だったが、現在はその群れを離れ、同年代のオスたちとともに行動している。
ライオンはネコ科の動物の中では珍しく、プライドと呼ばれる群れを形成する。
プライドは、血縁関係にある複数のメスとその子どもたち、そして1~3頭のオスによって構成され、狩りや子育てはメスが協力して行い、オスは群れを外敵から守る役割を担っている。
プライドで育ったオスの子どもたちは、生後2~3年ほどで性成熟を迎えると、群れを離れることになる。
これは、近親交配を避けるためでもあり、同時に、群れを支配するオスが将来的なライバルとなる若いオスを遠ざけようとする本能的な行動によるものだ。
支配オスは、成熟しつつある若いオスに対して威嚇や排除の行動をとることがあり、その圧力により、若いオスたちは群れを離れざるを得なくなる。
ズリもおそらくこうした経緯をたどり、兄弟や仲間とともに群れを離れたと考えられている。
彼らのような若いオスたちは、単独行動をするか、血縁関係にある者同士で「コアリション(連合)」と呼ばれる小さなグループを形成し、互いに協力しながら将来の繁殖機会を狙う。
数年の間に力を蓄え、別のプライドに挑戦して支配権を得るか、新たな群れを築くのだ。
世界中の野生動物ファンが絶賛、推しが急増
ズリの写真がSNSに投稿されると、世界中の野生動物ファンの間で話題となった。
「カールがかっこいい!」「イケライオンですね」「ライオン界のスターみたい」「絶対に守ってあげてほしい」など、称賛とともに、その存在を気遣う声も多く寄せらた。
現在、ズリは群れを離れた他の若いオスたちと共に行動しており、その中でも際立った存在感を放っている。
多くの人がその将来を見守っており、ズリの新たな姿が投稿されるのを楽しみに待っているようだ。
私ももちろんその1人である。美しい巻き毛で、しかも若い青年とか、尊すぎるし推すしかないじゃないか。











