アメリカで暮らす93歳の男性は、保護犬だったラブラドール・レトリバーのサニー(7歳)を迎え入れ、穏やかな日々を過ごしていた。
ある日のこと、男性が買い物に出かけて家に戻ると、サニーの姿が消えていた。
男性は必死に愛犬を探し続け、地元の迷子ペット捜索救助団体にも協力を求めた。そこで役に立ったのが、彼の「洗っていない臭い靴下」だった。
サニーはこの靴下におびき寄せられ、数週間後、男性と再会を果たすこととなる。
愛犬のサニーが迷子に!
カリフォルニア州で暮らすノーム・ファイゲンバウムさん(93)は、2025年10月4日、いつものように食料品の買い物にひとりで出かけた。
ところが、帰宅するとサニーの姿がどこにも見当たらない。サニーはファイゲンバウムさんを追って裏庭の塀を乗り越えたとみられ、そのまま行方がわからなくなってしまった。
すぐに捜索を始めたがどこにも見当たらない。愛犬を失ったファイゲンバウムさんの心は深く沈んだ。
「数日たっても戻らなくて、もう会えないかもしれないと思った。サニーがいない家はがらんとしていて、心にぽっかり大きな穴が開いた」と、ファイゲンバウムさんはABCニュースの取材[https://www.youtube.com/watch?v=WYshKlr1NRo&t=57s]で語った。
保護団体の協力で発見されるも、なかなか捕まらない
それでもファイゲンバウムさんは諦めなかった。迷子のペットを専門に探す捜索救助団体「ドッグ・デイズ・サーチ・アンド・レスキュー」に連絡し、本格的に捜索をしてもらうことに。
掲示されたポスターには「93歳の飼い主が親友を探しています!」という心のこもった言葉が添えられていた。
その1週間後、ついに地元の女性から、ファイゲンバウムさんの家から約1.6km離れた自然保護区でサニーを見かけたと連絡があった。
報告を受けた救助隊はただちに現場の調査を開始したところ、その場所にはコヨーテが出没し、水場もほとんどなかったため、一刻も早く救助しないとサニーが危うい状況にあった。
そこで救助隊は、人道的な罠を設置する作業に取り掛かった。
ところが、サニーは非常に警戒していたため、罠には近づかず、なかなか保護できなかった。
飼い主の臭い靴下を罠に入れたところ、サニーの保護に成功!
救助が行き詰まる中、ファイゲンバウムさんはふと、「サニーは私の臭い靴下のにおいが大好きなんだ」と話したことがきっかけで、新たな作戦が立てられた。
救助隊は、ファイゲンバウムさんの洗っていない靴下を並べて“においの道”を作り、その先に罠を仕掛けたのだ。
すると30分もたたないうちに、サニーがそのにおいをたどって姿を現し、ついに保護に成功した。行方不明になってから数週間後だったとされている。
通常なら、洗っていない靴下の強烈な臭いは人に敬遠されがちである。しかし、サニーにとっては、それは長年慣れ親しんだ「大好きな飼い主の安心できるにおい」だったのだ。
サニーと感動の再会!臭い靴下は額縁に入れて飾られることに
サニーは軽い擦り傷や打撲を負っていたものの、すぐに元気を取り戻した。
再会の瞬間、サニーは尻尾を激しく振りながらファイゲンバウムさんの胸に飛び込み、抱きしめられると安心したように体を預けた。
捜索と救助に携わった人々も思わず涙ぐんだという。
家に戻ったファイゲンバウムさんは、思い出の靴下を洗わずに取っておくことにしたという。
「額に入れて壁に飾るつもりだよ」と笑いながら語り、サニーの頭を優しくなでた。











