怪我と関節炎のリハビリのため、老犬のマッサージを行っていた飼い主の様子をじっとそばで見守っていた猫は、ついに行動にでる。飼い主に変わって専属のマッサージ師を名乗り出たのだ。
常に12歳の犬のそばに寄り添い、得意のコネコネで体をもみほぐしていく。犬もとても気持ちがよさそうだ。
もともと仲の良かった犬と猫だが、この出来事をきっかけに、さらに絆が深まったようだ。
怪我をした老犬のそばに寄り添う猫
アメリカ・フロリダ州に住む、認定ドッグトレーナーでペット行動専門家のアンバー・アクアートさんは、3匹の犬と2匹の猫と暮らしている。
今回話題となったのは、12歳のオス犬オークリーと、オス猫のリバーである。
オークリーは数か月前に怪我を負い、さらに加齢による関節炎もあって、現在は理学療法とマッサージによるリハビリを続けている。
飼い主は毎日継続してオークリーにマッサージを行っている。その。様子を常にそばで見つめていたのが、猫のリバーだった。
オークリーのマッサージをしているときは、常にリバーが寄りそい、そばに座り、ずっと見守るようになったという。
飼い主をまねてマッサージを始めた猫
最初のうちはただ見ているだけだったが、何度かマッサージの様子を見ているうちに、リバーは行動を起こした。
オークリーのそばに寝転がり、自ら彼のマッサージをするようになったのだ。
猫は、前足を交互に押すように動かす「ふみふみ・こねこね」する習性がある。
これは子猫のころ、母猫の乳を出すために胸を押すしぐさの名残と考えられているが、成長してからもその動きを続けるのは、安心感や幸福感を感じているともいわれている。
もともとマッサージの才能があったリバーは、その特技を生かし、オークリーの専属のマッサージ師を自ら買って出たようだ。
アクアートさんは、「リバーはオークリーの体を、自分の前足で優しく押しはじめたんです。まるで私の動きをまねしているようでした。」と語る。
以来リバーは、オークリーを気遣い、常にマッサージを施術するようになった。
アクアートさんはその時の様子その動画をインスタグラムのアカウント「@whiskeytoller[https://www.instagram.com/amberaquart/]」に投稿した。
「彼はただ慰めるだけでなく、本当に助けてあげたかったのだと思います。リバーはオークリーにとって最高の猫の兄弟です」とアクアートさんは語る。
一時預かりから本物の家族となった保護猫、リバー
リバーはもともと保護猫で、アクアートさんは一時的に預かるはずだった。しかし、すぐにオークリーと絆を結び、お互いに離れなれないほど仲良くなったので、そのまま家族として迎え入れることになった。
リバーは家族にすぐなじみました。オークリーはとても穏やかで優しい性格で、リバーはそれを敏感に感じ取っていたようです。時間が経つにつれ、リバーはオークリーの保護者のような存在になりました
オークリーが年を取り、関節炎を患うようになってからは、リバーの行動はさらに献身的になったという。
猫が喉を鳴らすゴロゴロ音は、癒し効果もあるといわれているが、ゴロゴロ音を聞きながら、マッサージをされるオークリーにとっても心も体も癒されていることだろう。
種が違っても確かな愛情がそこにある
アクアートさんはSNSを通して、猫と犬のあいだにある愛情を伝えたいと語る。
猫は自由きままで、一定の距離を置く存在と思われがちですが、個体差があるんです。リバーは愛情深い猫で、人間だけでなく、犬とも深い絆を築けるのです。
治療を続ける老犬を、そばで支え続ける猫。2匹の姿は、種が違ってもつながる絆が存在する事実を教えてくれる。











