ライオンの子を使ったホテルのモーニングコールサービスに批判が集まりが停止に

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 中国の江蘇省にあるリゾートホテルで提供されていた、「子ライオンのモーニングコール」サービスがネット上で話題になった。

 朝になるとライオンの子がホテルの客室にやって来て、ベッドにいる客を起こしてくれるというものだ。

 だが、このサービスがSNSで人気を呼ぶと、「危険では?」「動物福祉的にどうなの?」「合法なのか?」といった批判が殺到し、ホテル側は現在、このサービスを停止している。

「子ライオンが起こしに来てくれる」ホテルサービス

 2025年11月、江蘇省宿遷市の「牛角村ハッピー・カントリーサイド・リゾート(歓楽田園度假区)[https://hk.trip.com/travel-guide/attraction/suqian/niujiao-village-fantastic-countryside-resort-136454587/]」にあるホテルには、特別なモーニングコールサービスがあるとして、SNS上で注目を集めた。

 このホテルでは、なんと本物の子供のライオンが、客室までゲストを起こしに来てくれるサービスを行っていた。

 朝になるとスタッフが子ライオンを連れて客室を訪れる。子ライオンはベッドに上がると、ゲストを優しく起こしてくれるというわけだ。

 その後、子ライオンは7分間部屋で過ごし、その間、ゲストは餌をやったり触れ合ったりできる。

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 1泊のお値段は628元(約14,000円)。1日20組限定で、部屋のタイプは問わないとのこと。

このサービスは合法です。ライオンの飼育資格も取得しており、当局にも登録済みです

 当初、ホテル側はこのように説明していた。このサービスSNSで広まると、「泊まってみたい」という希望者が殺到した。

 朝のひと時を可愛い子ライオンと過ごすという、特別な体験ができるとあって、予約は連日満枠という状態になった。

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批判が集まり、現在はサービス停止に

 だが、SNSで話題になってからそれほど時間が経たないうちに、サービスは突然停止されてしまった。

 ネットで一躍有名になったものの、同時に各方面から法的な面、そして安全面からの疑問が呈された。

 子供とはいえ、ライオンは猛獣である。ネット上では「可愛い」という声が聞かれる一方で、「危険では?」という疑問が殺到したのだ。

 ホテル側は、現在以下のように説明しているという。

現在このサービスはすでに停止されています。11月15日以降は予約できません。それ以前に予約されていた分はすべて埋まっています。

もし再開する場合は、事前にプラットフォーム上で告知します

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専門家からは法律上の問題の指摘も

 実はホテル側では、このサービスを希望する宿泊者に対し、事前に誓約書を書かせていたという。

 その内容は公表されていないが、北京市康達法律事務所の羅娟氏弁護士は、このサービスには大きな法律的リスクがあるとし、次のように説明する。

民法典第1245条には、「飼育している動物が他人に損害を与えた場合、飼育者または管理者が賠償責任を負う」と明記されています。

そのため、ホテルが利用者に「自己責任」とする同意書を書かせたとしても、責任を免除することはできません。

宿泊客の故意または重大な過失(挑発・暴行など)が証明された場合に限り、責任軽減や免責が認められる可能性があります。

また、利用客の不適切な扱いで子ライオンが傷ついた場合でも、ホテルが動物管理者として保護監督を十分に行っていなければ、やはり責任を負うことになります。

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動物福祉の観点からも問題

 また、もしこの子ライオンが繁殖個体だったとしても、これは本質的に「商業目的の野生動物利用」に該当する。

 そのため、動物の「利用時」の健康状態、きちんと記録し、安全を保証することも求められることになるそうだ。

 たとえば、子ライオンが頻繁に見知らぬ客室を訪れ、異なる宿泊客と至近距離で接触することは、強いストレスになる可能性がある。

 もしホテル側が鎮静剤を使って無理に従わせるようなことをしていたとしたら、これも明確な違法行為になるという。

 もちろん、子ライオンがゲストにけがをさせてしまった場合は、ホテル側は「宿泊客の安全を保障する義務」を怠ったとみなされる。

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ホテルがライオンを飼育するには法的な許可が必要で、今回のサービスは合法性に疑問があります。

野生動物保護法によれば、ライオンの飼育・人工繁殖・展示やパフォーマンスはすべて許可制です。

ホテル側は「必要な資格を持っている」と主張していますが、具体的な許可証を公開していません。

法的観点から見ると、許可証を示せない場合、ライオンの飼育および「子ライオンのモーニングコール」という名目での宣伝行為は、野生動物保護法が定める「野生動物利用規制」に抵触する可能性があります

 ホテルが安全リスクや資格の不備を明確に告知せず、誤解を招く宣伝をしていたなら、それは広告法上の虚偽宣伝に該当する恐れもある。

 今回のようなサービスを行うためには、上記のような法律上の前提条件をすべて満たす必要がある。

 このホテルがこれらを完全に遵守しているかは、現時点では監督当局の調査待ちだそうだ。

 ホテル側は今回の批判を受けてサービスを停止するとともに、「顧客の安全」と「動物の安全」を両立させるために体験内容を見直しているという。

 「子ライオンとのふれあい」の代わりに、牛の乳搾り体験など、より安全で法的にも問題の少ない親子向けプログラムを出す方向に切り替えようとしているそうだ。

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他でもやっていた「動物のモーニングコールサービス」

 実は今回のような動物による「モーニングコール」サービスは、他の場所でも行われていたようだ。

 2025年6月には、重慶のホテルが「レッサーパンダのモーニングコール」を提供していたことが報じられた。

 今回と同様に、体験した客の動画が拡散すると、「安全性」「動物福祉」「法律順守」をめぐる議論が急速に高まった。

 最終的に当局が介入し、ホテルは即時停止を命じられた経緯がある。

 実際に、2025年2月には江蘇省にある南通森林野生動物園内のホテルで、客室に入ったレッサーパンダが、客の腕を噛んで負傷させるという事件も起こっているそうだ。

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 どんなに小さくて可愛くても、野生動物は強いストレスがかかると防御行動に転じ、思わぬ事故を引き起こす危険がある。

 今回のようなサービスは、癒やしや他では得られない体験を売りにしているわけだが、結局は動物たちを商業的な利益のために利用しているに過ぎない。

 サービスを利用した客からは、「子供がぐずらずに起きてくれるから助かる」といった声も少なくないが、「野生動物を物のように扱い消費すること」への法的・倫理的な問題は、利用者が満足しているからといって正当化されるべきものではないはずだ。

 ゲストの満足度と動物福祉、この2つの間で守られるべき線引きがあいまいなままだと、これからも同様の問題が発生しそうだ。

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References: 酒店推出“萌狮叫早”服务引热议,合法吗?[https://finance.sina.com.cn/roll/2025-11-14/doc-infxkpat1517723.shtml?froms=ggmp] / Chinese hotel offers lion cub interactive wake-up call for guests spending US$88 per night[https://www.scmp.com/news/people-culture/trending-china/article/3332450/chinese-hotel-offers-lion-cub-interactive-wake-call-guests-spending-us88-night]

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