メキシコの紙幣に印刷されたウーパールーパーが可愛すぎて流通が止まる事態に
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 メキシコでは2021年に50ペソ紙幣のデザインを刷新し、同国にのみ生息するウーパールーパーの姿を裏面に印刷した。

 ところがこの紙幣、「可愛い!」「美しい!」と世界中で評判になり、コレクターズアイテムとしても人気になった。

 その結果、現在この50ペソを手元に保管する人が続出、紙幣として流通しなくなるという困った事態に陥っているのだという。

使いたくない!可愛いウーパールーパーが描かれた紙幣

 こちらがそのウワサの50ペソ紙幣である。裏面にはご覧の通り、ウーパールーパーのイラストが印刷されている。

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 なるほど可愛い。ウーパールーパーのおまぬけな表情が上手く表現されていて、愛好家にとってはたまらなく愛嬌のあるデザインである。

 同じお札の表面には、アステカ王国の首都テノチティトランを背景に、「聖戦のテオカリ」と呼ばれる、サボテンの上で蛇を咥えるワシの意匠が描かれている。

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 この紙幣は、2021年の国際銀行券協会「今年の紙幣賞」を受賞した。

 この賞は、デザインや偽造防止技術などを総合的に判断し、その年に新規に発行された中で、最も優れた紙幣に贈られるものだそう。

 デザインが美しいのはもちろんだが、偽造対策に施された大きな透明の窓や、傾けると色が変わってみるインクなどの最新技術も評価されたらしい。

 ちなみにその前年の2020年にも、同じメキシコの100ペソ紙幣がこの賞を受賞している。

 100ペソ紙幣の意匠は、表面に修道女で詩人のソル・フアナ・イネス・デ・ラ・クルス、裏面には「旅する蝶」として知られるオオカバマダラが描かれている。

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ウーパールーパーが可愛すぎて多くのメキシコ人が手元に保管

 バンコ・デ・メヒコ(メキシコ銀行)によれば、およそ1,290万人のメキシコ人が、この50ペソ札を少なくとも1枚以上手元に「保管」しているそうだ。

 その結果、数十億ペソ規模の50ペソ紙幣が、いわゆるたんす預金に回されているような状態で、流通から外れてしまっているらしい。

 この状況に、メキシコ国内ではデマも飛び交いまくった。

 「政府が50ペソの発行を止めるらしい」だの、「いや、新たに大量に刷るらしい」だのといったウワサに振り回されて、余計に使わないことに決めた人も多かったようだ。

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野生下では絶滅が危惧されている両生類

 さて、話を50ペソ紙幣に戻そう。ウーパールーパーの背景に描かれている景色は、ソチミルコの水路とチナンパ(浮畑)のトウモロコシ畑だそうだ。

 ソチミルコと言えば、飼育下で繁殖したウーパールーパーを、野生に帰す試みが行われているエリアである。

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 ウーパールーパーという呼び名は、日本人がアルビノのメキシコサンショウウオからヒントを得て作ったキャラクターからとられたもので、英語では「メキシコサラマンダー」とも呼ばれている。

 あるいは「アホロートル」という名前で呼ばれることも多いが、これはトラフサンショウウオ科のネオテニー(幼形成熟)個体全体を指す言葉でもあり、厳密にはこの種だけを指すわけではない。

 さて、このウーパールーパー、日本でも繁殖個体はペットとして人気だが、野生下では絶滅の危機にあり、先述のソチミルコ周辺のみで生息が確認されている。

 ペットとして流通している個体は、アルビノやゴールデン、マーブル、リューシスティックなどさまざまな体色が見られるが、野生下だと濃い褐色だけとのことだ。

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博物館に客が押し寄せる相乗効果も?

 今回の50ペソに使われたウーパールーパーには、実はモデルがいるらしい。それは、メキシコシティの「アホロティトラン博物館[https://www.instagram.com/axolotitlan/]」にいる、ゴルダというメスだという。

 この博物館はウーパールーパーの保全を目的として展示・教育を行うほか、生態の研究や保護活動にも取り組んでいる施設である。

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 ゴルダは高齢のため、現在は展示されることはほとんどないが、50ペソ紙幣が人気になったおかげで、この博物館にも多くの人が訪れるようになった。

 50ペソ紙幣が人気になる前は、来場者がほとんどいない状況が続いていたというが、紙幣が出てからは、多い時には入場に30分待ちの列ができるほどの人気ぶりで、入場料や寄付金などで、活動資金も一気に増えたらしい。

 紙幣を見て、はじめてウーパールーパーに関心を持ったという人も多いという。

そういう意味では、紙幣はこの種を知ってもらうという、保全活動にとって大きな役割を果たしたと言えるかもしれない。

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お札でインタラクティブな体験ができるアプリ

 ところでメキシコの紙幣には、アプリを使ってインタラクティブな体験ができる機能が組み込まれているそうだ。

 スマホにダウンロードしたアプリを紙幣にかざすと、いろいろな映像が映し出されるようになっている。

 このウーパールーパーの面にアプリをかざすと、ソチミルコの川に浮かぶカヌーや、泳ぎ回るウーパールーパーの姿が鮮やかに再現されるのだ。

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 もし手元にメキシコ紙幣があったら、ぜひ試してみてほしい。もちろん、50ペソ以外の紙幣でも、それぞれ美しい鳥やクジラなどの生き物たちや、街並みなんかが再現されてとても楽しい。

 アプリのダウンロードはこちらから。 Android[https://play.google.com/store/apps/details?id=org.banxico.dge.movil&pcampaignid=web_share] / iOS[https://apps.apple.com/mx/app/billetesmx/id639872278]

 こんな機能があったりするから、余計手元に起きたくなってしまうのかもしれないが、お金は天下の回り物。

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References: Always Smiling Amphibian Featured on Mexican Money Is So Cute it’s Being Hoarded and Never Spent[https://www.goodnewsnetwork.org/always-smiling-amphibian-featured-on-mexican-money-is-so-cute-its-being-hoarded-and-never-spent/]

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