耳の聞こえない犬にお祝いを!覚えた手話でハッピバースデーソングを贈る子どもたち
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 大好きなわんこに手話でハッピーバースデー!2025年11月17日、アメリカ・ニュージャージー州の小学校で、待ちに待っていた特別な誕生会が開かれた。
 
 耳の聞こえないセラピードッグ「コール」に、600人以上の子どもたちが、練習した手話を使ってバースデーソングを届けたのだ。

 王冠をかぶった主役、ピットブルのコールはこの日9歳に。彼は子どもたちにとって毎日迎え、見送りし、ときには校内を散歩して笑顔にしてくれるやさしい犬だ。

 「だから今度はコールの番!」といわんばかりのたっぷりの愛と真心こもった光景が世界中に温かな共感を広げている。

学校で迎えた犬のコールの誕生日

 その日、校内の講堂の扉がおごそかに開き、誕生日を迎え王冠とシャツを身につけたコールがキャリーカートに乗って登場。

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 生徒たちが誇らしげにエスコートする姿に、会場は歓声と拍手で揺れた。まるでヒーローの凱旋のように、子どもたちの目がキラキラ輝き、すぐに笑顔が広がった。

 「コールは耳では聞けないけれど、心で聴いてたよ」

 飼い主で音楽教師クリストファー・ハンナさんが、まるで奇跡のように、みんなの歌がコールに届いた瞬間をそう言い表した。

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練習した手話で子供たちが「Happy Birthday」

 実はこの日のために、600人以上の生徒と教職員が数週間かけ、アメリカ手話を練習。

 当日には小さな手、大きな手が一斉に動き、みんなの真心こもった「Happy Birthday」の歌の手話が歌声とともにコールを祝福した。

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 中心にいたコールはきっと得意げにその歌を受け止めたことだろう。子どもたちの笑顔に囲まれながら、椅子に座って穏やかにみんなを見渡す彼は、その意味を理解しているかのよう。

 さらに「Heroes(ヒーローズ)」という歌が贈られると、その場の空間に涙と笑顔が入り混じり、全員にとって忘れがたいひとときへと変わっていった。

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お祝いの特別なごちそうに大喜び

 その後には特別なごちそうも。誕生日バーガーとナゲットを前にしたコールは、尻尾を振りながら夢中で味わった。

 子どもたちに「おめでとう!」と声をかけられるたびに、彼はその声に応えるように笑顔を見せる。

小さな手が彼の背中を撫で、会場が温かさで満ちていく。

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耳の聞こえない保護犬からセラピードッグへ

 コールは2017年、生後5か月のときにニュージャージー州の動物保護施設に保護された。

 生まれつき耳が聞こえないピットブルの彼を「壊れた犬」と呼ぶ人もいたが、音楽教師のクリストファー・ハンナさんの受け止め方は真逆だった。

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 自身の甥も耳が聞こえないことから、コールの存在に強い共感を覚え、「聴覚を失ったことと引き換えに、特別な能力を手にしている」と信じて迎え入れた。

 それからコールは、同州ヴィンランド市のドクター・ウィリアム・メニーズ小学校に勤務するハンナさんと共に活動を開始。手話に反応するセラピードッグとして、子どもたちの心を支える存在に。

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 毎朝スクールバスを出迎え、放課後は見送り、ときに校内を歩きながら笑顔を届ける。7年間の積み重ねで、子どもたちに「心の先生」と呼ばれるほど絆を深めた。

 コールのことが大好きで、常に彼に癒されているダウン症の少女はコールをギュっとハグした。

 コールは彼女のぬくもりを感じると、目を閉じてやさしく受け止める。ハンナさんはその場面を「深い絆が目に見えた瞬間でした」と語っている。

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「ものすごい愛」「世界はもっと優しくなれる」の声

 おおぜいの子どもたちに愛され信頼されてるコール。そのリール動画は、わずか数日で 65万超の「いいね!」 を獲得し、すぐさまシェアされた。

 このシーンに心揺さぶられたユーザーからはこんなコメントが。

  • 心で聴いているんだね
  • ものすごい愛を感じる
  • コールは子どもにリラックスする姿を見せて安心できる聖域を作ってるんだ
  • すてきな子どもたちの愛がいっぱい!こっちも笑顔のまんまで観続けちゃう
  • 泣いた…
  • こういうので世界はもっと優しくなれる

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個々の違いを力に変える体験を与える存在

 校長のカーリー・オドノヒュー氏はのちにこう語っていた。

あの誕生日会は単なるイベントではなく、共感・尊重・コミュニケーションを学ぶ場でした。

コールは毎朝校長室に立ち寄り、みんなの心を落ち着かせる存在です。彼は子どもたちに個々の違いを力に変える体験をさせてくれます

 またある生徒は「コールがいるといつもより学校が楽しくなるんだ!」と笑顔で話し、別の生徒は「手話を覚えるのは大変だったけど、コールのためならがんばれた」と誇らしげに語っていた。

ASPCA も表彰。スーパーセラピードッグのコール

 コールは2023年に、アメリカ動物虐待防止協会ASPCAによる「動物福祉への顕著な貢献」を讃える賞 Humane Awards において、特別な役割を果たした動物に贈られる賞の一つ「Dog of the Year」を受賞している。

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 実はコールは学校のほかに、ホスピスや退役軍人施設でもセラピー活動を行っており、老齢の退役軍人に希望を届けているそう。

 さらに「チームコールプロジェクト」を通じて、障害を持つ人々への理解と受容を広める活動を続けるなど、注目されるスーパーセラピードッグになりつつある。

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 SNSを通じて、見知らぬ人にも笑顔の輪を広げてくれたコールと子どもたち。

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 わんこと子どもの組み合わせってほんと尊くて泣かされる。

 こんなふうに自分と違う他者を思いやり、心から祝えるような尊くてやさしい世界を共有する人たちがいる限り、世の中捨てたもんじゃないとも思うんだ。

References: Aspca[https://www.aspca.org/news/exceptional-animals-and-people-honored-2023-aspca-humane-awards]

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