2023年8月、アメリカ・テネシー州にあるブライツ動物園に、模様のないキリンの赤ちゃんが生まれた。
ユニークな特徴を持つこのメスの赤ちゃんは、スワヒリ語で「唯一無二」を意味する「キペキー」と名付けられ、動物園で大切に育てられてきた。
だが2025年11月27日、動物園からキペキーの突然の訃報が届いた。まだ2歳だったキペキーの身に、いったい何が起きたのだろう。
アメリカで生まれた「模様のないキリン」
キペキーは2023年夏に誕生したメスのアミメキリンで、生まれつき体に模様がなかったため、一般公開された時は、国内外から大きな反響が寄せられた。
これはキリンとしては極めて珍しい特徴であり、成長後も模様が現れることはなかったという。
名前の「キペキー(Kipekee)」は、スワヒリ語で「唯一無二」「特別」という意味があり、ユニークな特徴を持つ彼女にはぴったりの名前だった。
キペキーが生まれたブライツ動物園は、小規模な家族経営の動物園だったが、、キペキーの誕生をきっかけに来園者が急増し、園の存在を広く知らしめるきっかけにもなっていた。
2年後、突然の訃報が届いた
2025年11月27日、ブライツ動物園はFacebookへの投稿で、キペキーの訃報を伝えた。そこには以下のようなメッセージが書かれていた。
ブライツ動物園は、キペキーが本日の午後遅くに亡くなったという悲痛な知らせを、深い悲しみとともにお知らせいたします。
現在、私たちは獣医のバーグマン医師、ラコバラ医師、そしてテネシー大学と緊密に連携しており、死因を解明するため、詳細な剖検を実施する予定です。
キペキーは世界中の何百万人もの人々の心を動かしました。そして毎日彼女の世話をする特権に恵まれた私たちの心に、特別な位置を占めていました。彼女は本当に優しい魂の持ち主で、飼育係を深く愛していました。
この非常に辛く困難な時期、ブライツ・ファミリーとスタッフ一同が、このかけがえのない動物を失った悲しみに向き合えるよう、どうかプライバシーへの配慮とご理解を賜りますようお願い申し上げます
キペキーの突然の死は、動物園を運営するブライツ・ファミリーやスタッフたちにも、大きな衝撃を与えたことは想像に難くない。
死因については今後の調査が待たれるが、外見上の特徴との関連を示す情報は今のところ存在しない。動物園側は調査結果がまとまり次第、改めて公表するとしている。
「模様のないキリン」はかつて日本にも存在していた
キペキーのように、模様の欠如が見られるキリンは、歴史的にも見ても決して多くはない。
確認されている例としては、1970年代に日本で生まれたアミメキリンの姉妹「リョウコ」と「トシコ」が知られている。この姉妹はそれぞれ、6歳と2歳で亡くなった。
キペキーはこの「トシコ」以来、実に半世紀ぶりに確認された「模様のない」キリンだったのだ。
また、キペキーが生まれた数週間後、アフリカ南部のナミビア・マウントエトヨで、模様のないキリンの誕生が確認されたという報道があった。
だがその1年後には、この個体の身体にうっすらと模様が現れてきたとのことで、完全に模様のないキリンは、キペキーが最後だったようだ。
また「白いキリン」も野生化では報告されているが、こちらも非常に稀であることには変わりがない。
模様のないキリンも白いキリンも、確認されている個体数は非常に少なく、記録も断片的なものしか残っていない。
特にキペキーのように、成長後も模様がないままだった例は極めて珍しく、健康との関係についても、信頼できるデータが蓄積されていないのが現状だ。
飼育下でのキリンの寿命は、およそ20~25年と言われており、模様のないキリンたちが早世するのには、何らかの理由がある可能性も捨てきれない。
今回行われるキペキーの剖検で得られる知見が、今後のこうした個体への理解に役立つことが期待される。
References: Ultra-rare spotless giraffe Kipekee dies at 2-years old, sparking zoo mystery[https://nypost.com/2025/11/27/us-news/kipekee-ultra-rare-spotless-giraffe-dies-at-2-years-old-sparking-zoo-mystery/]











