うれしいニュース。75歳となったコアホウドリのウィズダムが巣作りを開始

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 世界最高齢とされているコアホウドリのウィズダムが、新しい伴侶を見つけたというニュースをお伝えしたのは、ちょうど1年前のことだった。

 2025年11月、75歳になったウィズダムが、ミッドウェー環礁国立野生生物保護区に姿を現したことが確認された。

 新しくパートナーとなった「EX25」も合流し、巣作りの準備を始めているそうだ。うまく行けば、もうすぐ卵を温める姿が見られるかもしれない。

75歳のウィズダムがパートナーと営巣地に戻って来た!

 ウィズダムは2024年、74歳という高齢で卵を産んだことが確認されていた。この時の卵は2025年1月30日に孵化したが、残念ながらヒナは5月以降、巣立ちを迎える前に死亡したと見られている。

 そして2025年11月20日、ウィズダムが毎年巣作りをするミッドウェー環礁の営巣地に姿を現した。

 そしてその5日後、パートナーの「EX25」も姿を見せ、ふたりが巣作りの準備をしていることが確認されたのだ。

 下の写真、手前の向かって左が「EX25」、右がウィズダム(「Z333」)である。

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1956年から卵を産み続けて70年

 ウィズダムにタグがつけられたのは、1956年のこと。彼女が最初の卵を産んだ直後だったという。

 アメリカ地質調査所(USGS)の鳥類学者、チャンドラー・ロビンズ氏によって、「Z333」という識別コードのついた足環をつけられた。

 当時、ウィズダムは既に成鳥で、最低でも繁殖可能年齢である5歳になっていたと考えられている。

 それから46年後、再びミッドウェー環礁を訪れたロビンズ氏は、ウィズダムと再会を果たすことに。

 コアホウドリがこんなに長く生きるとは想像もしていなかったロビンズ氏は、驚愕を隠せなかったという。

 ロビンズ氏は2017年に亡くなったが、ウィズダムは長生きして経験を積んだことで危険を回避する術を会得し、長寿に繋がったのではないかと考えていたそうだ。

 ちなみに「ウィズダム(知恵)」という名前は、2006年にアメリカの生物学者、ジョン・クラヴィッターしが足環を交換した際に名付けたものなんだとか。

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 コアホウドリ(学名:Phoebastria immutabilis)は、北太平洋を回遊する大型の海鳥で、全長約80cm、翼開長は約2mに達するが、アホウドリよりは一回りほど小さいイメージだ。

 寿命については40~50年とされていることが多く、ウィズダムの次に長寿な個体は、現在52歳とみられている。

 繁殖サイクルはかなり「スロー」で、1年にたった1個しか卵を産まないことで知られている。万一卵を失っても、同じシーズンに産み直すことはほとんどないんだそうだ。

 ウィズダムはこれまでの75年の生涯で、約570万kmの距離を飛行して移動したと推定されている。

 また、最初の産卵から、既に50~60個の卵を産んだと考えられており、そのうち約30羽のヒナが無事に巣立ちを迎えたそうだ。

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一夫一婦制を守る鳥

 彼らは一夫一婦制を守り、基本的にどちらかと死別するまでは、毎年同じ相手とペアになって子育てを行う。

 とは言え、つがいが一緒にいるのは繁殖期だけで、子育てが終わると別々の方向に飛び立って、広い太平洋のあちこちを単独で飛び回って過ごすんだとか。

 そして11月の繁殖シーズンになると、ミッドウェー環礁に戻って来て、同じ相手と再会し、巣作りをする。

 ウィズダムは以前のパートナーのアケアカマイを失ってから、数年間独り身でいたようだが、2024年のシーズンに「EX25」と営巣を行っている様子が確認された。

 下の映像は、1年前の彼らの巣の様子だ。

向かって左がウィズダムで、卵を温めるのをパートナーの「EX25」と交代しているシーンである。

 このあとウィズダムは、餌を探しに飛び立って行ったそうだ。きっと今年ももうすぐ、彼らのこんな姿が見られるに違いない。

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 なお、繁殖シーズンを迎えて、営巣地にはライブカメラが設置された。残念ながら、ウィズダムとEX25の巣はこのカメラには写っていないそうだが、コアホウドリたちの様子がリアルタイムで見られるので、是非チェックしてみよう。

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References: The World’s Oldest Wild Bird Just Came Back at 75 to Her Pacific Island Home and Is Still Laying Eggs[https://www.zmescience.com/ecology/wisdom-albatross-75-years/]

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