背筋が凍るような、それでいて目が離せない衝撃的な映像がネット界隈をざわつかせている。
二足歩行のヒューマノイドロボットが、突如としてその体を折り曲げ、映画『エクソシスト』の名シーン「スパイダーウォーク」さながらに、地面をカサカサと這い回り始めたのだ。
ロボット研究者が公開したこの動画は、関節をありえない方向にねじ曲げて高速移動するロボットの姿を捉えており、そのあまりの不気味な動きに技術への畏敬の念と本能的な恐怖が入り混じった声が続出している。
ネットを震撼させたヒューマノイドのスパイダーウォーク
ロボット製作者であり研究者でもあるローガン・オルソン氏は2025年11月5日、自身のSNSに戦慄の映像を投稿した。
自律二足歩行が売りのヒューマノイド(人型ロボット)が、突然バタリと四つん這いになりなった。
すると不気味なほどの柔軟性で手足はねじ曲げ、四つん這いになって、スパイダーウォークさながらの動きで素早くカメラの方に近づいてきたのだ。
「怖っ!」と思ったその瞬間、踵を返すようにロボットは向きを変え、カメラとは反対方向に這いながら進んでいく。
「ふぅっ…」あっちにいってくれたか、と安心してはいけない。またしても全力でカメラの方へと猛スピードで近づいてくるのだ。
この映像はすでに97万回以上再生され、ネットユーザーの好奇心と恐怖心を同時に刺激した。
ヒューマノイドロボットがますます身近になってくる中、普通に作業をしていたロボットが、急に四つん這いになって自分を追いかけてくる未来が見えてきて、悪夢にうなされそうだ。
AIが実現した驚異の身体能力
オルソン氏は、ヒューマノイドにできることの限界を広げようとしている。2025年の春、彼は中国のロボット企業 Unitree社製の「G1」という比較的手頃な価格の高性能ヒューマノイドを入手し、様々な改造や実験を行ってきた。
しかし、今回の「這い歩き」は、これまでとは次元が違う不気味なレベルに達している。
動画では、G1が直立姿勢からわずか数秒でスムーズに四つん這いへと移行する。その手足は不可解なほど正確に曲がってねじれ、人間とロボットとクモを混ぜ合わせたハイブリッドのような姿になる。
この偉業を達成するために、オルソン氏は独自のAIベースの「クロール・ポリシー(這うための制御方針)」を使用した。
これは、AIの強化学習を用いて、ロボットが「立つ」「歩く」「這う」という全く異なる動作の間を滑らかに切り替えられるように開発した制御システムだ。
彼がハロウィンに合わせてロボットにかつらと服を装着させた状態で、地面をカサカサと這い回らせたところ、映画『リング』の貞子や、『エクソシスト』の少女リーガンさながらのホラー感が漂い、その不気味な動きは、近所の人々を本気で驚かせたという。
ヒューマノイドの未来はどうなる?
この映像は、AIとロボット工学の進化を物語ると同時に、「ロボットは人間の動きを再現すべきか、それともロボットとして最適な動きを追求すべきか」という本質的な議論を突きつけている。
Amazonの倉庫などで働く二足歩行ロボットを開発する[https://www.agilityrobotics.com/]Agility Robotics[https://www.agilityrobotics.com/]社のAI研究科学者、クリス・パクストン氏は、多くのヒューマノイドが見せる人間らしい動きは、あくまで訓練による「模倣」にすぎないと指摘する。
ハードウェアとしてのポテンシャルを解放すれば、今回の動画のような人間には不可能な動きの方が、実は効率が良い場合があるのだ。
人間の動きは人間の骨格に最適化されたものであり、金属の体を持つロボットにとっての正解とは限らない。
テスラ社の「Optimus(オプティマス)」や、新興企業のFigure AI社、そしてUnitree社など、様々な企業が開発を競う中で、このテーマは無視できないものになっている。
テスラ社の元開発責任者クリス・ワルティ氏も、「反復作業において人間型が必ずしも理想的ではない」と語っている。
オルソン氏による不気味なスパイダーウォーク動画は、ヒューマノイドの多様な可能性を浮き彫りにした。
這い回るロボットは、人間の真似事を超えて、どれほど自由で驚くべき能力を発揮できるかを示す強力な証拠となったのである。
References: Video: Crawling humanoid robot shocks the internet with its animal-like moves[https://interestingengineering.com/ai-robotics/crawling-humanoid-robot-shocks-the-internet]











