やはりオペレーターが遠隔で?と深まる疑惑。2026年に販売される予定の自律型ヒューマノイドロボットの奇行がSNSで物議をかもしている。
問題のシーンは、アメリカで12月6日に開かれたテスラ社のイベント会場でのこと。
そこで水のボトルを配っていた二足歩行ロボット「オプティマス」が、急にミスを連発し、あげく転倒してしまったのだ。
視聴者の間で、その動きが「人間がヘッドセットを外した動きに似てる」などの指摘が相次ぎ、「接続が切れた」説まで浮上。
拡散中の動画とともに海外の反応までをお伝えしよう。
イベント中の奇行。失敗して転倒したオプティマス
本題の前にこちらを見て欲しい。2025年12月6日にマイアミでテスラ社が開催したイベント会場で目撃されたシーンだ。
その日同社は、2026年販売予定の自律型ヒューマノイドロボット「オプティマス」のデモンストレーションを披露していた。
その一環として、来場者へのおもてなしか、撮影者に水のボトルを手渡そうとしたオプティマス。が、右手を伸ばすも、つかみ損ねてボトルが倒れてしまう
それであわてたのか、直後に上げた左手にもボトルがぶつかり倒れ、さらにはボトルが転げ落ちる事態に。
すると「ダメだこりゃ!」って感じで両手を上げたオプティマス
さらにそのあと、そのまま後ろにばったりと倒れてしまった。
急に脱力したような倒れ具合だが、それほどミスがショックだったのか?
映像に「オペレーターの操作」との指摘が相次ぐ
いかがだろう?では本題だ。
このシーンには直後から「舞台裏まる見え」「ヘッドセットでオペレーターが遠隔操作してた」という指摘が相次いだ。
ちなみにヘッドセット説にもちゃんと裏付けがある。
以前テスラ社が自社の研究所で オプティマスのトレーニングシーンとして、VR ヘッドセットをつけたオペレーターの姿を公開していたからだ。
そんな背景からテクノロジーメディアのElectrekをはじめ、複数のメディアからも以下のような指摘があり、「遠隔操作者がVRヘッドセットを取っているシーン」とする声が高まっている。
注目すべきは転倒ではない。転倒の間に見せた特定の動作だ
さっそく見直すと、確かに妙な動きかも。特に手や頭の動きだ。
倒れる直前のオプティマスは頭の両側に手を添えるような仕草。同時に頭も上を向き、何かを頭から外したように見える。
なるほど、失敗に焦って倒れたにしては不自然だ。コミカルな反応風でも妙な間があり、両手の上げ下げのタイミングも気になる。
「ヘッドセット外した」「脚ロックされてる」の声
オプティマスの遠隔操作を疑う人に証拠を見せよう。(オペレーターが)ヘッドセットを外した直後にロボットが倒れたのが明らか。まったくふざけた話だよ
Xユーザーcixlivが、このコメントを添え12月8日にポストした動画は再生数173万超の話題に。
一方Redditでは、一足早い同月6日、ユーザーDecent_Cheesecake643が以下のタイトルで同様の映像をテスラ板にシェア[https://www.reddit.com/r/teslamotors/comments/1pfzxt0/tesla_optimus/]。
本日マイアミで開催されたテスラ社の自律走行デモイベントにて。オプティマスはアップデートが必要だ
そこにこんな声が寄せられている。
- これまで見たオプティマスの挙動で最も人間らしい反応だった
- どう見てもテレワーク中にヘッドセットを外したやつだ
- オペレーターが透けて見える
- 答え出てるやん
- 膝の上にうっかり熱いコーヒーがこぼれちゃったかな?
- 自律性を披露するイベントで遠隔操作するかなぁ?
- ウケる。操作してた奴がヘッドセット取ったんじゃん。それでロボットがダウン。機体がその場でガクンとならず脚がロックされてるとこが面白い
- オプティマスが水のボトルをあっさり潰したの見て少し怖くなった。こんなのが人間の近くに立つと不安だな…
販売目前でも拭えぬオペレーター疑惑
すでに販売目前のオプティマスだが、2024年に販売計画を発表したテスラ社の最高経営責任者(CEO)イーロン・マスク氏によると、価格はおよそ2万ドル(約310万円)以下とのこと。
だがオプティマスには、依然としてオペレーターの操作疑惑がつきまとう。マスク氏は一貫して自律性を主張するが、その動きに違和感を覚える声がやまないのだ。
たとえば2025年10月テスラ社やマスク氏が公開したデモ映像、27万ものいいねがついた、カンフーするオプティマスの動画にしてもそうだ。
なめらかすぎる動きのせいか、Xで「遠隔操作かAIか?」という疑問が突きつけられたときも、マスク氏は「AIで遠隔操作じゃない」と断言。
さらに同氏は後日の決算発表の場でもそのことにふれ「オペレーターなどいなかった」という発言を繰り返し強調していた。
期待を寄せるユーザーを幻滅させるシーン
今回の件の詳細についても12月8日の時点で、当のテスラ社からの説明などは一切なく、ノーコメントを貫いてるもよう。
もしこれが開発途中のロボットで、開発側もいろいろとオープンに発信していればここまで取りざたされることもなかっただろう。
たとえば、ロボット研究開発企業でおなじみのボストンダイナミクス社は、かつて二足歩行のアトラスをあえてどついて転ばせたりするシーンを積極的に公開していた。
そうした発信はむしろ親しみが湧き、応援する気になったぐらいだ。
だが今回のように、販売間近なオプティマスの一番のウリである「自律性」そのものが疑わしくなるシーンは、期待を寄せるユーザーを幻滅させ、ひいては企業自体への信頼性も下がりかねない。
価格310万円への皮肉も噴出
この映像をめぐっては「オプティマスの価格2万ドルはオペレーターとツール代込み?追加料金が必要?」といった皮肉のコメントまで話題にのぼっている。
オプティマスは、テスラ社のプロジェクトの中で最も脚光を浴びているものの1つだが、このままだと疑惑を晴らすどころか、さらに疑いを深めたままになりそう。
オペレーターの存在は不明のまま
まああれだ。動画を見直した印象としては「オプティマスが失敗の連続でお手上げ状態になり、見事に倒れるシーン」を演出するため、”中の人”が周到にヘッドセットを外した、ように思えたけども。
もしくは、単調なお仕事にうんざりした”中の人”が「オプティマスが仕事を間違えパニックになった」体で、職場放棄したようにも見える。
あとはその時ちょうど、”中の人”が交代するタイミングで、今回の動作も所定のものだった、とか。どれも”中の人”がいる前提で考えてしまう。
今のところ、本当にオペレーターが操作したかはわからないまま。
References: Electrek[https://electrek.co/2025/12/07/tesla-optimus-robot-takes-suspicious-tumble-in-new-demo/] / Teslarati[https://www.teslarati.com/tesla-optimus-dramatically-collapses-after-teleoperator-mishap/] / Mashable.com[https://sea.mashable.com/tech/41063/tesla-optimus-robot-falls-over-goes-viral]











