譲渡会で1匹だけ残ってしまった犬、ドジャースのマスコットにたっぷりかわいがってもらう
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 保護犬たちにとって、譲渡会イベントは運命の家族と出会うための最大のチャンスだ。一部の犬たちが新しい生活への切符を手にする中、時には切ない結末を迎えることもある。

 2025年12月14日、アメリカ・カリフォルニア州のドジャースタジアムで開催された譲渡会で、参加した犬たちが次々と引き取られていく中、たった1匹だけ取り残されてしまった犬がいた。黒のラブラドール・レトリバー「ウォルドマー」だ。

 仲間たちが去り、ひとりぼっちになってしまったウォルドマー。だが、そんな彼に近づいてきた人物がいた。

 イベントを主催したメジャーリーグの強豪、ロサンゼルス・ドジャースのマスコットキャラクターだ。

 マスコットは寂しげな犬のもとへ駆け寄り、力いっぱい抱きしめ、慰めた。その心温まる交流の様子が話題を呼び、物語はまさかの結末を迎えることとなる。

ドジャースタジアムで行われた犬の譲渡会

 2025年12月14日、大谷翔平選手などが活躍するメジャーリーグベースボール(MLB)のロサンゼルス・ドジャースと、ペット用品ブランド「Tavo Pets」が共同で大規模な犬の譲渡会イベントを開催した。会場は、ドジャースの本拠地であるドジャースタジアムだ。

 ロサンゼルス郡にある動物保護施設「ランカスター・アニマル・ケア・センター」も、このイベントに保護犬たちを参加させていた。

 イベントは大盛況だった。ランカスター・アニマル・ケア・センターが連れて行った犬たちは、ほぼ全員が新しい家族と一緒に帰宅することができた。

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 ところが、黒のラブラドール・レトリバー、ウォルドマーだけは残ってしまった。

 仲間の犬たちが次々と家族に引き取られていく中、ひとりだけ取り残されてしまったウォルドマーの寂しさは計り知れないものがある。

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ドジャースのマスコットが全力で励ましてくれる

 だが、ウォルドマーは誰からも愛情を受けずに会場を去ったわけではなかった。

 翌日の12月15日、ランカスター・アニマル・ケア・センターはSNSに動画を投稿した。

 映像には、球団のパフォーマンス・キャラクターであるマスコットが、ひとりぼっちになっていたウォルドマーの頭を優しく撫で、体をさすり、たくさんの癒やしを与えている姿が映し出されていた。

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 同センターは投稿でこのように綴っている。 「ドジャースのマスコットが立ち寄って彼を抱きしめ、『君はいい子なんだよ、運が悪かっただけなんだ』と慰めている様子に胸をうたれました」

 体重約40kg、4歳になるオスのウォルドマーは、マスコットの優しさに全身で甘えた。嬉しそうに飛びついたり、地面を一緒に転げ回ったりして喜びを表現したのだ。

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孤独な過去を持つウォルドマー

 ランカスター・ケア・センターによると、ウォルドマーが施設にやってきたときは、孤独で怪我を負った野良犬だったそうだ。

 施設で過ごした2か月の間、彼を引き取りたいと興味を示す人は誰もいなかったという。

 「運命が変わることを願って彼をここに連れてきました」と施設の担当者は語る。

 「イベント会場では誰もが彼を気に入ってくれました。彼は穏やかで落ち着いていて、たくさんの人々や子供たち、他の犬たちとも触れ合いましたが、家に連れて帰る準備ができている人はいませんでした」

 譲渡会の後、ウォルドマーは養子縁組のチャンスを広げるため、姉妹施設である「アゴーラ・アニマル・ケア・センター」に移送され、そこで待機する予定だった。

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ドジャースのマスコットにパワーをもらった犬に奇跡が起きる

 だが、この物語には素晴らしい続きがある。

 マスコットとの動画が公開された翌日の12月16日、施設はSNSの投稿に追記した。

12月16日更新:ウォルドマーはたった今、引き取られました!

 ウォルドマーに永遠の家族が見つかったことを報告したのだ。

ランカスターは非常に多くの動物たちを保護しています。今回、これほど多くの犬たちが永遠の家を見つけられて本当にうれしいです!イベントを主催してくれたドジャースとTavo Petsに感謝しています

 マスコットから受け取った温かい励ましは、しっかりと幸運を引き寄せたようだ。

 ウォルドマーはもうひとりぼっちではない。新しい家族と共に、これからは毎日たっぷりとかわいがってもらえることだろう。

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