中国のとあるホテルで、宿泊客がチェックアウトしたあとの部屋の様子が、恐ろしいことになっている。
床が見えないほどのゴミの山。
ホテル側は3日かけて清掃・消毒と室内の原状復帰に努めたが、客室として再度使えるようになるには、まだしばらく時間がかかりそうだという。
2年間ホテル住まいをしていたゲーマーが退去した結果
このホテルは、中国・吉林省長春市にある「eスポーツホテル」だという。宿泊していたのはベテランのゲーマーとされる男性で、なんと2年間にもわたり、この部屋に「住んで」いたのだそうだ。
彼は滅多に部屋から外へ出ることはなく、ホテルのスタッフも、彼がどんな見た目をしているのかすら知らなかったらしい。
この男性がようやくチェックアウトしたため、スタッフが部屋のドアを開けたところ、恐ろしい光景が目に飛び込んで来た。
室内は2年間にわたって蓄積されたデリバリー容器など、ビニール袋に入ったゴミがうず高く積まれ、バスルームには使用済みのトイレットペーパーが散乱。
足の踏み場もない客室には悪臭が漂い、目と鼻をいくら覆っても、吐き気を催すような惨状だった。
この後、徹底的な清掃と、それに続く部屋の消毒作業が行われたが、すべてがきれいになるには3日間かかったという。
ホテルによると、室内にはゴミ以外にも目に見える損傷があり、客室を再開するには、さらに大規模な改修工事が必要だと明らかにした。
eスポーツ用の客室がゴミで埋まる
このホテルはeスポーツ用の客室を売りにしており、室内にはコンピューターと高速インターネットが完備しているほか、専用のゲーミングチェアなども備えている。
つまりプロゲーマーやストリーマーなどが滞在し、対戦や配信ができるような仕様となっていたわけだ。
今回の客室にも、パソコンデスクとゲーミングチェアが2脚あるのだが、どちらもゴミに埋まっていて、いったいどうやって使っていたのか、首を傾げざるを得ないありさまだ。
ホテル側はこの男性を、「地獄のような宿泊客」と呼んでいたらしい。彼はチェックアウトの際、約10日分の宿泊費(約400ドル、日本円で約63,000円)を未払いのまま残していったという。
ネットでは「あり得ない」と呆れるコメントが殺到
この様子はXをはじめ、さまざまなSNSで拡散され、多くの視聴者から呆れかえったコメントが寄せられている。
- こんな状態になるわけがない。部屋そのもののチェックや、不審なことが起きていないか確認するために、数日おきに必ずチェックが入るはずだ
- 確か長期滞在の客の場合、9週間ごとに部屋を変えないと、居住者扱いになってしまい、ホテル側の違反になるはず
- その制度や法律は国によって違うよ
- 中国の話だから、法律や運用が全然違うんだろう
- 客が料金を払っていて、しかも清掃を拒否しているなら、何か疑わしい状況でもない限り勝手に中に入れないんだよ
- いったい何年あの部屋に泊まってたんだよ、10年とか?
- ゲーム依存は現実にある。ゲームをやり続けて死んだ人の例もある。あと、すべてのホテルが清掃を強制するわけじゃないし、断ることもできるんだ
- 2年の長期契約だったんだろ。実質アパート扱いみたいなもの。清掃は追加料金だから、断る選択もできたんだ
- イギリスのホテルでハウスキーパーをしているけど、たとえ滞在を延長し続けていても、一定日数ごとに必ず部屋に入る決まりがあるよ。ここでは30日以上宿泊していると、法律上は居住扱いになる問題があるから、29日目で一度チェックアウトして、またチェックインし直させるの
- ホテルなら定期的に清掃が入るんじゃないの?
- そうとも限らない。すごく長期で予約すると、清掃不要として料金を外せることもある。実際、家賃より安いからホテル暮らししている人を知ってる。光熱費込みで、払うのは部屋代と食費だけ
- あり得ない。
ホテルで働いていたけど、スタッフは普通、毎日部屋を確認するはず- あの清掃員はボーナスをもらうべきだし、ホテルは絶対に宿泊客に請求すべき
- 私も22年間、ホテルのハウスキーピングをやってきたけど、あんなの見たことないよ
- ホテルは2年間お金を受け取り続けて、ハウスキーピングを要求もしなかったってことなら、客だけじゃなくホテル側にも責任がある。アパートじゃないんだから
- 自分はホテルマネージャーだけど、国際基準では2~3日に1回は必ず清掃と換気のために入るはず。健康と安全の問題だから、免責条項にも普通は書いてあるよ
- だからアメリカではクレジットカード情報を事前にもらうし、まともなホテルやモーテルは最低でも週1回は必ず部屋に入る。ああいうのは本当に不潔すぎる
- そいつ、どこで寝てたんだろう。ニオイで地獄だったんじゃないのか?
- 毎日チェックしなかったホテルが悪いよね。後になって仕事が何倍にも増えるだけだから
- これはフェイクだろ。少なくともゲーム依存とは言えないよ。だってゲーミングチェアまでの通路すらないなないか
- これは典型的な精神疾患の兆候だよ
- 精神疾患とは関係ない。ため込みでも、怠けでもない。ホテルなんだから清掃を頼めばよかっただけ。人生の事情は人それぞれだ
- 2年間、誰も部屋をチェックしなかったのか?
- 長期滞在だと、部屋をアパート扱いにしてほしいと頼める。ルームサービスやベッドメーキングなしとか。
なぜ彼がそれを選んだのかは謎だが、明らかに清掃してもらったほうがよかっただろうに- 部屋にゲストがいる間は清掃しないし、彼はデリバリーを受け取る時以外は椅子から動かなかったんだろう。
- でも臭いはどうしたんだ。どうして誰も気づかなかったのか理解できない
- 手袋とマスクじゃ足りない。防護服で入るレベル
- こんな生活で、2年間どうやってホテル代を払っていたのか理解できない。人生の他の部分も相当破綻していたんじゃないかと思ってしまう
客室の管理はホテル側の自主的な対応がカギ
中国の場合、ホテルなどは法律で、宿泊者の情報の登録が義務付けられているが、宿泊すること自体に制限があるわけではない。
この客室自体、「eスポーツ向け」に特化した仕様だったわけだが、この男性がどんな目的で、このホテルに滞在していたかは不明である。
ちなみに日本で「ホテル住まい」と聞くと、かつては富裕層の特権だったようなイメージだが、最近はマンスリープランや長期滞在向けの料金設定もあるし、Airbnbなどの登場で、長期のステイそのものも珍しくなってきている。
その場合、現時点では客室内にスタッフが入って確認する義務や、何日おきにといった法令上の決まりは特にないようだ。
最近は持続可能性を意識した取り組みで、連泊する場合はリネン類は毎日交換せず、客からの申し出があった時に対応するケースも増えている。
防犯や衛生管理の面からも、室内のチェックや清掃の頻度などは、ホテル側が自主的に、独自のルールで対応しているというのが実状だろう。
だがそれにしても、2年も客室内を一切確認しなかったのは、ホテル側の怠慢と言われても仕方ない。
今回の事案で、宿泊していた男の身元や行方などは、中国の公安がきっちり把握していると思われる。
だが男が今どこで何をしているのか、補償や慰謝料などが支払われることになるのかなど、詳細は今のところまだ報道されていないようだ。











